2012年03月25日

『ピアノマニア』

pianomania.jpg

http://www.piano-mania.com/index.html

映画館でのひとときが、とても楽しかった。
お客もまばらな館内、音楽関係の方はいたのかしら。
(なんだか私ひとり、笑いのツボがずれていた気がする…)

私は決して耳のよい人間ではありませんが、
夫と抜き差しならない喧嘩になるのは、たいてい「音」絡み。
ステレオ機材が落ち着くまでは、本当によく喧嘩をしていました。
そういえば今のシステムになってから、随分楽になったなあ。
(夫はプチ・ステレオマニアです。
 むろん生演奏がデフォルトですが。
 現在我が家の機材は全てイギリスのオールドに。)


素晴らしい映画です。
でも、映画の主題とは関係のないところで、ひとつどうしても個人的にひっかかることがある。
今、世界全体が大きく向かっている気がする「音の趣味」の問題。
これはあくまで「趣味」ですから、いい、悪いに振分けることはできません。しかし昨今、クラシックにおける「良い音」が、ずいぶん「デジタル・スピーカー的」とでもいうのか、濁りや揺らぎのない音になっているような気がするのです。デジタル・ロマンを私は否定しませんが、そればかりになるのは、私にはつまらない。
(そもそも、ホールの音響自体が綺麗になりすぎている気もする。
 「音楽空間」について、もっとよく考え観察しなければ。)

ともあれ、映画そのものの楽しさに何ら影響を与えるものでもない。
かねてから思っていたことを、映画によってよりよく考えさせられたと言うべきでしょう。

音の純度の高さ。この本質とは、なんなのだろう。


* * *


親愛なる我が師のレッスンを受ける。

…なんというか、整体院にいった後みたいな感覚。
ひとりで勝手に盛り上がって練習しているうちに、どんだけマニエってたんだ、という。
(いや、この言い方は美化だな。
 要するに楽譜がいい加減になっていた、あーあ。)

4月から学生に戻るのを機に、レッスンも再開することにした。
自らが未熟であることを、完全に受け入れなければと思う。
その上で、今ある立場と責任を背負うこと。





posted by K10 at 23:52| 映画

2010年12月30日

『ハーブ&ドロシー』アートの森の小さな巨人

herbanddorothy.jpg

郵便局員と図書館司書の夫婦が集めた現代アートが
世界屈指のコレクションに!!
愛すべき二人の歩んだ豊かな人生の秘密

☆公式サイト http://www.herbanddorothy.com/jp/index.html


NYという都市に、初めて心からの憧れを感じました。
こんな二人が、暮らす街。
「審美眼」とはどういうものなのかも、この映画で実感できた
気がします。

 (今年結婚した、私の親友とそのご主人。
  なんだか、イメージが重なるんだな。
  素敵なご夫婦!いついつまでも、お幸せに☆☆)

名古屋では、名演小劇場にて。
おすすめです。ぜひ☆

* * * * *

気づけば、2010年もあと明日1日。
すっかり月刊と化している本ブログです、ううむ。
今年は本当に、更新回数が少なくなってしまいました。
けれどここは、私にとって大切な場所。
これは変わることがないし、変えないでいたいと
思っています。

出会えた素敵なモノ、コト。
素晴らしい友、人々との、大切な時間。
芸術という、地球の魔法。
言葉にする力を、来年はもっと上げて行きます。

今年も本当にありがとうございました。
来年も、どうぞよろしくお願い致します。

良いお年をお迎え下さい。


posted by K10 at 17:47| 映画

2010年08月06日

夏休み -1-

学生時代からの友 poppa ちゃんと、真夏のカレー場で待ち合わせ。

ホジャ・ナスレッディン

熱で疲れた体に、スパイスが染みわたります。
デザートまで、ゆったりと頂きました。素晴らしいカレー場。
ちなみに、店内に流れるBGM も私はとても好きでした☆
ごちそうさまでした!


久しぶりに会うので、たがいの近況を報告し合う。
poppa ちゃんは相変わらず、淡々と且つものすごくエネルギッシュだった。
彼女の旅体力というか、移動能力にはイヤハヤ圧倒されっぱなし…
今夏は時間差で同じ土地を旅するから、それも楽しみなのだ。

ところでこの前夜。
私は20年ぶりに観た映画のことで、ちょっと衝撃を受けていた。


『QUADROPHENIA』(邦題:さらば青春の光)1979・イギリス

(以下、ネタばれアリマス)
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posted by K10 at 23:55| 映画

2010年01月29日

『ベジャール、そしてバレエはつづく』

http://www.cetera.co.jp/bbl/index.html

胸の奥深くに、響き渡るような映画でした。

過酷なほどの稽古。
けれどミューズは、その扉からしかやってこない。

踊る魂とは、なんと美しいのだろう。


名古屋では名演小劇場で。
2月5日(金)までです。お早めに。

posted by K10 at 23:57| 映画

2009年03月14日

『once ダブリンの街角で』(DVD)

なんてきれいな映画。

http://oncethemovie.jp/

少々疲れていたので、気分転換に。
(思いのほか弾けるようにならない鬼火にイライラ)

優しい詩人のまなざしを感じます。
しあわせな気持ちになる、青春映画。

日頃あまり観ないタイプの映画ですが、
こういうのも、いいな。





 
posted by K10 at 00:13| 映画

2009年02月27日

Frank Lloyd Wright (DVD)

「フランク・ロイド・ライトの人生はまさにアメリカ建築史そのものであった。」〜解説より

Frank Lloyd Wright.jpg


近代巨匠建築家の生涯に焦点をあてた映画。
監督 ケン・バーンズ。

1867年生まれ(音楽家では、トスカニーニやグラナドスと同い年)。南北戦争が終わって2年後のことと知り、自分のなかの歴史の軸が、ぐいっと動くのを感じた。

グッゲンハイムは、なんとしても、今生一度は訪れなければと思っています。
そしてやはり、落水荘。
その窓辺に意識を集中して、頭の中で佇んでみる。
床の、水紋のような石目。上も下も、まるで、水と緑。
建築に関して全く無知ながら、「建築を楽しむ」という目的のためだけに旅をしてみたいと、初めて思いました。

明治村(犬山市)にある「帝国ホテル・ロイド館」は、お気に入りのひとつ。個人的な感覚で恐縮ながら、訪れるとなぜか、子供のころ祖母が読んでくれた絵本のなか「シャムの国」の物語の、切り絵の挿絵のイメージと重なってとても親しみを感じます。


しかし、なんという人生。
「芸術家の時間」、そのエネルギーに打たれました。
posted by K10 at 00:16| 映画

2008年12月04日

大阪

2008師走のはじまりは、大阪づいています。

* * * * *

久しぶりに映画を観ました。

『77 BOA DRUM』
http://www.myspace.com/film77boadrum

大阪のバンド BOREDOMS(V∞REDOMS) が、2007年7月7日
ニューヨークで行った野外ライブのドキュメンタリー。

フロントのヤマタカEYヨさんは、人類というより「音生物」です。

ブルックリン橋のたもと、77人のドラマー(BOREのメンバー3人も
ここに)と、ヤマタカEYヨさんのギター(のような、打楽器?)と
シーケンサーによる大合奏。
いやはや、現場での音はいったいどんなだ?
口惜しやあ、映画館の椅子にいる私。

2009年9月9日99人のドラマーで、ぜひ日本で演って頂きたい。
…その時は、参加を申し込んでしまうかもしれないワタクシ。

* * * * *


週末の、大阪でのコンサートにむけて。
(右上《NEXT CONCERT》をご覧ください→)
ふつふつと、小さな泡が立ち上り続けるような日々です。





posted by K10 at 00:54| 映画

2008年07月22日

魂の在処

演奏会の準備とは練習に他ならないけれど、それ以外の仕事というのも馬鹿にならない程ある。
どう取捨していくのかは、演奏家としてのキャラクターに関わる重要な問題だ。
そして私は如何ともしがたく、不器用だな。

* * * * *

『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 2.0』
夜風にあたりたくて、レイトショーに。

「これを作りたいのだ」という、おそらく監督の、非常に強いエネルギー。
私は賛成です。

『スカイ・クロラ』も行きます。
落ち着いたら『崖の上のポニョ』も。
(アニメも、ひととおり好きです。)


鑑賞後、なんだかとても歩きたくなったので、映画館から家まで、1時間半かけて歩いて帰りました。
汗をかく体は、魂をちゃんと感じることができる。
基本は大切。


posted by K10 at 10:01| 映画

2008年06月05日

『ランジェ公爵夫人』

オノレ・ド・バルザック原作。

http://www.cetera.co.jp/Langeais/index.html


19世紀初頭の、パリ貴族社会を舞台とした作品。
監督はヌーヴェル・ヴァーグの旗手、ジャック・リヴェット。



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posted by K10 at 23:09| 映画

2008年05月28日

『 JOY DIVISION 』

1976年、セックス・ピストルズに衝撃を受けたマンチェスターの若者4人によって結成され、1980年イアン・カーティス(ヴォーカル)の自殺によって幕を閉じたバンド「ジョイ・ディヴィジョン」のドキュメンタリー。

http://joydivision-mv.com/


以下、ちょっとしゃべりすぎで、重たいです。






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posted by K10 at 02:11| 映画

2008年04月27日

『ノーカントリー』

原題は " NO COUNTRY FOR OLD MEN " 。
今年のアカデミー、作品賞、監督賞、脚色賞、助演男優賞。
その他、受賞超多数。

期待して観に行って、期待以上。お見事。
およそ単純に面白いとはいえない、重さに打たれる。
以下、ネタばれありです。


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posted by K10 at 17:59| 映画

2008年04月26日

『非現実の王国で〜ヘンリー・ダーガーの謎』

アウトサイダー・アーティスト、
ヘンリー・ダーガーのドキュメンタリー映画。

親類も友人もなく、雑役夫として働いた病院と教会のミサを行き来するだけの貧しい生活を送った孤高のアウトサイダー・アーティスト、ヘンリー・ダーガー。身寄りもないまま1973年にシカゴでひっそりと息を引き取った後、40年間を孤独に暮らしたアパートの部屋から「非現実の王国で」と題した15000ページを超える小説の原稿と数百枚の挿絵が発見された。孤独のなかにたてこもり、妄想を綴り、生涯をかけて描いた作品は、死後、急速に評価を得て、今、もっとも注目を浴びる話題のアーティストでありながら、その生涯はベールに包まれている。
(パンフレットより)




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posted by K10 at 01:09| 映画

2008年04月07日

『マイ・ブルーベリー・ナイツ』

http://www.blueberry-movie.com/


ウォン・カーワイ監督最新作。
さまざまな疲れがピークにきていた土曜日。
夕方から、とろとろと映画館へ。

総合的には、とてもとても楽しみました。
なんだか色々考えちゃうのも、楽しみました。


以下、ネタばれあり。





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posted by K10 at 23:50| 映画

2008年02月27日

『バレエ・リュス〜踊る歓び、生きる歓び』

http://www.balletsrusses.net/

淡々とその歴史、軌跡が映し出されてゆく。
それだけなのに、この小さな映画館に集った人々の
ほとんどが、涙で頬をぬらしていた。

素晴らしい、素晴らしい映画です。

のろまな私は、あの日の涙の理由を言葉にできません。
でも、それはむしろ歓びです。
生きていくこれからの時間、受け止めた宝を
ゆっくりと抱きしめていきます。

「舞台とはね。去り難いものなのだよ。」

過去を見つめる瞳は、夢そのもののような光を帯びている。
しかしその瞳が存在する「今」という時を、
彼らは、なんと美しく生きているのだろう。

この映画を、私は心から敬愛する
フランス語の師と一緒に観ました。
古い映画館。
私の右側に座った師の存在が、この映画を、
より一層、私にとって大切な宝としました。
これは、本当に、本当の幸運。
感謝したいと思います。


* * * * *

森林散策。
『蛇』 『不思議な鏡』 読了。
posted by K10 at 23:42| 映画

2008年02月18日

DVD2題

ドキュメンタリー映画を2本鑑賞。


☆『スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー』
 http://sketch.cinemacafe.net/

スペインのグッゲンハイム美術館、
ディズニーのコンサートホールなどが有名。
なんて素敵な建築家。
そして苦闘の人生に彫り上げられた、
なんという魅力的な人。

「 “真実の瞬間” に、いつも憧れている。」

生まれ変わったら画家になりたいと話すゲーリー。
エベレストと、スコップで作った砂場の砂山くらい
レベルの違う話だけれど、
“真実の瞬間” に焦がれる毎日は、私もホソボソ送っている。
だから、映画の端々に叱咤され、凹まされ、励まされ。
激しく、かつとても楽しく反応。

安全策は大切。でも、勇気がなくなったらお終い。
観賞後、ちょっと悩んでいた頭のなか
2008年のプログラムがごっそり組み替えられていた。

えらいことに、なったぞ。
そして、えらいこと単純なワタクシ。


☆『 KURT COBAIN : About a son 』
 http://www.kurtaboutason.com/

耳孔からぐうっと、みぞおちの深いところまで落ちて、
そのままそこに突き刺さるカート・コバーンの声。
思えば、年に1回はアルバムを聴いている。それは
たぶん、この声がどうしようもなく好きだからと思う。

映画のラストに、妻コートニーの声が一瞬はいる。
・・・彼女も、こんなにすごい声の持主だったとは。
はじめて知った。

彼らの、なんでもない日々の会話、すべてが
この声で交わされていた、と思うだけで、耳と胸が塞がる。
目を閉じた真っ暗闇のなか。
甘い声が行き交う、私にとって、もはやそれは天国的だ。

彼の自殺を報じた新聞の小さな記事は、私の脳に、
写真のように記憶されている。
あまりにも無残な13年前の現実と、
あまりにも身勝手な自分の妄想に、狼狽。
否。
軸がずれているだけ。
層が違っているだけ。
彼が放った音楽を、私は今でも愛している。










posted by K10 at 22:26| 映画
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