2014年07月12日

お知らせ

季節外れの台風が去り、猛暑の週末です。
まもなく梅雨もあけることでしょう。
本格的な夏の到来です。

皆さま、大変にご無沙汰しております。
お元気ですか。

本当に、本当に長らく、この綴りをお休みしておりました。
気づけば、1年近くにもなります。

2012年春、私は母校である愛知県立芸術大学音楽研究科博士前期課程へ入学いたしました。
ピアノ専攻ではなく、音楽学専攻です。
演奏活動を続けるなか、「論」という存在への憧れが、次第しだいに高まったためでした。
それに少しでも近づくために、楽器の前から一度離れてみようと決意した次第です。

今年の3月までは、室内楽を中心に少しずつ演奏会にも出演させて頂いておりましたが、
今年度より1年間、全ての演奏活動をお休みさせていただくことにしました。
修士論文提出まで、課題と真剣に向き合う所存です。

・・・私を知る方々には、私に論理立てた思考など到底無理なことお分かり頂けるかと思います(笑)。
実際、ひたすら「頭の悪い私」に向き合わざるを得ない、四十路での学生生活です。
(もともとCPUもメモリもアカンのに、ハードディスクの劣化も著しいといった感じです)

それでも、学ぶということはなんという幸せな事か。
なんという贅沢な事か。

こうして日々を過ごす中、音楽そして芸術への考えも少しずつ変化していきました。
今、また扉の前にたたずんでいる、そんな気持ちです。

これまで特にご報告もなくお休みしていた本ブログですが、
あらためまして、今しばらくのお休みを頂きたいと思います。

そして、私のHP『ピアノと加藤希央 階段のまんなか』も、一緒にお休みとさせていただきます。

(上記サイト・デザインも、敬愛するアーティストMkhdkさんに作って頂きました。クライアントの思いを確実に表現できる画力。いつもながら感動します。
ウェブに起こして下さったのは、株式会社アイプラッドさんです。いつも有難うございます!)


それでは皆さま。
またお会いできます日を夢見つつ、ひとたび綴りを閉じさせていただきます。


この小さなブログを訪れて下さり、
本当にありがとうございました。







posted by K10 at 20:00| 日記

2013年08月03日

夏休みとコンサートのお知らせ


皆さま、大変にご無沙汰しております。

(…春休みの次は夏休みかい!
 っというお叱りの声も頂きつつ…)

はい、夏休みでございます。

あまりにも充実しすぎた日々で、
全くブログを書く余裕を持てませんでした。

実感。脳みそって、ひとつなのね…。

面白い事、素敵な事がたくさんあったのですが、
記録できていないことがとても残念です。

夏休み、とはいえ今年は相当ミッチミチな
毎日なのですが、それでも夏休み。
できるかぎり復習していきたいと思います。


そして、演奏会のご案内です。
水の都、大垣にて。

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スイトピア ミュージックパレット
ミュージックギフト Vol.3
管楽器と声楽の秘密 〜息が音に?〜

日時:2013年8月17日(土)
会場:大垣市スイトピアセンター 音楽堂
開場:15:30 開演:16:00

出演:愛知県立芸術大学音楽学部同窓会岐阜支部
   ☆高木彩也子
   ☆水野秀樹
   ☆酒井絢子
   ☆アンサンブル・カラヴィンカ
    宮澤香
    原野千代子
    桑原真知子
    加藤希央

曲目:♪ドニゼッティ《愛の妙薬》より
   ♪フランセ《トリオ》
   ♪イベール《5つの小品》
    ほか

チケット:全指定席 1500円
※webでも予約受付して頂けます。
 http://www.og-bunka.or.jp/
※予約チケットのお受け取り、お支払いは、
 サークルK・サンクス、またはセブンイレブンで。

主催:(公財)大垣市文化事業団
後援:大垣市教育委員会


ご来場お待ちしております。

猛暑の夏、皆さまくれぐれもお大切に。






posted by K10 at 16:17| 日記

2013年01月31日

La fiaba 2013 始動

ソプラノ長澤雅恵さんとのユニット≪ラ・フィアーバ
2013年公演に向けて第1回目の打合せ、

…と称して、遊ぶ。

楽譜や絵本、お洋服やお菓子や、たくさんのきれいなもの。
次々に広げながら、テーマを絞っていく。

初共演が1995年だから…、  !!!
この間、ずっとこのスタイルは変わっていません。
そして、楽しい♪

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うふふ。
公演予定は、季節をぐるりとまわった次の冬。

どうぞお楽しみに☆☆☆










posted by K10 at 23:42| 日記

2013年01月29日

春休み

非常勤講師を勤める大学のレッスン、試験が終了し、
さあ、春休み。

学生、教員いずれにとっても、この春休みの使い方が、来年度の生活を決めると言っても過言ではないように思います。
(20年後にこんなこと言っているなんぞ、やんちゃな学部生だった頃の私に聞かせてみたいもんだ…)
 
まず読譜と練習。
そして、読書。

時間には限りがありますから、よくよく考えながら、
歩を進めていきたいものです。

* * *

昨年末、我がアトリエにピアノが到着しました。
これからの旅を共にする相棒を探し続けて、約10年。
やって来たのは、非常に手の込んだカスタマイズが施された、国産のフルコンサート・グランドピアノです。
決して広くはない自宅アトリエに、フル・コンだなんて。
重低音好き極まれり、でもあるのですが、決め手となったのは、楽器の試弾時に感じた、経験したことのない「優しさ」の感覚。あのような繊細な感覚に包まれたことはこれまでになく、なにか、魔法に出会ったような気持ちがしました。

この子と巡り合うまでにも、色々なドラマがありました。
偶然やタイミング、言葉にしがたい「流れ」のようなもの。
そういえば、昨年リストアが終わった「豊郷のピアノ」との出会いも、本当に不思議なものでした。

楽器とは、やはり存在そのものがドラマティックなのだなあ。

* * *

近年、アンサンブル・カラヴィンカの代表であり、また大学院博士後期課程の学生でもある、フルーティスト丹下聡子さんとの共演から、フルートとの作品を数多く演奏する機会を得たのは、私にとり非常に有難い経験となっています。
3月には、彼女の門下生発表会での伴奏を受け持たせて頂きますが、また新たな作品と出会えること、そして音楽とフルートを愛してやまない生徒さん達との出会いに、とてもワクワクしています。

アンサンブル・カラヴィンカ第10回定期演奏会(5月17日:名古屋・熱田文化小劇場)では、ディティーユのソナチネを共演させて頂きます。

ううむ。嬉しくてドキドキする。

* * *

その他、修士論文研究のための読書、調査。
来年度の「おはなし音楽会」の準備。

…頭のなかがワンルームな私に、ちゃんとこなせるのか。
すでに不安だったりします。

が、
2013年いきなり私の心を捕えて離さないハニー登場☆

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!!!!!SHERLOCK!!!!!
NHK海外ドラマホームページ

細部までよく作り込まれていて、もう大興奮。
随所に散りばめられた、原作からの様々なトピック。
全部解析したい。

つまり原作を読み直したい。熟読したい。
(思い出すなあ、小学校の図書館)
偕成社の全集、大人買いの誘惑…。

そして画面に流れる、あの懐かしいシアンの色。
ああ、ロンドン。あの街の風景は、いつの季節も、時間も、
いつもなぜか、大気に色がついているような独特なシアン。
すべてが、青ざめて見えるのです。

21世紀のシャーロック・ホームズはホームページを持っている。
☆≪推理の科学≫ The Science of Deduction 

もちろん、ワトソン氏も。
☆≪Dr.ジョン・ワトソンのブログ≫ The brog of Dr.John. H.Watson


ええ、これで英語も勉強しますから(言い訳)。

ロンドン行きたい!!!!!




(そして、迫りくる確定申告の足音。ああ。)









posted by K10 at 00:10| 日記

2013年01月06日

コンサートのご案内

◇  ◇  ◇

☆ドクトラルコンサート&レクチャー☆

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愛知県立芸術大学大学院博士後期課程の学生によるコンサートです。

2013年1月9日(水)
杉江さやか(ピアノ)、
丹下聡子(フルート)*ピアノ:加藤希央

2013年2月15日(金)
成本理香(作曲)、
高木彩也子(ソプラノ)*ピアノ:青木園恵 *フルート:丹下聡子

2013年2月28日(木)
吉内紫(ヴィオラ)*ピアノ:加地彩香、海老原優理(ピアノ)
レクチャー:七條めぐみ(音楽学)

コンサートはいづれも長久手市文化小劇場風のホール、午後7時開演。
入場料一般:1500円、学生:1000円

レクチャーは2月28日(木)のみ。
長久手市文化の家光のホール、午後5時半開始。
入場料:無料

《お問い合わせ》
愛知県立芸術大学芸術情報課(0561-62-1180)


ご来場お待ちしております。





posted by K10 at 11:11| 日記

2013年01月02日

A HAPPY NEW YEAR 2013

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☆ヘビイチゴの丘から、愛をこめて☆

2013年。
時間を大切に、夢を追い続けたいと思います。


…の、前に、2012年がまだ書き終わっておりません…。
少々時間がかかっても、綴っていきたいと思っております。

今後とも、なにとぞお付き合いくださいませ。


皆さまの2013年が、素晴らしき年でありますように。
本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。






posted by K10 at 23:33| 日記

2012年10月21日

豊郷スタインウェイ修繕記念コンサート

清々しい、秋の美しい空。
旧豊郷小学校校舎群・講堂にて、コンサートは開催されました。

夢のようでした。

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♪ショパン:ポロネーズ第6番≪英雄≫作品53

♪リスト:愛の夢第3番

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♪ムソルグスキー:はげ山の一夜(ピアノ連弾版)

♪ベートーヴェン:交響曲第9番≪合唱≫第4楽章(→Piano-jaC←版)

共演・福井友美(ピアノ)

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♪日本の四季

春の小川〜背くらべ〜夏の思い出〜うさぎ〜月〜雨降りお月さん
〜焚火〜ふるさと

共演・木管5重奏+ピアノ(アンサンブル・カラヴィンカ)

♪ガーシュイン:ラプソディ・イン・ブルー

共演・木管5重奏+ピアノ(アンサンブル・カラヴィンカ)

♪豊郷小学校校歌


最後の校歌は、会場の皆さま全員が歌って下さいました。


修繕活動に賛同し、その費用もすべて請け負って下さいました
財団法人 芙蓉会 理事長 古川博康様始め、会員の皆さま。
未熟な私をいつも暖かく迎え、励ましてくださいました。
コンサートに関わる細々とした準備から、その広報活動に至るまで、
事業全般の一切を取り仕切ってくださった古川理事長。
どんなに言葉を重ねても、感謝の思いの全てをお伝えすることはできません。
本当にありがとうございました。


ピアノの修繕を担当して下さった、名古屋ピアノ調律センターの皆さま。
豊郷のピアノに出会って、最初に相談を持ちかけたのが、
同社の宮北春二社長でした。
宮北先生に、私は子どもの頃から調律をお願いしており、
楽器の命ともいえる存在について、多くのことを学んだのは
宮北先生からでした。
この日々がなければ、豊郷のピアノに出会っても、修繕を
することなど、思いもつかなかったことでしょう。
終演後、同社スタッフの皆さまに囲まれていたピアノのまとう
嬉しそうな空気は、あの日の素晴らしい景色のひとつです。
本当にありがとうございました。


役場や教育委員会、豊郷町の皆さまにも、御礼申し上げます。
忙しい業務のなか、いつも暖かく親切に対応して下さいました。
皆さまのもとで、ピアノはこれからもずっと、幸せに音楽を
奏で続けていくことでしょう。
本当にありがとうございました。


そして、私事で恐縮ですが、私の夫に感謝します。
2009年9月4日夜、彼が、豊郷小学校のことを教えてくれました。
翌日、さっそく一緒に見学にでかけたこと。
それが、すべての始まりでした。
彼の目が見つけた種から、私は宝を得ました。


この修繕の間の出来事すべてに、感謝いたします。
音楽家として、この経験をしっかりと胸に刻んで、
進んでいきたいと思います。

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初めて出会った日のピアノ。
今ではすっかり、強く美しくかつ可憐な姿に。

あなたに出会えて、嬉しかった。
ありがとう。またね。






posted by K10 at 23:00| 日記

2012年09月20日

豊郷小学校秋の音楽会

旧豊郷小学校校舎群・講堂のスタインウェイピアノは、
豊郷小学校の子ども達と共に、音楽を奏でてきました。
ヴォーリズ設計の校舎は存続が決まりましたが、子ども達は
そのすぐ裏の敷地に建てられた新しい校舎に移ったのでした。

しかし、入学式、卒業式、そして1年に一度の全校音楽会など、
大切な行事は変わらず、旧講堂とスタインウェイピアノを使い
開催されてきました。

今年4月、修繕のため旧講堂から搬出されたピアノ。
学校に戻るのは10月に入ってから。
つまり9月には、ピアノがありません。

そこで今年の豊郷小学校秋の全校音楽会は、豊郷町内にある
「豊栄の郷」ホールにて開催されることになりました。
そして嬉しいことに、この音楽会に私も出演させて頂けること
となったのでした。

1年生から6年生まで、合唱や合奏、時にクイズなども交えて、
楽しく暖かな演奏会が繰り広げられました。

会の終盤、トークも交えてピアノを演奏させて頂きました。
演奏前は、午前中いっぱい続く会でみんな疲れているかも
しれない…、と少し心配もしましたが、全くの杞憂。
最後までとても静かに、そして真剣に聴いてくれました。
ラグタイムの演奏時には、弾けるような手拍子も。
本当に嬉しい気持ちでいっぱいでした。

子ども達は、ずっと、あのスタインウェイと仲良くして
くれることでしょう。

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主演後の、ピアノと会場。


素晴らしい思い出を、有難うございました。








posted by K10 at 17:21| 日記

2012年09月15日

ラ・フィアーバ・ミオンコンサートvol.1

Luna 〜luce eterna 〜
月の女神をめぐる物語
ラ・フィアーバ・ミオンコンサート

今回の主役、ミュシャのパネル≪月光≫

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ミオンのベーゼンドルファーの前、プリマドンナの様に。

昼公演、夜公演ともほぼ満席のお客様にご来場いただき、
本当にありがとうございました。

サロン・オーナーでソプラノ、長澤雅恵さんによる
心尽くしのデコレーション。
セレクトされたお菓子もまた大変に美味しかったですハート(トランプ)

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ラ・フィアーバとしても、久しぶりの公演でした。
ミオンという場を得て、たくさんのイメージが溢れています。

これからも、小さくて美味しくてしあわせなお菓子の様な、
音楽と空間を、創造してゆきたいと思います。

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次回公演も、どうぞお楽しみに。
ありがとうございました。






posted by K10 at 22:30| 日記

2012年09月12日

2012年秋の公演情報

皆さま、こんにちは。
気がついたら、夏が終わっておりました…。

今秋の公演をご案内させて頂きます。
お会いできますことを、楽しみにしております。


《 Luna - luce eterna - 月の女神をめぐる物語 》
  ラ・フィアーバ ミオンコンサート vol.1

2012年9月15日(土) 
☆昼の部 12:30 開場  13:00 開演 ※満員御礼
☆夜の部 16:30 開場  17:00 開演

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アルフォンス・ミュシャの版画パネル《月光》
1902年に刷られたオリジナルが、サロン・ミオンに
コレクションされています。
この絵画を囲み、音楽とおはなし、お茶を楽しむ会を
開催いたします。

19世紀末パリの青春。
プッチーニ《ラ・ボエーム》より、もう少し先の
シャルパンティエ《ルイーズ》の世界。
ロマンティックな、若きドビュッシーも。


出演:ラ・フィアーバ http://lafiaba.sblo.jp/
(ソプラノ・長澤雅恵 ピアノ・加藤希央)

会場   mion http://www.mion-m.jp/index.htm

入場料  3000円 ※お茶とお菓子付




《 せきがはら人間村『おはなし音楽会』》
 〜 9月:絵本作家がやってくる! 〜


2012年9月22日(土) 10:30 開演
関ケ原製作所(岐阜県不破郡) 生活美術館 2階会議室

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毎月恒例となりました、せきがはら人間村おはなし音楽会。

今月のゲストは、『くものわたあめ』、『つばめのピーちゃん』、
『まいにちまいにちたんじょうび』など、たくさんの楽しい絵本を
リリースされている、絵本作家の正高素子さんです!

絵本をつくる人、音楽を奏でる人、絵本を読む人
ちょっとヘンテコ、楽しいトリオ(三重奏)です。


ゲスト:正高素子(絵本作家)
共演:加藤奈津子(おはなしばあば)  

入場無料 



豊郷小学校旧校舎群 竣工75周年
〜ヴォーリズ建築とともに85年前の音色がよみがえる〜
《 スタインウェイピアノ修繕記念講演&コンサート》

2012年10月21日(日)
講演 13:00〜 コンサート(開演)14:00〜

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1937年、故郷のこども達のために巨額の私財を投じ、学校を
建造・寄付した古川鉄治郎氏。
設計を請け負ったのは、近江を拠点に美しい建築を数多く残した
ウィリアム・メレル・ヴォーリズ氏でした。
その開校当時からこども達と一緒に歌っていた、1927年製の
スタインウェイ・ピアノ。
ひょんなことでそのピアノと出会った私は、不思議なご縁に
手繰られるように、修繕の現場に立ち会うこととなりました。

修繕を担当された名古屋ピアノ調律センターの宮北氏による
講演と、よみがえったピアノの音色を。
歴史的名建築とともに、お楽しみ頂けましたら幸いです。
ご来場、心よりお待ち申し上げております。

共演:福井友美(ピアノ・デュオ)
   アンサンブル・カラヴィンカ http://blog.livedoor.jp/e_kalavinka/

会場:豊郷小学校旧校舎群・講堂
  (滋賀県犬上郡豊郷町石畑)

入場料:前売券 2000円 当日券 2500円 全自由席


* * * * * * *


7月、8月、色々と繋がっている出来事が多いので、
少しずつ、連動させながら綴っていきたいと思います。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします♪




posted by K10 at 00:52| 日記

2012年08月12日

ご無沙汰しております

気づけば2か月半!
ご無沙汰しております。

世間はお盆休みに。
私も夏期休暇に入りまして、ようやく、新しい
アトリエへの引越しもひと段落しつつあります。

とりあえず、6月の復習をアップ。
7月分も、できるだけ早くまとめたいと思います。

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新アトリエのロフト部分から見下ろした我がピアノ。
ロフトは書き物スペースになっています。
本ブログも、ここからの発信となります。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします!







posted by K10 at 23:23| 日記

2012年06月17日

豊かの郷のピアノ

ピアノと出会ったのは、2009年のことだった。

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そこは豊かの郷。
時代の荒波の中、たくさんの人が守りぬいた、伝統の学び舎。
その圧倒的に美しい校舎の、美しい講堂の片隅に、その子はいた。
経た年月がそのままに刻まれ、音楽を奏でるには厳しい姿。
それがスタインウェイだとわかった時、資料室でみた70年以上前の
古い手紙が頭をよぎったのだった。

「次はグランドピアノをいれたいのです。中古で良いものが
 あれば、舶来のものを…」

スタインウェイは直る。
私は知っていたけれど、実際に動き出すにはそれから2年半の
月日が必要だった。ただ、待っていた。
やがて、その子は本当に、直されることになった。
故郷の教育のために巨額の私財を投じた偉人たちの思いと、
そのもとに育った多くの人々。
そして、楽器を愛するピアノ職人の力によって。

この秋、それを記念するコンサートが開かれる。
その打合せに、郷の小学校を訪れた。
大切で、幸せな時間だった。

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旧校舎と、新校舎の間にある運動場。
きっと、私もここにいるのだと思う。


秋の日、良い音楽の日となりますように。





posted by K10 at 17:16| 日記

2012年06月16日

ピアノ搬入

新しいアトリエに、魂が入る日。

ピアノの搬入日。
残念ながら、雨。

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除湿機とにらめっこする設計のT氏。
後日談:温度・湿度ともよく安定して非常によい環境。
    何より、響きが素晴らしい。


ピアノの引越しに付き合うのは、ざっと数えて10回以上。
たぶん、多い方?

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何回目だって、変わらずどきどきする。



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1年半ぶりの再会。
この子が私を連れて行く馬、黒い馬。

待たせてごめんね。
夏がくるね。どうぞよろしくね。


この環境を授けてくれた、両親、家族。
私は芸術とともせいいっぱい生きることを誓います。

本当にありがとう。




posted by K10 at 23:51| 日記

2012年06月13日

ゼミ3回目

とにかく一刻もはやく、「調査」なり「研究」なり、
まともなレベルに到達すること。

小学生の夏休みの自由研究、と自嘲気味に呟いたら、
いや、中学生くらいじゃないですか。

ううむ、シャレにもして頂けないらしい。

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学食裏の緑が、ぐんぐん色濃くなってきた。


午後は、そのまま他県まで移動して仕事。
頭の切り替えが大変だった。







posted by K10 at 23:30| 日記

2012年06月08日

CHAIR cheers CHAIRS!

愛知県立芸術大学 資料館 展覧会

【CHAIR cheers CHAIRS!】

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会期:2012年5月15日〜6月10日 ※終了


* * *

現役で学生だった頃は、ほとんど入ったことのなかった資料館。
(階下の部屋は、1年生時「和声」授業の教室だったので、
 毎週火曜日の1限、通っていた。
 夏になると、蝉の声がものすごく反響していた記憶。)

実にもったいないことをした。
美しい空間。
ようやく、体感できるようになった私。

どこか、遠方の美術館に、雰囲気の似た空間があったような…。
そこには、高村光太郎の彫刻があったような…。

何もかも、おぼろげな記憶、ばかり。

* * *

会期終了ぎりぎりで飛び込めた。
気の利いたタイトルで、楽しい展示でした。

ただ、椅子の展覧会で座れないのはフラストレーションが溜まる。
これはイタシカタナシ。


吉村先生の本箱が好きです。
自然に懐かしい。




 
posted by K10 at 23:52| 日記

2012年06月03日

ハルサイとイワクラ

勢い余って連投更新。


今日は朝から岩倉市にて伴奏のお仕事。
道路も空いてるし、照り過ぎない程よい天気だし。
ドライブ日和。

すると、付けていたラジオからズービン・メータ指揮ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団によるストラヴィンスキー《春の祭典》が。

ライブでも何度か、CDでも色々聴いている、なぜだか縁あるハルサイ。
しかしこのメータの演奏は初めて聴いた。そしてすごい!

なんだろう、このパルスの感覚。
ものすごく心臓を思うのに、どこか無機的な感覚にも捕らわれる。
ブラボー。

これはアナログを探そう。

番組タイトルは<ズービン・メータ〜若き日の名演〜>。
年齢と演奏の関わりを実感できるようになったのは、私自身が四十路を越えてからです。
うん。素晴らしい。


* * *

ところでドライブ中、ふと地名に目が止まる。

三ッ淵(ミツブチ)、八釼(ヤツルギ)、石仏(イシボトケ)…

むむむぅ。
そもそも、岩倉(イワクラ)、とは。
磐座ではないのか?

帰宅後、ググってみるも、目立つ情報はない。
新溝古墳の巨石のことか。
ううむ。


近いうちに、時間みつけて歩いてみよう。





posted by K10 at 22:42| 日記

2012年06月02日

2012年5月の復習

(「ふくしゅう」と打ったら最初に「復讐」と出た。
 最近書いたゴシック小説に関するレポートのせいだ、
 きっとそうだ、ううむ。)

* * *

ご無沙汰しております。
はや、水無月。皆さま、お元気ですか。

カラフルな私の手帳、びっしりと隙間のない5月。
(ぺんてるマルチ8、2本使いで楽しんでおります)
有難いことながら本当に忙しかったけれど、楽しい日々でした。

先月末、ずらっと巻物様の更新を致しました。でも。
記録、記憶の整理にも、これはあまりピンとこないな、と思い。

これまでは、「書いた日付」をそのままにアップしてきましたが
ルール変更。復習更新がほとんどなので。
「出来事のあった日」を、綴りの日付に設定して更新します。
(そうでない場合は、そのむね記載するようにしてみます)


以下、ずずいっと5月の復讐、じゃない復習。

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ニジンスキーの牧神。
彼の踊りを観るには生まれるのが遅すぎたことが悔しい。




posted by K10 at 05:03| 日記

2012年06月01日

アンサンブル・カラヴィンカ第9回定期

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結成から10年を迎えたアンサンブル・カラヴィンカ
第9回定期演奏会、ご来場頂いた皆さまに心より御礼申し上げます。

ドビュッシー、イベール、フランセ。
今年メモリアルな3人の作曲家をテーマに据えたコンサートでした。
木管アンサンブルにとり、とても重要な作曲家たちでもあります。

ドビュッシー《牧神の午後への前奏曲》6重奏編曲版を、演奏する機会に恵まれたことは実に幸運であった、と同時に、難しい課題でした。

思い出したのは、かつて挑戦したストラヴィンスキー《春の祭典》
ピアノ・デュオ版(スコアと首っ引きで過ごした日々!)。
しかしあの時は、一緒に奏するのが同じピアノであった。
今回は木5。オケ的呼吸にも不慣れな私、今後へのさらなる課題。
ただ当日は、舞台の魔法もあってやはり幸せでした。
カラヴィンカの皆、いつも本当にありがとう。


この他、私はピアノ・ソロと、曲目解説のトークも担当。
あれこれ調べ物するのも、実に楽しく。
しかし、もっとより良くまとめられなかったかと反省も。
しかも、マイクを持っての挙動が実にエレガントでなく
(原稿を持つ手、マイクを持つ手がぎこちなさすぎ、
 マイク・コードに振り回されて客席におシリをむけて
 しまったこと多々。)
これも課題。

幼い日よりずっとお願いしている宮北氏の調律に、この日もどれだけ助けられたかわかりません。
ピアノの音色そのものへのお褒めの言葉を頂きました。
ピアノが鳴っていた。もしかすると、一番嬉しいことかもしれない。
日々、一層練習に励みたいと思います。
本当にありがとうございました。


終演後のロビーで。暗くてごめんなさい…。

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フラッシュ撮影したデータがなぜか壊れている 泣)。
どうしたんだベイベー optio RX1500ちゃん。



アンサンブル・カラヴィンカ、今秋には滋賀県での演奏も。
来年の定期にむけても、既に動き始めております。

どこまでも音楽をお届けします。
今後とも、どうぞよろしくお願い致します。






posted by K10 at 23:00| 日記

2012年05月30日

ゼミ2回目

完全なる準備不足。
何からどう手をつけるか考えがまとまらず、
何もかもとっちらかって形にならないまま、発表当日、ううむ。

せめてもと思い、研究テーマである作品のCDを持ち込む。

リスト《レノーレ》ピアノと朗唱のためのバラード。
演奏される機会の少ない作品で、教授もゼミの仲間も聴くのは
初めてとのことだった。
皆が「素敵な作品」と喜んでくれたのが、せめてもの救い…。
(あ、ありがとうフィッシャー・ディースカウ…)

それにしても、もう少し勉強のために時間を割かないと。
あっという間に日が過ぎちまう。
反省。



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2012年05月20日

5月ピアノ・レッスン

ドビュッシー《喜びの島》。
ロンドンで勉強してから、ステージにもずいぶん上げてきた。
数少ない、私のレパートリーといえる1曲。

偶然だが、師にレッスンを受けるのは初めてだった。

* * *

のっけから言い訳だけれど、5月は一層練習時間の確保が厳しかった。
「遊んでいるから」と言われれば、まあそうだけれど。
けれどすべて、やはり「必要」と思う場所なのだ。
仕事と学業の両立も、思っていた以上に大変。
(…いや、こう思うだろうと分かっていたので想定内。)
先日は、打合せに出席した場で、その日提出するはずだった企画書の
存在を思い出した。猛省。

今は諸事情あり、より練習時間を取りにくい状況ではある。
でも、新しいアトリエができれば、また空気は変わるはずだ。
変えてみせる。

音を出さなければ、私は倒れてしまうだろう。

* * *

それにしても、「軸」が決まらないなあ、私。
師のレッスンを受けるたび、それを強く意識させられる。
もっと深く、演奏の柱を立てたいのだが。

師の向こう、モーツァルトにまで繋がるライン。
ヴィルティオジテ、ファミリー・トゥリーの美しさ。
それに繋がる者の自信など木端ほどもないけれど、
すべては歴史。
今、せいいっぱい、ピアノに、音楽に向かいたいと思う。







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2012年05月19日

ロックも学問

《ピーター・バラカン ライブDJ in 名古屋@空色勾玉》
 −ATLANTIC RECORDS R&B SELECTION−

素敵ラジオ『ウィークエンド・サンシャイン』のバラカンさんが、
名古屋で、ライブDJ☆
ウキウキ行ってまいりました。

テーマは「アトランティック・レコードの歩みとR&Bの歴史」
といった感じ。
設立した兄弟の生い立ちから、1947年のレーベル立ち上げ、
その後の、様々なスター、ヒットメイカーたちの物語。
音楽と共に楽しむ、素敵週末の午後。

会場の空色勾玉は、初めていくカフェでしたが素敵ー。

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こんにちは、ジョン。

大学で受講中の講座「1920年代から1930年代のポピュラー音楽におけるエキゾチズム」、これと色々絡んでくる部分もあり興奮。
しかしこの講座、第1回目の主なテーマはビートルズのアルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」だった。
…私が現役で学生だった時に、ビートルズが大学の講義になるとは思わなかったですな。
まだ、音楽の教科書に載ったとかで騒いでた時代だった。


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DJ中のバラカンさん。素敵。写真撮影も、ご自由にどうぞの穏やかさ。
お言葉に甘えて、パチリ。見ると嬉しくなる写真です。


リストは、19世紀のスーパースターだった。
ヴィヴァルディは、18世紀のキング・オブ・ポップ。
ハイ・カルチャーとそうでないものの線引きはあるにせよ、
「ポピュラー」とは何かを、もっと考える必要があると思う。

学問は、今やそこいらじゅうに。
そういう時代なのだなと思います。







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2012年05月16日

ゼミ1回目

修士のゼミ発表、第1回目。

…見当違い、とは、まさにこの事をいうのだなあ 爆)。

* * *

論文のための調査、研究の進め方も、それこそ
題材によって方法は千差万別なのだろうけれど。

少なくとも、外堀から埋めるやり方は、違った(私の場合は)。
細胞が分裂してゆくように、内側の内側、からだ。


しかしいきなりのこの暴投・迷走も、悪くないオマケが付いた。
完売だったはずの《音楽家ルソー ふたたび》公演、チケット入手。
朗唱曲《ピグマリオン》を、聴けるチャンス。
歴史を楽しんでこよう。




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2012年05月13日

冥界の音楽

イーヴォ・ポゴレリッチのリサイタルを聴く。
彼の音楽を、私は信じる。

* * *

2か月違いの同い年、母どうしが親友の、私の幼馴染は
日本画家になった。
彼女の、美大の卒業製作。
かなり大きな作品で、そこにはどこともしれぬ風景があり、
絵の、向かって右側、4分の1程に、胸を突かれるような
「赤」い色が広がっていた。
その、反対側、絵の横に立つ彼女の上着も、「赤」かった。

母からもらったのか。記憶が定かでないのだが、私はその彼女の写真を、遊学先のロンドンにも持って行き、フラットの壁にずっと飾っていた。

写真を見たとき、即座に理解したのだ。
「彼女には、世界が、確かに、こう見えている」
絵をライブで観たわけでもないのに、ただの写真なのに、
私は、彼女の目と魂を完全に信じることができた。
絵が、それだけの力を持っていたのだと思う。

以来、私にとり芸術を判断する基準(などというものがあるならば)、「信じられる」か、「信じられない」か。
ただそれだけだ。

* * *

賛否両論の演奏会であったこと。
(知人のひとりは、前半で席を立った)

私は信じられた。
いや、そんな生易しいものではなかったかもしれない。
ショパン《ソナタ第2番》の、冒頭の1音で、まさに一撃。
完全に食らって、ノックアウトだった。

彼の魂が、巨大なこの星と真に繋がっているとしたら、
あれ以上速くは歩めない。
(これを書くと誤解されそうだけど、あえて書く。
 岡野玲子『陰陽師』に、そんな話があった。)

冥界の音楽。
あの日の演奏は、あの様、にしか存在しえなかった。

美しい世界だったな。







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2012年05月12日

新アトリエ

実家の建替えに伴い、私の音楽室も建替えることになった。
解体されたのは、一昨年の2月。
そこから、本っ当に、長かった…。

まもなく、新アトリエが完成します。

練習、演奏のためのスペースと共に、何か書くためのスペースも
欲しいなとは思っていましたが。
施工が始まった頃は、まさか音楽学で学生に戻るとは思っていなかった。

さあ、ここから、私はまた始めます。

IMGP0071.JPG
エントランス天井部の照明。廃墟ではありません 笑)。


防音のためのスチールドアは超重たい。
ここに、友人に絵を描いてもらうことに、うふふふふふ。

IMGP0070.JPG

その画家友が、現場視察に来てくれました。
(余談ですが、お土産のシュークリームが激旨で…、今度お店聞こう)

この日に用意してくれていた案で、もうほぼ決まりだな。
さすがです。


* * *

同じ日には、設計を担当した夫の、職場の先輩、友人が見学に。
皆さん、建築家でいらっしゃいます。
彼らはプロなので当たり前なのかもしれませんが、
…見るところ、気になるところが、全っ然違う 笑)。
(しかしこの落差は、なかなかに大事なことだと感じたなあ)

その日はガード下的焼き鳥屋さんで、呑みつつ食い。
結構アツい建築談義もあったりで、同席させて頂き嬉しかったです。


* * *

外構工事もまだですし、何しろピアノが入っていない。
(床面の工事がまた終わっていないので)
全貌は、完成してから。

感謝してもしきれない全てに。
残された私の時間全部をかけて、しっかり、仕事をしていきます。
本当に、本当にありがとう。




posted by K10 at 23:00| 日記

2012年05月10日

ゴシックなる響き、古の響き

大学でオルガンのレッスンを受講中。
(週1のレッスンなんて、なんて幸せ…ハート(トランプ)

これが本当に、楽しすぎる!!!


言うまでもないことですが、む、難しいです。
ストップだけでなく、指でトーンを色々に変化させられるということに、
レッスン3回目でようやく気付いた。←ニブイ。

ペダル(足鍵盤)なんて、言わずもがな…。
(油断して急に動かそうなどとしたら骨盤がゴキッと)


ロマン派におけるオルガン。
恥ずかしながらこれまで、ほぼ完全に見落としていました。
しかしこれは、非常に重要な感性であったと実感。
研究にも大きな影響を及ぼしています。


大学での練習用のオルガン。

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きれいな子…。
なかなか練習時間が取れないのですが、奏でられるときは
しみじみ幸せです。


* * *

そんなある日。
家具を探して歩いていた名古屋は大須にて。
ふと入った素敵なお店に、素敵な楽器が。
思わず見とれていたら、

「弾いてもよいですよ」と、にこやかな店主の声。

え、いいんですか?! (歓喜)

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ポルタティフ・オルガンです。
古の絵画のなかでしか、見たことがありませんでした。

優しい、でも不思議な力強さを持つ音色。

このお店には、他にもたくさんの古楽器が。
全て店主が、趣味で手作り(!)されたものだそうです。
古楽を中心としたファンの集う場でもあり、
音楽家の方々も大勢ご来店されるとか。
偶然でしたが、素敵なお店に出会うことができました。

もちろん、家具も本当に素晴らしいのです☆
(店名にもある通り、オークの美しい家具がいっぱい。
 18世紀イギリス、ゴシックのお城にあるような机など
 オーダーしてみたい…うっとりハート(トランプ)

* * * * *


この歳になって、新しい楽器に挑戦するなんてラッキーに
出会えるとは思っていなかった、というのが正直な気持ち。

日々、楽しみたいと思います♪





 
posted by K10 at 05:09| 日記

2012年04月29日

2012年の4月

あっ!!!!!!!という間に4月も終わりに。
本当に、一瞬でした。そして、

「ありがとうございます」
そのひとことにつきる日々でした。

ひとつずつ振り返ってゆきたいと思います。

* * *

4月28日:
【せきがはら人間村おはなし音楽会】

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ヴァイオリン:柴垣葉子さん、おはなしばあば:加藤奈津子さん、私。
ばあばが座っているのは、おはなし恐竜のキキ。



今年度最初の、おはなし音楽会。
テーマは《にじいろのはな》。
ゲストはヴァイオリニストの柴垣葉子さんでした。
《チャールダッシュ》、最っ高にかっこよかったハート(トランプ)
久しぶりの共演で、それも最高に嬉しかったです。

今回は、主催する(株)関ケ原製作所の社員さんが
一緒に絵本の読み聞かせをして下さいました。
素晴らしい美声で、私たちもうっとりと楽しみました。

おはなしを聞く部屋と、物語の世界が、音楽と一緒に
溶け合い、扉が開いていく感覚。
子どもたちと一緒に、そのむこうへ冒険にいく時間。

スタッフの皆様はじめ、遊びにきてくれる子供たち、ご家族。
関わるすべての皆様に、心より御礼申し上げます。

おはなしばあばは、さっそく5月の台本作りに。
来月はホルン、加藤惠三さんが再び人間村にやってきます。

5月26日(土)10:30、関ケ原でお会いしましょう♪

* * *

4月21日:
【せきがはら人間村フォーラム・オープニング花祭り】

株式会社 関ケ原製作所 http://www.sekigahara.co.jp/index.html

訪れるたび、その美しさに心打たれる会社です。
伊吹山を仰ぎ、今は緑、春の花々が咲き、そこここに佇む石彫の数々。
鳥の声、風の香。
今年のフォーラム、そのオープニングを宣言する会にて、
アンサンブル・カラヴィンカ http://blog.livedoor.jp/e_kalavinka/
で演奏させて頂きました。

関ケ原でのカラヴィンカの出演は、この度で2回目。
上記おはなし音楽会やその他の会で、メンバー個別で訪れることも
ありますから、アンサンブルとしてもここはずいぶんと馴染み深い
土地となりつつあります。

社会と芸術。
この強い結び付きを、アンサンブルのメンバーと共に、
より一層深く考えていきたいと思います。

関ケ原製作所の皆様、そしてカラヴィンカの友たち。
本当にありがとうございました。

* * *

4月15日:
【コンツェルト・ルーエ Nr.14 編曲〜作曲家は変身がお好き〜】
 チャイルドライン支援コンサート

ソプラノ佐地多美先生にお声掛け頂き、この素敵な演奏会に
出演させて頂きました。
「変身がお好き」のテーマに合わせ、出演者一同様々に
衣装も変えて、とても明るく暖かなコンサートでした☆

音楽による社会貢献を、長年にわたり続けられている先生。
信じられない程の多忙な日々を送っていらっしゃいますが、
毎年開催されるリサイタルでは、日本歌曲の歴史と美しさを
ホールいっぱいに響かせられています。

巡り合いに感謝し、これからも学ばせて頂きたいと思います。
ご来場頂きました皆様にも、心より御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。

* * *

4月10日:
【1927年製スタインウェイ、修繕へ】

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滋賀県のとある小学校にて、開校当時に購入されたピアノ
1927年製ハンブルグ・スタインウェイ。
長年子どもたちとともにあったこのピアノが、
修繕のため、愛知県のピアノ工房へ運ばれました。
なんとも素敵な物語!

約半年の修繕期間を経て、今秋再び小学校の講堂へと戻ります。
このお話しについては、後日またあらためて。

* * *

4月9日:
【愛知県立芸術大学大学院(音楽学)初日】

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県芸の桜ではありません、アシカラズ。

今年度から再び学生の身、その初日。
いまや履修届もPCからなのねー、と時代の変化に戸惑いつつ、
そもそも出身校ですからね。基本的に「庭」です 笑)。
でも、かつてとは「勉強したい熱」が違うな、やはり。
とても幸せです。

そして、四十路勤労学生です。
この日も午前のガイダンスを終えるや、車を飛ばして非常勤の
勤務先へ。こちらの大学も授業の初日。
一日に、学生の時間と先生の時間の両方をこなす。
これからはこれが日常です。

桜は、勤務先の大学で撮影。
しみじみと見上げました。

* * *

3月31日:
【第17回 マイネ・ブルーメ!コンサート】

幼い日、杉浦日出夫先生との出会いがなければ、私は決して
ピアノを続けてはいなかった。
本当に出来の悪い生徒でしたが、先生はいつも音楽の根幹を
教えて下さいました。
そしてそれは確かに、私の根となりました。
しっかりと大地に立つためだけではなく、様々な養分を
取り込むのに、最も重要な、根。

同門のピアニスト達との演奏会は、不思議な連帯感に包まれる。
忘れえぬ、幸せな日、舞台となりました。

そして今も日々芸術を探求し続ける先生。
まさに、音楽の騎士。

ご来場頂きました皆様に、心より御礼申し上げます。
そして、わが師に心からの感謝を捧げたいと思います。
本当に有難うございました。
これからも学び続けてゆきます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

* * *


駆け足で、ひとつきを振り返ってみました。

いや本当に、小さな私のキャパを超えた日々でしたが、
忙しいなどど言ってはバチがあたります。

(研究計画書が書き上げられなくて、勤務先からファミレスに
 飛び込みどーにかこーにかまとめてそのまま大学へ。
 研究室でプリントアウトして提出ギリギリセーフ、とか。
 …先が思いやられます…)

そう!スペシャルな再会も多い4月でした。

15日のコンツェルト・ルーエでは、明和高校時代の友人T君と再会。
私は音楽科、彼は普通科で、同じクラスになった事はないのですが、
なぜだかたびたび、おしゃべりする機会があったんですよね。
アンサンブル・カラヴィンカのホームページで私を見つけてくれたのが、
再会のきっかけでした。
お互いきっと変わっているはずなのに(白髪とかね)、なんだかあんまり、
いや、全然変わっていない気がするのが、同級生なのかもしれないね。

28日のおはなし音楽会には、大学時代の演劇仲間K氏が。
実は去年から、大学の博士課程に在籍する彼の奥様とはご縁があった
のですが、まさか、あの「ガラス男さん(当時の役名)」の奥様だったなんて!
(ちなみに私は「事故で成長の止まった少年」の役でした…)
本当に、縁とはどこでどう繋がっているかわからないものですね。
ご家族お揃いでいらしてくれて、なんて幸せなんだろう。
そして奥様とは、またたまらなく素敵な企画が浮上中、うふふふふ☆


ぞろろーんと、巻物のような更新になりました。
最後までお読みいただき、有難うございます。

この連休は、溜まった楽譜と本を読むぞ。
(「牧神」、「白いロバ」、「廃墟」、「オトラント城」、
 …キーワードだけでうっとり…♪)

皆様も、素敵な休日をお過ごしください☆

ストロベリーヒル.jpg
その名もストロベリー・ヒルというバラ。可愛い。
かの聖地巡礼はいつ叶うのかしら…






posted by K10 at 06:42| 日記

2012年01月26日

ご案内等

新しいPCが届いたのだけれど、ソフトの入替えがうまくできず。
HPの更新ができません…。

(スケジュールがいまだ年末です、何卒ご容赦を。)

ということで、こちらでご案内。

* * *

☆【 トリオ de カラヴィンカ 】
〜オーボエ・ファゴット&ピアノによるコンサート〜
(宗次ランチタイム名曲コンサート)

2012年2月4日(土)

11:00 開場 11:30 開演(12:30終演予定)
全自由席 1000円

宗次ホール

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アンサンブル・カラヴィンカのメンバーが今回は
トリオで初登場。オーボエ・ファゴットによるダブルリード楽器の
暖かな音色、それを優しく包み込むピアノとのアンサンブルで、
お馴染みの曲をお届けいたします。

☆オーボエ:宮澤 香
☆ファゴット:桑原真知子
☆ピアノ:加藤希央


♪ヴェルディ:歌劇「椿姫」より“前奏曲”
♪マルチェロ:オーボエ協奏曲
♪リスト:愛の夢
♪フランセ:オーボエ、ファゴット、ピアノのためのトリオ          
                            他



☆【 第17回 マイネ・ブルーメ!コンサート 】
〜杉浦日出夫 門下生による〜

2012年3月31日(土)

13:30 開場 14:00 開演
全自由席 1500円

しらかわホール

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幼い日より師事した、杉浦日出夫先生の教えこそが、今、
私が音楽・芸術を愛する力の源です。
同門の仲間たちとともに立つ舞台に感謝しつつ。
4月から進学する愛知県立芸術大学大学院音楽学領域での
研究テーマにちなみ、

♪J.Sバッハ/タウジッヒ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
♪フランク/バウアー:前奏曲、フーガと変奏曲 op.18

を演奏させていただきます。


両公演とも、お問い合わせはコチラよりお願いいたします。

* * *

今日、心を尽くした仕事が終わりました。
素晴らしい3年間。
出会った全ての方々に、感謝の思いでいっぱいです。
本当にありがとうございました。

別れは新しい日々、新しい関係の始まり。
これからも。
どうぞよろしくお願いいたします。


posted by K10 at 00:15| 日記

2012年01月10日

電気屋さんで


昨年末、2005年から使っていたPCがクラッシュ。
夫の代打機(mac)を借りてしのいできましたが、
やはりどうしても、微妙に使いこなせない。

  もし、初めて触ったパソコンがmacだったら。
  イメージでしかありませんが、おそらく、私のPC-lifeは
  今とはずいぶん違った感覚のものになっていた気がします。

  やんちゃな走りの外車(mac)。
  軽い乗り心地の国産車(win.)。
  もちろんウィンドウズが国産という意味ではなく、
  完全に私だけの感覚です、ご容赦を。
  そしてどちらがいいかはひとそれぞれですし、好嫌いでは
  もはや決められない、私のような人も、いる、のかしら?


macへの乗換えも考えて(3度目)いましたが、それは今回で
きっぱりと諦めて、新しいwin.PCを買いに出かけました。

春からは毎日、PCを持って出かけることになります。ゆえに
条件は、丈夫で薄くてとにかく軽いこと!
(mac book air は、しみじみ傑作だと思う・・・未練)
機種はほぼ決めてありましたし、人気商品で在庫切れ(2週間待ち)
ということ以外、スムーズに決定。
ただ、ここからレジに辿り着くまでに、あれこれ説明されたり、
悩んだり断ったり、考えることがやたらとありすぎるのが、昨今の
電化製品量販店、否、私がついていけてないだけかしら?

ふらふらと店内を漂流していたら、ふと、デジカメも壊れて
いたことを思い出し(他にも色々壊しています・・・)。
新春特売のカゴで出会った PENTAX Optio RS1500。
・・・可愛い♡
おやつみたいに、楽しんで、遊ぶのにちょうどよい子です。
(いまだスマートフォンを使う気になれず、ケータイのカメラにも
 結局ずっと馴染めない。)

* * *

本当に写真を撮ろうと思う時は、今もアナログの一眼レフを使います。
学生の頃、携帯電話なんてありませんでした。
世界の何かが、劇的に変化した時、20代だった、私たちの世代。

様々な分野で、この世代だからこその仕事があるように思うのですが、
そんなことはもうすでに、ずんずん進められているのでしょうか、
同世代たちよ。

なんてこと思いながら、LED照明が眩しすぎる売場を後にしました。

* * *

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一昨年の晩秋、紅葉した我が家の蔦。
昨年は、紅葉する前に葉が落ちてしまった。
今年はどんな年に?

新しいPC、カメラと出かける、新しい日々が楽しみです。




posted by K10 at 00:21| 日記

2012年01月01日

☆ A HAPPY NEW YEAR 2012 ☆


みなさま、あけましておめでとうございます。

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2010年3月、パリ旅行。
セザール・フランクがオルガニストを勤めた
聖クロチルド教会前の広場にて。

無意識で押したアナログ一眼のシャッター。
ここに映り込んだ光が、追い求めている存在
そのもの、そのすべてのように感じています。

* * *

今年の弾き初めはフランク=バウアー。
ひたすらにデッサンをするような感覚で、
白と黒の鍵盤、白と黒の楽譜に向かう。
無限の色彩を追い求めて。

* * *

1ヶ月のはずが、気づけば2ヶ月。
筆無精をお詫びいたします。
PCクラッシュもあり(まだ仮機です...)、長らく
更新できませんでしたが、これからまた少しずつ、
芸術と日々を綴ってゆきたいと思います。

4月からは、新しい世界に飛び込みます。
ステージで、また別の場所で。
みなさまとお会いできますように。

今年もよろしくお願い申し上げます。








posted by K10 at 11:11| 日記

2011年10月03日

秋のおやすみ

皆さま、ご無沙汰しております。
すっかり秋らしくなってまいりました。
お元気ですか?

またも月刊となってしまいました本ブログです。
9月はあちこちと移動。楽しかった…
たくさんの夢や泉との出会い、綴っておかねば
ならない出来事、山積なのですが。

まとめるのに、人一倍時間のかかるワタクシ。
今しばらく、お待ちくださいませ。

そしてこの秋は、個人的に挑戦の秋でもあります。
誠に勝手ながら、この1ヵ月は本ブログをおやすみ
とさせて頂きます。
(今までだって月刊だったけど)

私はゴシックの城館へ引き籠もります…

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(ポルトガルのレロ書店。麗しのネオ・ゴシック様式。
 世界遺産に認定されています。行きたい!!!)

それでは皆さま!
風邪など召されませんようお大切に。



posted by K10 at 07:23| 日記

2011年09月06日

ありがとうございました。

9月1日(木)、名古屋市熱田文化小劇場にて行われました

アンサンブル・カラヴィンカ演奏会 vol.8
〜東日本大震災チャリティー・コンサート〜

無事、終了いたしました。
台風の近づく空模様のなか、ご来場くださいました
たくさんのお客様に、心より御礼申し上げます。

皆さまよりお預かりした義捐金 115,105円 は、
翌日、日本赤十字社へ送金いたしました。

本当に、ありがとうございました。

これからも、音楽家として私たちにできることを、
真剣に考え、行動していきたいと思います。

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posted by K10 at 07:56| 日記

2011年08月17日

友よ

ものすごく久しぶりに、ポテトサラダを作ろうとして、
思い出した友のレシピ。

「ほんの少し、メイプルシロップを入れると、
 酸味が和らいで優しい味になる。」

これは直接きいたのではなくて、共通の友から聞いた秘伝(笑)。
友のポテトサラダが、あんまり美味しくて茫然としていたら、
一緒にいた、その友の友が教えてくれたのだった。

もう、10年以上も前の話。

で、久しぶりに、自分でポテトサラダを作ろうとして、
メイプルシロップを入れようと思ったけど、ない。
じゃあ代わりにと、蜂蜜をほんのぽっちり入れてみたら、

…全然、ちがーう。

「ちがーう。」と思った瞬間、この10年の間に、しかも割合と最近、
私はどうも、おんなじ間違いをやった気がするぞの、デジャブ。
ううむ。


今、彼方こなたを鳥のように、蜜蜂のように飛び回っている友よ。
あるいは、地下水脈を通じ思いがけない所に湧きいずる、泉の女。
電話線越しでも、その清冽な印象が伝わる。

会える日を、心待ちにしています。


* * *

もう、何年ぶりだかよくわからない、K氏との再会。
学生時代、本当によく遊んだ仲間。
卒業後も2回くらい会っていると思うし、葉書や手紙でたまに連絡を
取り合ってはいたけれど、

倫敦やら東京やら、ふらふらと居の定まらなかった私、
そんな私の4倍くらい移動していた彼、

もう、いつどこで会ったんだか、会った時じぶんがどこにいたのやら、
もう、さっぱりわからんちん。
で、もう思い出せなくてもいいっか、と笑い合う。

猛スピードで流離し続けた彼も、着地点を決めたという。

いいね。
焦点が、きれいに定まってる感じだね。

かつて絵本作家を目指した彼は、別の天職を見つけた。
けれど、むかし彼が描いた絵に満ちていた、
「いつも星を見上げている」ような感覚。
それは今の仕事になって、一層きらきらと、一層多くの人々に、
伝わっていくようだった。

また会おう。

* * *


夏だなあ。


(…なんて、のんびり日記っぽいですねえ。
 尻尾はボウボウ燃えております、あははは。)














posted by K10 at 00:39| 日記

2011年07月03日

次なるステップへ

大変にご無沙汰しております。
梅雨明けの待たれるこの頃、皆さまお元気ですか?

私はようやく家移りが済み、ネットも昨夜繋がったところです。
様々な手続きはおろか、お部屋の片づけも、まあ言わずもがなははははは。
(夫は実に速やかに片づけを終え、さらに不用品の処分など
 始めておるのですがとほほほ。)

* * * * *

最近よく思い出すのが、中学校の時の理科の授業。

「水は、粘り気がなくサラサラしていると思うでしょう。
 人間にとっては、そうかもしれない。
 けれど、顕微鏡で見るミジンコやミドリムシたちにとって、
 水はすごく重たくて、ネバネバなんだ。
 あの繊毛を、必死に動かしているんです。」

勉強のできない子だったけれど、顕微鏡を覗くのは大好きでした。
覗きながら、真っ白いケント紙に、鉛筆で微生物の絵を書くのも
好きだったなあ。

繊毛、私も今、必死に動かしているよと、あの時描かせてくれた
ミジンコには、伝わっているかもしれない、なんてね。

※注:決してネガティブな意味ではありませんのでアシカラズ。
   有難くも多忙な日々、私のペース・時間配分がイマサン下手
   なだけでございます。
   あの日のミジンコと心がリンクするなんて、むしろ清々しい
   幸せなことです。

* * * * *

お話ししたいこと、書き留めておかねばならないことが、
たくさんあるように感じています。

不定期な更新にも関わらず、本ステップを訪れて下さる皆さま、
いつも本当にありがとうございます。
早くリズムをつかんで、少しずつでも綴っていきたいと思います。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。


(…これは、なんだ?)

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ひとりぼっちの大きなジョンと、素敵なおばけたちの物語。
うふふ、続きはまたの機会に☆





posted by K10 at 23:23| 日記

2011年05月15日

Le salon de la boite en carton

ご無沙汰しております、こんにちは。
皆さま、お元気ですか。

ワタクシは、家移りの準備でガタピシと過ごしております。
今年は連休も、段ボールに囲まれて終わりました。

我が家で一番数の多い物、書籍。
とりあえず、9割の本を段ボールに詰め終わった所です。

タイトルは『段ボール箱のサロン』。

短い期間とはいえ、狭い箱のなかで時を過ごすわけです。
少しでも無駄のないよう、どんどん詰め込んでいきながらも、
ふと、作家同士の出会い頭を想像してしまいます。

日頃並んでいる棚のラインは当然影響しますから、
ポーと乱歩の文庫、ビアズレイの画集などがまず収められ、
その隙間に、ちょうど量がぴったりだった須賀敦子の全集。
…ちょっと不安になり、マコーレイの絵本『カテドラル』を
入れておく。

フローベール、プルースト、ロラン、レオニ、ニーチェ、
ワイルド、ルーセル、ビーグル、リラダン、澁澤龍彦、
コクトー、ボードレールが一緒にいる部屋。
…………。
ううむ、メアリー・シェリーに来てもらおうか。
(…偏ってるわあ。)

塩野七生『海の都の物語』とマルチェッロ『当世流行劇場』、
同じ箱に入れるのはやはりためらわれましたが。
山西龍郎『オルフェオ』やブリオン、ダンテ、ペトラルカも
一緒に。
うふふふふ、素敵な音が聞こえる部屋です。


とにかく筋肉痛に悩まされています(苦笑)。
けれど、新しい音楽と暮らしにむかっています。

出会う扉に感謝して、開いていきたいと思います。











posted by K10 at 23:44| 日記

2011年04月05日

歴史とともに

お久しぶりです。
2カ月近く、この場所に来ることができませんでした。

更新のない間も、ここを訪れてくださった皆様。
ご心配おかけし、申し訳ありませんでした。
そして、本当にありがとうございました。

起こったことは、あまりにも巨大で、どんな情報も、
いまだにうまく受け止めることができないでいます。

ただ、言葉が紡げなかった間に、私の心に結晶したこと。
これまで以上に深い思いを持って、芸術を通し「歴史」を
学び、そして、演奏してゆきたいと思います。

価値観も、社会の形も、激変してゆくであろう未来。
私の方位磁石は、歴史です。
それを手に、せいいっぱい仕事に励みます。

このステップも再開いたします。
今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い致します。





posted by K10 at 23:31| 日記

2011年02月11日

音屋(おとや)

今年の春は、生涯でもこの上なく心震わせる悦ばしき出来事とともにやって来た。
だがそれを心底から味わうのは、今しばらく待たなければならない。
このプログラムを、奏で終えるまでは。

* * *

バッハ、尾高尚忠、メシアンを、ひと筋の道がつらぬいている。
奏でることは、まるで絵のなかを歩むようだ。
それぞれに異なる画材と表情。けれども、色調、マチエール、リズム、
実に、正しく調和している。
フリュートの砂金が、世界全体に広がっていく。
私は絵のなかの、音屋。仕事がございます。

* * *

演奏の日は、冬が戻って来るという。
それもなんだか象徴的だ。
そして少し先で光っている春が、いっそう愛おしい。
きっと絵のなかにも、その陽は差し込むに違いない。



posted by K10 at 05:15| 日記

2011年01月31日

時を超えた音楽 3

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マエストロ高須博のアルバム
《タールベルク:超絶技巧オペラファンタジーU》

収められているのは、19世紀ヨーロッパ音楽界の
中心にあった作品たちだ。

今、こうしている間にも、楽曲が生まれた瞬間から、
私たちはどんどん遠ざかっている。
クラシック音楽の宿命。

しかし、遠ざかるからこそ見えるものがある。
私はこのアルバムに「歴史」を聴き、「ロマン主義」を見る。

* * *

強烈なバイタリティ、個性的なテクニック、そして
戦闘性、オリジナリティをもって音楽的理想を伝える
劇的緊張、これらがピアニスト高須博の演奏において
現れる本質的クオリティである。

これはイタリアのピアニスト S.ペルティカローリ氏が、
マエストロ高須博について記した言葉だ。
ペルティカローリ氏は、マエストロ高須の師であった。
明晰な文章に、弟子を誇りに思う師の心が溢れる。

その師をたどれば、タールベルクに繋がる。偉大なる系譜。
ロマン主義の血はなお熱く、脈々と、ここに流れている。
21世紀を迎え、「音楽」そのものが激変してゆくなか、
マエストロの演奏には、芸術家のみならず革命家たちも
集った、19世紀サロンの気配が立ち籠めている。

マエストロの演奏は、ロマン主義の幻影を伴うのだ。
このファンタジーこそ、師の音楽の「魔法」の姿。
師の門を叩いた日から、私はそれを追い続けてきた。

* * *

本アルバムにおいて、私が師の魔法を最も強く感じるのは、
《椿姫による演奏会用幻想曲 作品78》。
アルバムで唯一、聴衆のいないホールで録音されている。


誰もいない。
ただステージに、ピアノと、マエストロ。
その濃密な交流を妨げる存在は、何もない。

非常に倍音豊かなマエストロの音色は、一切に吸取られることなく、
空間、いっぱいに広がっていく。
マエストロとピアノは、戦友のように、恋人のように響き合う。
ふいに、その頭上にあらわれる、ヴィオレッタの花の笑顔と涙。
そのさらに上方、ヴェルディ、そしてタールベルクの魂。
(ああ、パリ・オペラ座のシャガールよ)

なんという幻想。
「技術」「手さばき」などという言葉が、ここに入る余地はない。
本物の魔法に、種明かしは存在しないのだから。


全ては、これを聴くあなた、私、たったひとりのためのものとなる。
それは、音楽を愛する者の、昔から変わらぬ夢のひとつ。
そして現代において、録音作品ならではの、愉悦。

(我が家の古いオーディオで聴くと、一層ふくよかだった。
 確かに、マエストロの音楽にはアナログ時代の味がある。)

* * *

美しい亡霊たち。
彼らはまだ生きている。
そして、永遠に、その宝を差し出し続ける。

宝を探し、心をこめて受け取るのは、
今を生きる者の使命だ。





posted by K10 at 00:41| 日記

2011年01月01日

☆ HAPPY NEW YEAR 2011 ☆

☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

あけましておめでとうございます。

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☆今年はリスト生誕200年です☆

あらためて、楽譜から、書籍から、憧れの人に近づきたい。
指先から繋がる弦に、その人の気配を感じる時こそ、至福。

クラシック音楽とは、時を超える呼び声です。
おーい、おーい。
ときに、ひっそりと。
ここにいます。
あなたに会いに来ました。


本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。




posted by K10 at 23:06| 日記

2010年10月01日

瀬戸内のこと

10月になりました。
季節は本当に、早足で過ぎてゆきます。

* * *

9月上旬、夫と合わせて遅めの夏休みをとり、瀬戸内国際芸術祭へ行きました。

☆瀬戸内国際芸術祭 http://setouchi-artfest.jp/

私たちは小豆島を拠点に、直島、豊島を回りました。
もちろん、他の島々もとても行きたかった。
けれど、今回はマイペースにのんびりと、美術と向き合いと思ったのでした。

…と思った割には、モリモリと歩きまわり、足にマメをつくり、日焼けし(まだ痕がとれません!)。

これがフェス(祭)ってものかしら笑。

* * *

島影。森。海。石。空。
そこに、個性様々な美術家たちの、大きな、小さな、個性様々な芸術が、存在している。
蛍のように点滅している、そんな気がしました。


私は歩きながら、あるいは船にゆられながら、
頭のなかにちっとも鳴らない、西洋クラシック音楽を探し続けた。
(きっといるはずと、人混みに好きな人を探すような感じ)

ついに、それは鳴らないまま。

* * *

春、四国は神山の森。
ここで鳴らすべき音楽を、私は持っていないことに気づかされた。
木立のなかや、里を見下ろす高台に、優しく溶け込む現代美術作品に向き合いながら、少し妬ましいような気持ちになったこと。

* * *

登り続けようとする19世紀。
それが戦争をはじめ、色々な姿で暴発した20世紀。

私が愛し演奏する音楽作品は、これらの時代に生まれたのだ。

作品を愛するなら、この時代背景も抱きしめなければならない。

そして、今は21世紀だ。

(この事は、クラシック音楽から少しずつ人々が遠ざかっていくように感じられることの、理由にも関わっていると思う。そして、とても大切なことだと思う。)


* * *

作品が置かれる土地、コミュニティ、それらに一層強く結ばれようとする美術。
この芸術祭を見て感じたことです。

それは太古の昔、芸術のはじまりに回帰していこうとする姿とも思われました。
現代美術の、ひとつの方向性なのでしょうか。

そして、クラシック音楽の立ち位置は、進む時代から少しずつ、遠ざかっていくかのように、今は、見える。


私は大きく、前向きに考えていこうと思います。


* * *

小豆島に設置された、敬愛する美術家 AKIRIKAちゃんの作品。
そこはもう、樹の精や風の精、水の精が住んでいましたから、つい、

「ちょっと、ごめんください。失礼します。」

と声をかけたくなりました。

…やっぱり、いいなあ。

* * *

旅を終えてあらためて、ピアノと書棚にある楽譜たちを、愛おしく感じています。

瀬戸内国際芸術祭は、10月31日までです。



















posted by K10 at 23:35| 日記

2010年09月23日

蓼科のこと

突然、すっかり秋に(今年の秋は、きっと驚かせるのが好きね)。

もうずいぶん日にちが経ってしまいましたが、
8月31日アンサンブル・カラヴィンカ第7回定期演奏会
ご来場頂きました皆さま、本当に有難うございました。

* * *

演奏会の1週間前、メンバー揃って蓼科にて合宿。
涼しいと聞いていたのに、今夏の猛暑は標高1500mにも押し寄せていました。
街とあまり変わらない暑さ!

音楽をこよなく愛するペンション「ひまじ」の、オーナーご夫妻の笑顔。
ロビーに置かれた、ボストンのピアノ。
地元の食材・野菜をふんだんに使った、体にも美味しい料理。

皆で歩いた湿原の景色、朝の散歩でお参りした古い祠と滝。

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どれも、まさに「夏の思い出アルバム」。


管のメンバーにとっては大学時代からの恩師である、ファゴッティスト中川良平先生のレッスンを、今回はじめて、私も受けることができました。

編曲(作曲)者の、音楽とそれを記す楽譜への思いを、ハッシ!と必死で受け止めるような時間で、まるで髪が逆立つような楽しさ。

しかし、今でなければ受け止めきれなかったとも感じました。
10年前の私では、知識も感覚も足りず、先生のおっしゃる言葉の芯を、きっと理解できなかったように思います。
ですが、さらにうんと若い学生時代に、あの強烈な波動のようなレッスンをたくさん受けていたら。
それは、かけがえのない財産となったことでしょう。
このことは、私自身が学生たちと向き合う時間のための、大切なヒントにもなりました。

そして、木五メンバーのレッスンを聴講。
白樺の木立のなかに建つ、先生の別荘にて。
皆の音楽を聴きながら、ああ私自身が、アンサンブル・カラヴィンカのファンなんだと再認識(なんたる幸せ!)。

そのレッスン中に、よぎった思い。
小鳥は本当に、音楽を知っている。
熱いレッスンが行われている室内と、ふと目をやる屋外に感じる気配。
自然と音楽との交感は、近代人の意識の外にあるような気がする。

(これは今年5月、四国を訪れた時から抱えている宿題でもあります。
大きな森や空の静寂。ここに、私の知っている音楽はいらないと思った、そのことをきちんと考えたい。)

夜。
森の暗闇のなかで、白樺の白はこんなにも妖しく白いのだと知る。
満月も白く。

* * *

アンサンブル・カラヴィンカ、来年の公演も決定しました。

2011年9月1日(木)熱田文化小劇場(愛知県名古屋市)

☆カラヴィンカHP http://blog.livedoor.jp/e_kalavinka/

大切に、奏で続けていきたいと思います。






posted by K10 at 23:05| 日記

2010年09月16日

自動打弦(またも狭間の音)

皆さま、ご無沙汰しております。お元気ですか。
空もすっかり秋めいてまいりました。

あっという間に夏休みも終わり。
気づけば、1ヵ月ぶりの更新となってしまいました。

気分はもうもう全く、
日記の宿題ができてないのに2学期が始まってしまった子供。
…ううむ、困った。


2010年の夏、今年もたくさんの思い出ができました。
これから少しずつ、さかのぼって綴っていきたいと思います。

* * *

まずは、素敵な体験から。
静岡県掛川市、ヤマハのピアノ工場を見学させて頂きました。

☆ヤマハピアノのふるさと掛川
 http://www.yamaha-kakegawa.com/

ピアノの工房が好きで、機会あるたび、ピアノ職人さんや調律師さんの仕事に心躍らせてきましたが、このような大量生産の工場を見学するのは初めてのことでした。
どの作業も、どの技術にも、やはりわくわく、興奮。
(感じたことがたくさんありすぎるので、今後また少しずつ綴っていきたいと思います。)


なかでも私が一番、躍り上がるような気分になったのは、自動打弦の工程でした。

弦を張り、外装を取り付け、鍵盤・アクション・ダンパーを取り付け、ひとまずピアノの形となったばかりのピアノは、自動打弦機という鍵盤を自動で押す機械を使って、アクションを動かし、動きをなじませます(1つの鍵盤につき、300回打鍵するそうです)。

その、「音楽」に打ちのめされた私。

全鍵盤を300回、約4分間で打ち終わるというスピードで連続的に打ち鳴らされる音は、不思議なうねりを生んでグルーヴ、グルーヴ、グルーヴ!

思い出したのは、やはりこの手紙。

夕暮れになってからぼくたちはヨットから降り、工場群を訪れてみました。ぼくたちを取り巻き、城のような形をして流れてくる鉄や火の大伽藍、そしてコンベアベルトや汽笛や凄まじいハンマーの音が作り出す驚くべき交響楽についてどのようにして君に語ったらいいのでしょうか。どこを見ても空は明るくどんよりとして燃えているようなのです。ぼくたちは雷雨に襲われ、ずぶ濡れになってヨットに戻りました。このことはぼくたちそれぞれに異なったふうに作用しました。イダは恐ろしさのあまり泣き出さんばかりで、ぼくはと言えば、うれしさで泣き出しそうでした。全ては何と音楽的なのでしょう。ぼくはこれをいつかきっと使うつもりです。

『水の音楽』青柳いづみこ/著 みすず書房


1905年、ライン川沿いのハウムの工業地帯を見学した作曲家モーリス・ラヴェルが、友人に宛てて書いたものです。

この、「音楽」と「そうでないもの(とされているもの)」の狭間にある、エア・ポケットのような場所。私の大好きな場所。
そこでの響に、久しぶりに出会うことができました。

むろん、人の手・目・耳によってしか生むことのできない、温かく血の通った技、その美しさには、呼吸を忘れてしまうほどです。
何よりも大切に、伝えなければならないことでもあります。
けれど、その対極にある存在にも、私は心魅かれます。

「音楽」の領域なんて、誰にも決められない。
そう信じているから、もっともっと「耳」を研ぎ澄ましたい、研ぎ澄まさなければ。

* * *

夏の思い出、そしてずっと繋がっていく、心を結ぶリボン。
日々、大切に過ごしていきたいと思います。

季節の変わり目、皆さまくれぐれもお体お大切に。


posted by K10 at 23:55| 日記

2010年07月30日

記憶のプール

☆4つの色〜アンサンブルのたのしみ〜
 宗次ランチタイム名曲コンサート

猛暑の、しかも平日のお昼間に関わらず、大勢のお客様にご来場いただき、本当にありがとうございました。

演奏中も、演奏後も、何か、大切なものを受け取っているような感覚が続きました。
共演の素晴らしい音楽家達に、あらためて感謝。

そして、どうかこの芽を育て続けていけますように。

* * *

しかし、演奏会が終わってもう一週間?
それとも、まだ一週間?

毎日、思い出が積み重なっていくようです。
2010年の夏が作るであろう、記憶のプールの圧。
これをすでに感じて、心が身構えているような気がする。

おいおい。
臆病風なんて、気に入らないぜ。
明日から8月。旗を高く掲げて、ぐんぐん進んでみよう。
移動の車から見る空に、今年は入道雲が、やけに目立ちます。

さあ、全部音になれ!

* * *

本も読みたいですし、旅にも出たいものです。
しかしまずは、この積み上がった楽譜を読破せねば。

猛暑の候、皆さまどうぞお身体お大切に。







posted by K10 at 22:55| 日記

2010年07月22日

歴史の断面

さあ、夏の幕が開いた。


4つの色〜アンサンブルの楽しみ〜
 宗次ランチタイム・コンサート

 7月23日(金)11:30開演(11:00開場)

 宗次ホール http://www.munetsuguhall.com/index.php

* * *

演奏会のプログラムは、歴史の断面だと思う。
球体(歴史)のただなかに自分をおいて、さあ、どう、ラインをとるのか。
それを、作るのも見るのも、本当にわくわくする。

この度の室内楽コンサートのために集められた奏者たち4人。
もちろん、音を重ねるのも今回が初めて。
フルート、ヴァイオリン、チェロ、ピアノという組合せで、いったいどのようにプログラムを構成するのか。
実はなかなか決まらなくて、だからこそ、余計にわくわくしたものでした。

* * *

♪モーツァルト:3つのトリオより 第3番
        第1楽章(Fl + Vn + Vc)

♪ゴーベール:ロマンティックな小品(Fl + Vc + Pf)

♪マルチヌー:プロムナード(Fl + Vn + Pf)

♪ベートーヴェン:ピアノ・トリオ第4番op.11「街の歌」より
         第2楽章(Vn + Vc + Pf)

♪クヴァンツ:トリオ・ソナタ ハ短調(Fl. + Vn + Vc + Pf)

* * *

プログラム・ビルドには、多分に、偶然の力ってのも大切だったりします。
そんな星に出会うのもまた素敵なこと。

宮廷の私室から生まれた、室内楽の歴史。
「選ばれた人間による純粋な音楽創造」(『室内楽の歴史〜音による対話の可能性を求めて〜』著:中村孝義 東京書籍)
そこにはいつも、「遊び」の精神が流れているようです。

真夏のランチタイム、爽やかなひとときを。
ご来場、心よりお待ち申し上げております。


P.S. 久しぶりに『資料室』を更新しました。
まだ書きかけの綴りですけど、よろしければどうぞ。
posted by K10 at 00:38| 日記

2010年04月29日

都市のかたすみ

その空間へ辿り着くのに、私は迷わなかった。

おかしい。
以前の私は地図をまともに読むことができず、東西南北もわからず(これは今もわからないが)、知らない場所へ行くには、その道程の倍ほども歩き回って到着するのが殆どだった。
迷う不安は、精神の足元の不安を冷たく照らす。

そういや、パリでも迷わなかった。
いや。たいがい迷ったのだが、その迷い道では、確かに出会うべきと約束されていたかのような出来事が待っていた。
だから、それを「不安」の箱にしまう気になれないでいる。

小さな看板が置かれた、小さな建物。
2階の窓から、明かりがこぼれている。
見上げながら、少しだけ緊張している自分に気づいた。

☆路地と人☆






posted by K10 at 22:01| 日記

2010年04月01日

先週末、我が師 マエストロ高須博の講座付きコンサートが行われました。
それはしみじみと、音楽と知に満ち満ちた、素晴らしい時でした。

☆マエストロ高須博ファンサイト『魔法使いの庭へ』

私は裏方でしたから、演奏時会場に入ることはできませんでしたが、ガラスの扉越しに、マエストロの演奏する背中と手を、じっくりと観ることができました。

それはまるで、巨大な作品に向かう彫刻家でした!
かすかにもれ聞こえる音に集中する耳と、まばたきを忘れた眼。
息の詰まるような、けれど、陶酔の心地。

* * *

控室で見た師の手は、骨間筋が全て回りの骨よりも盛り上がっていた。
短拇指屈筋、拇指内転筋の大きさも尋常ではない。

なんという、手。

ロダンの「神の手」が思い出されて、また、ロダン自身の手を思い、真に血の通い隆々と仕事を生む芸術家の手に、胸が熱くなりました。

* * *

この、私のか弱い手。
せめて、ピアノから離れている時も、いつも温かな手でいたい。

* * *

手指だけではなく、それを正しく支える、肘や肩、背筋。
大聖堂の、異常に高い天井を支える控壁(バットレス)と飛梁(フライング・バットレス)。
ゴシック建築の特徴であるこれらを、私は大好きなのですが、自らの演奏する身体に、カテドラルをかさね合わせてみる。

すると、額から肺のあたりに、かの空間が広がる思いがします。
(ランス、サン=レミは人も少なく、堂内には静けさが満ちていました。)

* * *

思いが溢れかえるような日々が続いております。
すべての素晴らしい経験に、感謝。
そしてすべてが、音になりますように。

posted by K10 at 23:28| 日記

2010年03月27日

お久しぶりです。
皆さま、お元気ですか?

2週間のおやすみが、気づけば1カ月になってしまいました。
(ご心配くださった方々、申し訳ありませんでした。
 そして、本当にありがとうございます)

3月上旬、長らくあたためていた、パリへの旅を敢行。
カテドラルを体感してきました。
また、新しい展開を見せ始めた企画の数々。

少しずつ、ご紹介していきたいと思います。

桜もほころびはじめました。
ステップも軽やかに。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
posted by K10 at 23:59| 日記

2010年02月22日

おやすみ

この春休みは、モーレツ!
色々なイベントの準備が、まさにダンゴになっております。

(つまり、ステキなこと目白押し、なのです。
 しあわせなことです。ありがたいことです。)

が、更新がなんともママナラズ。

たびたび申し訳ありません。
2週間ほど、おやすみをいただきたく存じます。

この次、楽しいご報告が、たくさんできますように☆
はりきってまいります。

季節の変わり目、皆さまどうぞくれぐれもお大切に。
ではまた!
posted by K10 at 17:55| 日記

2010年02月11日

妄想力

シャンシャンと、鈴のなるような音をたてて雨が降っている。
寒い。けれど、季節は確かに動いている。

この、はざまがとても好きです。

* * * * *

ピアノに座ったら、まずは準備体操。
色々なメソッドから、プログラムやその日の手指の感覚に従い、選んだいくつかのパターンをさらう。

その後、スケール。
登ったり、降りたり。降りてから、登ったり。
反行して、また沿って。行ったり、来たり。

時々楽しむ、スケール練習イメ・プレ風(爆)。

お題1:「モーツァルト(7歳)がスケール練習すると、ドン♪」
お題2:「リスト(24歳)のスケール練習は、ドン♪」


* * *

モーツァルト7歳。一家総出で、ヨーロッパ演奏大旅行に出ている。
神童ヴォルフガングを、様々な宮廷に売り込むため。
過酷な馬車での旅も、ヴォルフィー坊やはニコニコご機嫌。
クラヴィーアは、彼にとって最高のおもちゃだ。
小さな小さな手が奏でるスケールはまるで、きらきらビーズをばらまいたようではなかったか。

…と、想像しながら弾いてみる。
む、難しいぃぃぃぃぃ!


リスト24歳。
6歳年上の愛人マリー・ダグーと共に、スイスで暮らし始める。その年の12月、初めての娘ブランディーヌを授かった。
パガニーニの衝撃から4年。彼はすでに、パリ社交界の寵児だ。
同じ頃に描かれたリストのカリカチュアは、両手にハンマーを持ち鍵盤を叩いている。おそらく、ものすごい音量だったのだろう。

…と、想像しながら弾いてみる。
…………(怒)、で、できるかいっ!!

* * *

その他、バッハ、ショパン、プロコフィエフ、など。
かなりむちゃな想像の、ムソルグスキーとか(笑)。

演奏に身体的運動が必ず伴う以上、トレーニングは必要不可欠。
さらに、こういった想像力(というか妄想力)も、実はとても大切で、もっと鍛えなければと思う今日この頃。

ざっと1時間くらいです。
それから、おもむろに楽譜の扉を開きます。






posted by K10 at 20:39| 日記

2010年02月08日

またも日々

友Jung-chang に、素晴らしいカレー場を教えてもらいました。

☆カレー食堂《ホジャ・ナスレッディン》

私にとりカレー場とは、山に住む動物の塩なめ場のような感じです。

野菜のカレーとマトンのカレーを頂きました、美味!
ピタパンは、自家製天然酵母使用。美味!

お店にあった本棚も、なんだかとてもぐっときました。

* * *

同じ日に。
彼女が話す、一枚の焼き菓子から受けた感銘は、私が今向き合っているロダンの言葉(高村光太郎訳)と、聴いた事がないような和音を作って響きました。

この和音が見えたら虹色。
こういう瞬間が、本当に幸せ。

いつもありがとう。

* * *

更新が不規則で恐縮です。
しかし今年は風邪もひかず、大変元気に過ごしております。

色々な企画が、それぞれに進行しています。
ご報告できます日を、私も楽しみにしています。
(今はまだ、こんがらかったり途方にくれたりもしていますが)

春待つ季節、皆さまもどうぞお体お大切に。



posted by K10 at 00:54| 日記

2010年01月21日

レモン道楽

どうらく 【道楽】(名・形動)スル[文]ナリ

(1)本職以外の趣味にふけること。趣味を楽しむこと。
 また、その趣味。「食い―」 「着―」 「―に焼き物をする」

(2)酒色・ばくちなどの遊興にふける・こと(さま)。
 「若い頃は随分―したものだ」
 「―なお方でございますので/真景累ヶ淵(円朝)」

(3)〔仏〕 仏道修行によって得た悟りのたのしみ。

* * * * *

私の友人たちは、料理もハンパなく上手。
四季折々、旬の素材に素敵な技をきかせた、素晴らしい料理を作る。
料理は、彼女たちの思想の反映。
しずかに、あたりまえに、日々の思索が、身に取り込まれていく食べ物に込められている。

対してワタクシは、学生時代からずっと、料理を含む家事全般が丸キリ駄目ナ女子、として認知されていたので、みんなの愛をおいしく、ほくほくニコニコと、頂く一方でした。

命を考えることに繋がっている、彼女たちの食に対する意識は、本当に美しい。
私はとても近づけない、と思っていたのだけれど。

* * *

実家の庭にレモンの樹があって、実がたくさん生っていた。
樹に生っている物を、いただき、味わう。
2010年、なんだか試してみたくなったので、収穫することに。

低い所に生っている実を手に、じくに鋏をいれると、枝がぽーんと跳ね上がって顔を打った。
一個のレモンの実の重さと、それと繋がり育んできた枝について。
重力、地球の引力、とか。
幹・枝・葉にぐいぐい流れているだろう水、のこととか。
跳ね上がった枝の先に広がっている空の色、とか。
一瞬のことに、脳内大迷走。どきどきぐるぐる(単純)。

手の届かない所は、脚立を使う(高所恐怖症ギリギリです)。
のぼって、梢のなかに入ったら、爽やかな香りに全身つつまれて、ふいに子供の頃を思い出したりした。

* * *

久しぶりに家に籠る日。今日は、レモン道楽。
レモン・ジャムと、レモン・ピールを作った。

20個のレモンを、とりあえず実と皮にわけていく、それだけでもう結構大変なのだった。
我が家の寒い台所に立ちっぱなし、不器用だし包丁を持つ手は固まってガチガチ。

イタリアなら、家族総出で作るのかしら。

ジャムは、きび砂糖と三温糖で。
ピールにはグラニュー糖、と使い分けてみる。

そりゃあもう、友人たちの、作品と呼びたいような料理には、遠く足元にも及ばない。
味だって、私ひとりの満足が、たぶんせいいっぱい(苦笑)。

けれど、これも私の今なのだな、と思いました。
作っている間、収穫の時に感じた、梢のなかの香りと気配に、ずっと包まれていたい、と思い続けた。
あの時あらわれた、私のなかの子供は、いちばん大切な徴。

* * *

なんだか、とても珍しい時間を過ごしました。
明日からしっかり、練習と日常に戻っていきます。


* * * * *

みちがく 2 【道楽】

雅楽で、楽人が行列の先頭で行進しながら演奏すること。行幸・葬祭・寺社行事などで行われ、行列全体の進行を促す。












posted by K10 at 23:32| 日記

2010年01月14日

あやとりの輪のなかに

はっと気づけば、年明けから2週間。
光陰矢の如し。

* * * * *

我が師 高須博先生の門下生発表会にお招き頂く。
終演後、師と門下生数名、師の12年来のファンの方と、居酒屋でひとときをご一緒した。
音楽はもちろん、社会・文学・科学と、話題は四方八方多岐にわたる。
無知な私は目を白黒させているばかりだけれど、なんともはや楽しい。


師は、トランスクリプション(編曲・改編作品)の世界的第一人者だ。
どうしてトランスクリプションだったんですか?そのはじまりは?
という、私の頭の悪い(そして不躾)な質問に、


「オペラが好きだったんです。」

ゆったりと答えてくださった師の声。
笑顔のむこうで、熱く果てなく豊かに渦を巻くエネルギー。
「オペラ」の言葉にこもる、なんというドラマ!

それは、私自身が芸術にぐるぐる取り囲まれてしまった時の感動と同じに、心に深く刻まれた。

大切な思い出が、またひとつ。

* * * * *

敬愛する美術家 AKIRIKAちゃんのお誘いで、小石川後楽園へ行く。
その後、淡路町の古い倉(大正6年築!)に作られた画廊へ。
(上野茂都氏の個展。不思議なスケール感が素敵だった)

江戸、東京。
思いがけず、「都市」に放りこまれた午後。

連れていってくれて、本当に本当にありがとう。
以来、心は《カテドラル》を漂っています。

+ + +

中世の北ヨーロッパ。
食糧難により農村からあぶれた人々が、都市へと流れ込んだ。

さまよい人たちの心を、キリスト教がとらえる。
孤独な彼らが持つ異教の教えと拠り所を、貪欲に取り込みながら。

やがて、カテドラル(大聖堂)が生まれた。
森を模した内陣。ステンドグラスの煌めきは、生命の色。

そして背中あわせにぴったりと張り付いた、慾。

ああ、ゴシックよ。

+ + +

パリに行かなくてはなるまい。
が、いま胸に起こっているこの感覚を確かなものとするために、
私には、また別の場所が必要な気がする。


* * * * *

まだ眠ってないと思っていたのに、見た夢。


あやとりをしている。
火のようなオレンジ色をした、太い毛糸のあやとり。
手は、私の手のなのか、だれか別の人の手のなのか。

くるくると、指の間を糸が行きかう。
手の動きはなかなかに複雑で、まるで印を結んでいるよう。
不思議な形がつぎつぎにあらわれては、また、解かれていく、
解かれて、つぎの形へ。

手が止まった。
花が開いたような手のかたちに、絡まった糸は、
ぐるりと輪を描く炎、曼珠沙華。


その輪のまんなかに、ぽっかりと真空があった。



そう、これこそが音楽。



胸に温泉が吹きあげたような心地がして、
そこで目が覚めた。

音楽、って思ったのに、それは真空だもの。
夢はまったくの無音だった。



posted by K10 at 17:28| 日記

2010年01月01日

A HAPPY NEW YEAR 2010

あけましておめでとうございます。


* * * * *

大晦日、近所なじみの老舗そば屋にて年越しそば。
(今年は鰊そばをいただきました)
いつも通りの年の瀬を迎えられたことに、しみじみと感謝。


年が明けさっそく氏神様へ初詣。
年越しは、雪模様でした。
しっかりと降る牡丹雪、なのに天辺には、煌々と輝く満月。

なんとも幻想的な、2010年の幕開けです。


* * * * *

今年は、4年ぶりのソロ・リサイタルを開催させて頂きます。
そして、昨年いただいた、たくさんの宿題。

会いにいくために、飛んでいきたいと思います。

2010年が、皆さまにとり素晴らしい年でありますように。
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。





posted by K10 at 10:23| 日記

2009年12月28日

師走

やっとやっと、年賀状を書きあげた…。
(元旦には届かないかもしれません、毎年ごめんなさい。)

カチコチの肩を回しつつ、さて、次は大掃除だー。

* * * * *

バタバタしてる間に、誕生日を迎えた。
友人たちから届くお祝いメールやカードが、心底嬉しい。

みんな、本当にありがとう☆☆☆

もらったこのハッピーな気持ちを、ぐるりっ!と回して、
みんなに配りたい。

なんて考えるようになったのは、この歳になったから?
あたりまえに歳をとることに、感謝。

* * * * *

さあ、トニモカクニモシノゴノイワズニ大掃除だ!

音楽室には、楽譜と一緒に今年の思い出が積み上がっている。
それらを、ひとつひとつ整理する。
2009年の心を、冷たい水で洗濯するように。

終わってから、落ち着いてまた書きます。

とおーっ(気合い)☆
posted by K10 at 23:44| 日記

2009年12月20日

とある席で、畑仕事を趣味とされている方から伺った話。

「黒豆は、収穫したばかりはピンク色をしているんです。
 それを乾かすと、黒くなる。」


今秋、友から借りて読んだ小説は、染色を仕事とする女性が主人公だった。

・・・・・・・

蓉子がもってきた糸束の量を見て予希子は驚く。
「そんなに?」
「ううん、黒のためにはこれだけ。後は、鉄媒染で紫黒色、江戸紫、って出していくの」
「ああ、そうね。紀久さんは何も黒だけとは言ってないものね。他に色を出すのは自由よね」
予希子は安心したように呟いた。

著:梨木香歩『からくりからくさ』


傷ついた織手が所望した、劇薬を使って出した黒。
その黒から、紫色を生む。
人の情動が、そのまま見えたら色になる。
そんなことを思っていたので、黒豆の話はとても心に残った。

そしたら先日、テープできっちりと封をされた郵便が届いた。

「畑に残っていた黒豆です。ピンク色のがあるかもしれません。」

件の方が、わざわざお送り下さったのだ。
パックされた7つの豆の鞘は、郵送中にずいぶん乾燥を進めてしまったようだ。
開くとほとんどが、硬く絞まって黒くなっていた。

けれど一粒、まだ柔らかく弾力を保っていた豆があって、黒化しながらも、ところどころにローズのような、紅い色が残っていた。
深い、染み入るような紅だった。

小さな器に取り、しばらく眺めていたが、あっという間に彩度は消えて、翌朝には他の豆と同じに、黒く絞まって乾いていた。
変化の早さにも驚いた次第。

素敵なプレゼントを、ありがとうございました。
一瞬の色。今年の、忘れがたい思い出のひとつです。

* * * * *

強い寒波がやってきた日、東海地方にも初雪が降った。
この日私は大切な方のお誘いを受け、関ヶ原へ出かけることになっていた。
いつもは車だけれど、さすがに電車で向かうことに。

久しぶりの東海道本線。
岐阜を越えたあたりから、景色がどんどん変わって、雪の白がずんずん重くなっていく。
関ヶ原へ近づくにつれ、山々はまるで砂糖をまぶしたような白に染められて、秋に見た里の風景は、完全に冬の姿に変わっていた。

駅から会場までの500mほどの道、雪がこんなに楽しいとは!
滑って転ばないように注意しながら、
(うかつにもハイヒールを履いていた。でも、ヒールをスパイクのようにして歩けば、まあなんとか。)
子供のように、子犬のようにワクワクする。

こんもりと盛り上がった所は生垣だと、数本飛び出した緑の枝でわかったのだが、その雪の下の、不思議と温かく静かな世界が感じられてうっとりとした。
薄紅の山茶花や、南天の赤い実が、緑の葉と白い雪に包まれている。

なんという、色。
その向こうには、墨の香りがしそうな、雪景色の山々。

芸術と、それを愛する人、守る人、営む人、支える人。
素晴らしい方々の輪の、私はほんの片隅に座りこんでいるばかりだけれど、学んだ全てを、生涯、本当に大切にしよう。

関ヶ原の星空も、ものすごいのだった。
清冽な空気にまたたく星々を見上げながら、心に刻んだこと。




posted by K10 at 02:43| 日記

2009年12月10日

重ねること

昨年に引き続き出演させて頂きました
《コン・アニマ南港コンサート》、今年もたくさんのお客様に
ご来場いただき、本当にありがとうございました。

客席から舞台にむかって、船の舳先のようにカーブした
全面ガラスのステージ。
海に沈む夕陽と、星の目覚めを感じながらの演奏。

フルーティスト丹下聡子さんとも、南港にて2度目の共演。
合わせやリハーサルのたび、つい、時を忘れて話し込んでしまう。
こうして音楽と時を重ねていく喜び。
(いつも本当にありがとう。また次会える日が待ち遠しいです。)

準備に携わってくださった皆様にも、心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。

* * * * *

そろそろ、手帳の引き継ぎをしなければ。
今年中に片づけておくべきこと、数々。
…そして年賀状もあるぞ。

少しずつ熟成していくシュトーレンを齧りながら、年越しジャンプ(乃至スライド)の算段。



posted by K10 at 02:02| 日記

2009年12月04日

12月(甘い思い出)

お気に入りのパティスリーに、シュトーレンが並んだ。
クリスマスの足音がする。

* * * * *

14年前、初めて訪れた思い出のヨーロッパは、12月のウィーン。
留学中の友人が住んでいたアパートメントは、どきりとするような歴史を持つ古い館で、妖しい気配に満ちていた。
曲線の美しい階段を、トランクを引きずり登りながら、私は夢と現実の境目がわからなくなっていった。

蝋燭に揺れる高い天井の四隅の暗がりや、見たこともないほど青白い月。
凍った舗道に、粉砂糖のような雪がサラサラと流れていく。
金色に輝くホールの、はちみつのような音響。
クリスマス市の賑わい、焼き栗の香ばしい味。
晴天の中央墓地、行き過ぎる葬列、ビロードのような薔薇。
初めて降りた冥界シュテファン・ドムのカタコンベ。
そして夕闇せまるグラーベン通りで、私は堆積する時の重みと共に歩む、ものすごい数の幽霊達を感じたのだった。

* * *

宝石箱をそっと開けて取り出すように、思い出を手にのせる。
あの時の気配が甦り、背後から私を包むのを感じる。
これからも、何度も何度も綴るだろう。
大切な宝物。

* * *

滞在中のある日。
アパートメントで、ザッハトルテがふるまわれた。
大家のおばあさんが作ってくれた、とのことだった。
艶々として、杏ジャムの香り、喉が焼けるような濃厚な甘さ、
ああ、こんな官能的なお菓子が、この世にあるなんて。
それは、魔王の食べ物。

ザッハトルテの黒は、
お会いすることのなかったそのおばあさんのドレスの色になり、
それは洞穴のように黒く、
クリムトの半眼、
シーレの裸の腹、
宮殿の鏡、
庭園を守るスフィンクス、
市松の冷たい床、
カイザー・メランジェの泡、
捩れあがるペスト記念塔、
カタコンベ髑髏の眼孔。

我が幻想の都の、愛おしい黒の記憶。

* * * * *

今年の12月は、お菓子と一緒にやってきた。
そして、少しだけ特別だ。

posted by K10 at 02:23| 日記

2009年11月27日

時を超えた音楽 2

マエストロ高須博ニュー・アルバム第2弾
『タールベルク 超絶技巧オペラファンタジー』を聴く。

歴史の渦に吸い込まれていく感覚は前作『リスト 超絶技巧オペラファンタジー』と同様、心地よいトリップ感。
でも、なにかが違う。
ロマン派独特の肉体性、ヴィルティオジテの強靭さは圧倒的ながら、不思議な「閉じられた感覚」がつきまとうのだ。
それは、実に甘美だ。

これこそが、リストとタールベルクの違い、なのだろうか。

前作「リスト/超絶技巧オペラファンタジー」の2曲目にも入っていた「悪魔ロベール」のファンタジーでこのアルバムは始まっている。同じオペラに題材を求めてもベートーヴェンの孫弟子リストが素材を「展開」する事に熱中しているのに対してモーツァルトの孫弟子タールベルクは元の旋律そのものにひたすら美しい「装飾」を加えようとしているのが良くわかる。高須の手さばきは相変わらず鮮やかだ。

同CD 解説より


リストは1811年10月22日ハンガリーの生まれ。生涯を、人気実力とも兼ね備えた大音楽家として生きた。
膨大な作品を残し、時には何十年もかけて楽譜に手をいれ改訂を繰り返している。
偉大なピアニストであったのみならず、その音楽を「形に残して後世へ伝える」ことにも、細やかに気を配った。

対してタールベルクは、1812年1月8日スイスの生まれ。大貴族の血を引いているが、私生児である。
19世紀ロマン派ピアノ界の寵児ともてはやされ、リストに唯一対抗しうるライバルとされた。しかし、晩年は自宅にピアノを置くこともせずワイナリーの経営に余生を過ごしている。
彼の超絶技巧は、彼の演奏表現のためだけに費やされたのだった。

時間芸術である音楽。
そしてライブとはまさに、その一瞬の輝きを受け止める奇跡のような時だ。
タールベルクの奏でる、精緻極まるレース細工のような装飾フレーズは、いったいどれほどに官能的であったろう・・・。

1837年パリ「象牙の決闘」が行われたサロンでは、きっと、リスト派とタールベルク派が、それとなく分かれて着席していたんじゃないかしら。
妄想のなか、私はタールベルク派の席を探して座った。

* * *

CDが終って、正気に戻る。
ここは、21世紀でした。

一冊の楽譜から、溢れ出す幻想は無限なのだ。
師の演奏から、私はこのことを学び続けている。










posted by K10 at 00:10| 日記

2009年11月21日

はじめてのこと

彼女の提案は、私がこれまでに感じたことのない
ウキウキとドキドキをもたらした。

これまでに届いたことのない土地から、
これまでに会ったことのないひとからの荷物が届く。

しばらく私はそれを手元に置いて、ひとりで楽しんで、
今日、お返しの荷物を発送した。

はじめて書く住所と、はじめて書く名前。
この指先の感覚は、実に忘れがたい。

いや。
子どもの頃は、これが自然なことだったのだろうか。
それを、忘れていただけなのだろうか。

ベランダから見える桜の樹が、見事に紅葉している。
この季節に満ちる、あたたかななにかが、
どうか一緒に届きますように。

* * * * *

練習中。本調子に入るまでに、時間がかかりすぎる。
透明で圧の高い壁が邪魔をして、いつまでも音楽に
入ることができず、イライラしてしまう。

集中力がたりない。

耳孔の奥から、脊髄の回りの螺旋へ、そして臍まで繋がっている。
この螺旋には弾力があって、私にとり踊る力の根幹でもある。
その弾力が落ちている。縮こまっている。

(そういえばこのひと月、泳ぎに行っていない。)

否、張りを保たせるのは運動だけではない。
言うのもかったるいけれど、やはり意思の力だ。

バキバキに固まった背中、肩と首を回す。腰の調子も悪い。

…負けてるなあ。

* * * * *

気づけば、人の選んだ本を全く読まなくなっていた。
自分の決めた読書日程に、とりつかれたように。

借りた本は、これまでに読んだことのないような文体を持ち、
まるで薄っすらと外国語みたいだった。
なのに、すうっと身の内に入ってくる。

この感覚と意識は、大切な気がする。
posted by K10 at 00:47| 日記

2009年11月17日

冬が来た

夜のドライブ、バイパスの高架をあがり、視界が開けた時。
空がきんと冴えて鉄紺色に光るのをみると、毎年
「ああ、冬が来たな。」と思う。

今夜、それを感じました。

寒くなりました。お元気ですか。

* * * * *

練習しはじめの、鍵盤が冷たくなった。
今年あれこれ試したメトードは、リトル・ピシュナがお気に入り。

ウォーミング・アップも、柔らかな音色で行いたい。
よく、耳を澄まして。

やっと、その心持ちに落ち着くことができるように思う。
(ナンダカンダ、20年近くかかったかもしれないな。)

* * * * *

あらためて、バッハのヴィルトゥオーゾ魂に感服。
・・・感服、してる場合じゃ、ないぞ。

指・腕がつりそう。いや、つっています、トホホ。
練習後、夕食の準備に包丁を握ったらそのまま固まってさあ大変。
(ウォームアップしてもこの状態。情けなや。)

オルガンのためのトッカータとフーガ BWV.565。
わが師の背中を遠く仰ぎつつ、タウジッヒ、ブラッサン、ブゾーニのピアノ編曲を読んだが、12月はブゾーニのものを。
バッハのヴィルティオジテを、めくるめくファンタジーに仕上げたのはタウジッヒだが、オルガン作品のエネルギーをそのままに昇華、結晶させたのがブゾーニ。
今はそんな印象を持っている。

16世紀の巨匠ブクステフーデのオルガン演奏に、若きバッハの受けた衝撃が刻み込まれた作品。
この情熱が愛おしい。

* * * * *

MJ 『 This Is It 』 観賞。

MTV世代なので、彼のミュージック・ビデオは一通り観ていたが、特別なファンではなかった。
しかしこの映画で、私が観てきた彼のビデオやライブの映像は、彼の才能の、ごく僅かな一部分しか映していなかったのだと知る。

リハーサルだからこそ残すことができた、本当の姿。
(ゴシップ記事でみる彼のマスクはどうしても不気味なのに、
 歌っている、踊っている彼はそのマスクも含めて全く自然なのだ。
 それは超自然的といってよいほどに。)

6月、彼の死を伝えるニュースにどうしてもリアリティを持つことができないでいた。

なぜなら、彼が妖精だからだったんだと、今はすっかり信じている。
妖精は死なない。
少なくとも、人間の死とは違う。

でも、彼の心は人間だった。
そんな物語が、絵本のなかではなく現実であったこと。

泣き疲れてかすれた子供のような、あの声を抱きしめた。
あなたと同じ時代に、地球にいたことを感謝します。

* * * * *

「なぜ、この子が来るのが今なんだ。」
本を開いても、荷物を開いても、振り返っても。
そう問いたくなるようなことが、やたらと多いのだった。

おもしろいなあ。












posted by K10 at 23:22| 日記

2009年11月08日

言葉にならない

それぞれは独立して、なんの関係もないはずの、投げかけられた言葉や、届けられた品、向かったり戻ったりの動き。

それらが、そこいらじゅうで共鳴しあい、なんともにぎやかな音を立てている、立て続けている。
思いがけない和音を作って響くので、私はびっくりしてばかりいる。

そういう毎日です(あいかわらずワカリニクイゾー)。

これが日常。ありがたいことです。しあわせなことです。
この秋に起こっているすべてのことは、丁寧に記録しておかなくてはと思いつつ。
言葉にならない思念で、体中がパンパン。

* * * * *

(水曜日)
大好きな美術家さん名古屋へ。
このブログでもたびたび登場、学生時代からの友 poppa ちゃん(安岐さんに出会えたのも彼女の紹介)と3人で、体に優しい食堂 和家 さんで晩ご飯。
同い年女子3人、それぞれ生活スタイルが違うから、話題がすごく色々で楽しい。
三つ巴、じゃなくて、ロンドみたいな感じです。

(木曜日)
この3人で、滋賀は竹生島と、白髭神社へ詣でる。
私は最近詣でたばかりだったけれど、不思議な流れは再びかの地へ向かわせるのだった。
運転は私が。
(大切な人を大切な地へ連れていく行為。私は馬になったような心持ちで、これは演奏活動とも繋がっている、とても素晴らしい感覚なのだ。)

いつもは時計回りで巡る琵琶湖を、今回は反時計回りで。
竹生島へも、いつもは長浜から渡るのに、今回は今津から。

新しい窓がたくさん切り開かれたような旅。
もう少し結晶してから、まとめます。

* * * * *

(金曜日)
来週お仕事でご一緒するヴァイオリニストYさんと合わせ。
ともにロンドンで修行時代(私は遊行か…)を過ごしたから、練習後はその頃の話で盛り上がる。
教会でのコンサートが、悩み迷う留学生にとって大切な経験となったこと。
それぞれに、あの時の感覚がよみがえって、ふっと笑った。

* * * * *

(土曜日)
岐阜県関ケ原に、夢のような美術館が誕生。

清塚ミュージアム

そのオープニングにお招きいただき、素晴らしい秋の日を過ごす。
設立までの過程が、すでに夢のようなのだった。

茨城県近代美術館 市川政憲氏による記念講演、そのなかで語られた「漂着」という言葉。

この秋に、私も流れ着いたのだと体で水が響くような振動。
里山の景色を見つめながら、始まっている物語の行く末を思う。

でも、行く先は、決めない。

* * * * *

「ファンタジーを、人はここに隠していると思う。」
彼女は、身振りしながらそういった(その場所は秘密)。

Hidden place.

私は暴きたいのではなかった。
そんな自らを知って、あたたかく泣き笑いした夜。













posted by K10 at 22:22| 日記

2009年10月29日

珍客

今朝、部屋に雀が飛び込んできた!
いったいどこから、いつの間に入ってきたのか。
なんだか羽ばたきのような音がすると気になっていたら、
突然に飛びかかられて腰をぬかした。

慌てて全ての窓を開け放し、とにかくお引き取り頂こうと、
小さくなって座っていた。
(下手に追い回すと、怯えて暴れて怪我しそうだった。)

知らない所に迷い込んだ不安と苛立ちはいかばかりか。
でも雀さん、こちらがじっとしていれば、さほど恐怖はない様子。
カーテンに止まったり、棚の小さな置物を倒して自分でびっくりしたり。
小一時間わが家の狭いアパート中を飛び回ると、お風呂場の窓から飛び出していった。

* * * * *

更新があきました。
ありがたくも大変に充実した日々を送っています。
受け止めたまま言葉にならないエネルギーを抱えて過ごす秋。

* * * * *

師匠マエストロ高須博のリサイタル東京公演を聴くため上京。

午後はゆったり、上野の国立西洋美術館でロダンと過ごす。
空のとても美しい日で、野外彫刻を観るのにあれほどハマる空を、
私はこれまでみたことがないように思った。

今年の公演は、敬愛する美術家 安岐理加さんとご一緒した。
開演前、ホールのすぐ近くに、いい感じの居酒屋を見つけて入る。
お酒の飲めないふたりなので、温かいお茶と和食。
それぞれの仕事の話。

実は、ふたりで会うのは初めてのことだった。
とても漠然とした言い方になってしまうけれど、
安岐理加さんはまるで泉のような女性で、話していると
不思議な清冽さに身を包まれるような感覚を覚えた。
(その感覚に針を合わせたまま彼女の作品を思い返すと、
 また違った景色が広がって驚きと感動。)

そんな彼女と過ごした時間の後で、マエストロのピアノ世界。

心がまだ痺れている。
なんとか言葉にしてみようとあれこれ試したけれど、
これだけ書いておいてまだ無理。

ただ、ピアノに向かう時間の色が、少し変わったように思う。

* * * * *

先週末、竹生島を詣でた。
船で渡る祈りの島。水を渡るのは、やはり特別だ。
でも叶うなら、いつか手漕ぎの船で渡ってみたい。

琵琶湖がとても懐かしいのは、どうしてなのだろう。

* * * * *

そろそろ温かい物が恋しくなってきました。
風邪など召されませんよう、皆さまお大切に。
posted by K10 at 00:20| 日記

2009年10月15日

ロマン派とゴシック

我が師 マエストロ高須博のリサイタルを聴く。

音楽のヴォリュームには、果てがない。
それは巨大なイマージュとなって揺らめき、聴き手を包む。
名古屋公演は去年までと会場が変わり、ホールの特性もあって、一層その感覚が顕著であった。

ロマン派の肉体性。この、光の存在。
強烈な個性は、革命家の精神を顕している。

そして技巧とは、まさにこのようにあざやかな庭のようなもの。
ジャンケレヴィッチの著作が、私にとり真にリアルな感覚となる。


気づけば、師の門下に入り13年が過ぎていた。
私は、出会った時の師の年齢と、同じ歳になっている。

後に続くものとして、私にも果たすべき仕事がある。

* * * * *

生徒に課題として示す曲(教材)に、頭を悩ましている。
これは、重要な案件だ。
生徒の持つ技術、性格、好み、状況、あらゆる情報に気を配り選ぶ1曲。
ハズレ、なんてありえない。
大切なのは、作品のなかに、たとえ小さなことでも、本人が実感できる物語があること。それを、私自身も楽しむこと。

「いい曲だな。」と感じてほころぶ生徒の顔が楽しみでもある。
つまり、大変に楽しい仕事。

* * * * *

『ゴシックとは何か‐大聖堂の精神史』
著/酒井 健 ちくま学芸文庫

ただいまハマッテいる本。

「…塔に秘められた内面力学は、すべての論理一貫した運動がそうであるように、無限を目標にしている。その意味で、すべての塔は「永久機関ペルペトウム・モービレ」(訳注=外部からのエネルギー補給なしに永久に仕事をつづけるという機械)や音楽の滑走奏グリッサンドのように、原則的に永遠に完結することのできない種類のものである。」

「…ゴシック大聖堂の本質は、節度や均整、安定性や合理性にこだわらず、ひたすら、よりいっそうの高さをめざしていたところにある。ゴシック大聖堂が感動的であるのは、この物質的なカリスマ性にある。」


ここに、音楽におけるヴィルティオジテが重なってみえるのは、私だけではあるまい。


全く話はそれるのだが、アカデミックにゴシックを知ろうとすればやはり、サブカルとしてのゴスも気になる(のは私だけ?)。
ゴスは、ゴシックの鬼子。
いや。
王様に憧れ焦がれ、自分をその子供だと思いこんだ少年や、少女たち。

* * * * *

インフルエンザのみならず、風邪がとてもはやっているようです。
季節の変わり目、皆様どうぞお大切に。











posted by K10 at 23:00| 日記

2009年10月08日

秋深まる

2年ぶりの上陸、10年来の大型台風。
明け方の暴風は、さすがに恐ろしくて不安になった。
皆さま、どうかご無事にお過ごしでありますように。

* * * * *

読書の秋。

読むべき本が山、どころか山脈。
睡眠時間を減らしたいが、たちまち一日中眠くなる。根性ナシ。

* * * * *

高田博厚。
「タカダ」ではなく「タカタ」と読むのだと、今更気づいた。

タカタ。タカタカ、タ。タッタカ。「タカタ」。


いいなあ。軽やかな、いい音とリズム。
見つけて嬉しい、ちいさい秋。

* * * * *

過ごしやすさをあっという間にとび越え、なんだかもう寒い。
ロンドンで冬を越して以来、ひどく寒さに弱くなった。
寒いと、さみしくなってしまう。

電気毛布依存症だった私に、去年のお誕生日、親友poppaちゃんがくれた陶器の湯たんぽ。
早々に支度、さっそく湯を入れてみた。
今、足元に。このやわらかな温かさに、なぐさめられる。

* * * * *

明日は、我が師 マエストロ高須博のリサイタルだ。
毎年、秋の日にくぐるロマン派の大門。

ピアノ音楽において、ロマン派の精神は柱だ。
そして21世紀、ロマン派から少しずつ遠ざかるからこそ、その歴史は様々な陰影を際立たせる。
前世紀には見えなかったロマン派の一角が、立ち上がる。

それを聴きとどけるために。

* * * * *

秋深まる。
空はますます冴える。

そして、音はいっそう研がれていく。





posted by K10 at 23:58| 日記

2009年10月01日

感覚のよろこび(彫刻2)

10月になりました。
美しい日本の秋よ、今年もこんにちは。

* * * * *

さて、さかのぼること10日前、銀色週間のことです。

『世界遺産 アンコールワット展 - アジアの大地に咲いた神々の宇宙』
パラミタ美術館 http://www.paramitamuseum.com/

大変に賑わっておりましたが、鑑賞に不自由する程ではなく。
素晴らしい展覧会でした。

紀元400年頃から約1000年にわたる、アンコール王朝の文化。
この時期の彫刻作品には、えもいえぬ清々しさを感じます。
王朝中期バプーオン様式の作品『怪力の持ち主クリシュナの活躍を物語るリンテル』には、彫刻作品として静止していることが信じられないような躍動感、リズムがあふれていました。

* * * * *

視覚、つまり視ることのうちには、眼の内部にかくれている手と指が想像的触覚として共同で参加している部分がある。(P.18)

『彫刻家 創造への出発』 著/飯田善國


いうまでもなく、「聴覚」にもそれは潜んでいる。
「聴く」ことによって感じるその「触覚」は、視覚で感じるそれより一層ダイレクトであるように思うのは、私がピアノ弾きだからだろうか。
「視る」ことで感じる「聴覚」もまたしかり。

* * * * *

ロダンやカミーユの作品に、聴こえてくるもの。
よくよく感じ、そして、想いたいものです。






posted by K10 at 01:03| 日記

2009年09月24日

時を超えた音楽

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我が師マエストロ高須博のニューアルバム
『リスト超絶技巧オペラファンタジー』を聴く。

たちまち、私は19世紀パリのサロンにいた。
1837年3月31日、リストとタールベルクによる「象牙の決闘」が行われた、クリスティーナ・ベルジョイオーソ伯爵夫人のサロン。
リストの額に光る汗まで見えるようだった。

ここに漲る「力」こそ、ロマン派ピアノ音楽の核である。
「ロマンティック」とは、なよやかな貴婦人の扇のゆらめきだけではない。
それを持つ手と胸を震わせる、圧倒的な力と、そのコントロール!

これは、「歴史」だ。
シンプルなジャケットのディスクに収められた、途方もない魔法。
時を超えた音楽が、21世紀、今の私に鳴り響いた。

* * * * *

そして、あらためて受けたこの衝撃的感覚については、魔法使いの弟子として、もっともっと深く思いを巡らせなくてはならない。

posted by K10 at 23:38| 日記

2009年09月11日

しめくくり

『海の都の物語‐ヴェネツィア共和国の一千年』
塩野七生・ルネサンス著作集4/5

堪能。
最終章は、読むのが惜しいほどだった。
この夏、私にとり親しみを感じる存在となった、18世紀ヴェネツィアの芸術・芸能を描いた章のタイトルは、「ヴィヴァルディの世紀」。
まさにと膝を打ちつつ、個人的にはB.マルチェッロの地団駄ふむ音が聞こえてくるようで、複雑な気持ち。
…この本は、『当世流行劇場』の隣に置かない本棚配置にしよう。


「ヴェネツィアには、その独断的で専制的な政治形態とはまったく相容れないはずの、個人の自由への絶対の自信が存在する」
 ヴェネツィア共和国は、レオナルド・ダ・ヴィンチもマキアヴェッリも生まなかったかもしれない。だが、この国がその長い歴史を通じて示し続けた、人間が人間たりうる第一のもの、個人の自由を尊重する一貫した姿勢は、著作を残さなかった偉大な思想家に似てはいないだろうか。

(第十二話 地中海最後の砦 より)


「」内は、ヴォルテールの言葉である。
これまでに受けた教育と無意識に備わっていた様々な考え。
本書を読み、気づかされたことは多い。それらに、ふと立ち止まるような時を過ごせたことも、この夏の大切な思い出。

勢い止まらず、『コンスタンティノープルの陥落』 『ロードス島攻防記』 『レパントの海戦』 『イタリア遺文』 『愛の年代記』、そして五木寛之氏との対談集『おとな二人の午後』再読。

ゴシック・イングランドも楽しかったし、幻想のドイツにも遊んだ。
16年ぶりの夏休みは、けっこうな読書三昧で幸せでした。
…そして書籍代も、けっこうなことに、あわわわ。

* * * * *

ほとんど出歩かなかった夏ですが、琵琶湖は湖西の、白鬚神社に詣でました。

湖(うみ)に立つ鳥居を、じっと眺める。

090826_1153~01.jpg


訪れるのは3度目です。
琵琶湖と、その周辺の文化に魅せられて、6年になります。

* * * * *

さて。
今日で夏休みも終わりです。明日から始動。
新しい主題は、なかなかに手ごわい。

そうでなくっちゃ、です。


posted by K10 at 23:07| 日記

2009年09月03日

夏のおわりに

ご無沙汰しております。
お元気ですか。私は元気です。

* * * * *

まずは、『バロックコンサート〜爽やかな風にのせて〜』ご来場くださいました皆さまに、心より御礼申し上げます。

私が音楽家として、たどたどしい一歩を踏み出した頃、よくお世話になった、春日井の地。
ここで久しぶりに演奏できましたこと、しみじみと嬉しかったです。

本当にありがとうございました。

* * * * *

バッハを扉に、今夏こころはずっとヴェネツィアン・バロックに遊んでおりました。
関連書籍、論文にも多々出会え、実によい夏。

B.マルチェッロ『当世流行劇場』に、ワクワク。
ヴィヴァルディとは18世紀のキング・オブ・ポップだったのだ!
かたや、消えゆく宿命も色濃い貴族の音楽、マルチェッロ。
この対比こそ、ワタクシの趣味でございます。
(ちなみに演奏会当日、舞台でのアクセサリーは真珠とカメオをアリッタケ。かつてヴェネツィアで御法度だった装飾品をまとい気取ったヴェネツィアン・デカダンス。マルチェッロへの敬意をこめて、遊びも真剣です。)

この主題は、長く大切にしていきます。

* * * * *

演奏会の少し前、我が師 高須博先生より届いた包み。
(いつもながら、宛名や、簡潔なお便りの文字にも感動する。)
マルチェッロの曲を、ピアノ用に編曲した作品数点の楽譜だった。

なんという、師の愛!
嬉しくて、演奏会当日まるでお守りのように楽屋へも持って行った。

さっそく弾いてみる。
指と耳が感じたのは、編曲者のたしかな息吹だった。
そして、今更ながら、バッハへの思いがあらたまったのだった。

この8月、マルチェッロ兄弟の作品を演奏することに心も指も奪われていたが、それはバッハが残してくれた編曲によってだった。

トランスクリプションの、魅力のひとつ。
それは、層をなした音楽への愛だ。

愛、あるいは、まなざし、と言いかえてもいい。そこには実に様々な人間的感情が存在する。しかし、編曲者の意志には、原曲への愛情が、必ず含まれている。演奏者は、その愛情にも、重ねて心を寄せなければならない。そうしてはじめて、自らも真珠を成す層のひとつとなる準備ができる(そう、まだまだ準備だ)。

ブゾーニやバウアー。
読譜を待つ、ピアノに積まれた楽譜に、新しい心を注ぐ。

(右上《NEWS》欄にて、師の2009年公演情報および新譜情報を掲載しております。
 詳細はファンサイト『魔法使いの庭へ』
 ああ、今年も待ち遠しいロマン派の夜。)

* * * * *

夏休みも、あと1週間。
年表と地図を傍らに、塩野七生『海の都の物語』を読んで過ごす予定です。

季節の変わり目、皆さまどうぞお体お大切に。



posted by K10 at 23:24| 日記

2009年08月25日

鏡の間

甘美なるその音楽を巡って私の脳では、光があちこちで屈折、乱反射するように、思考が跳ね回っている。
ヴェネツィアのサロンから、ヴァイマルの宮廷へ。
湧き上がる、バロック的イマージュ。
その眩暈に耐え切れず、つい、言葉に頼りたくなってしまうのだ。


ただ、音に。
音楽に。


「あまりにも空疎だが、かぎりなく美しい。」
我がフランス語の師が、ある17世紀フランス・バロックの劇作品について語られた(それは電話ごしでも、まるでくちびるからこぼれる真珠だった)。


バッハが空疎などとは夢にも思わないのだが、光の乱反射のさなか、すべて突き抜けた果ての音楽という真空がふいに現れる、
現れるはずなのだ。


思いがけずバロックにたゆたう夏、そして夏はもう終わる。




posted by K10 at 00:52| 日記

2009年08月20日

ヴェネツィアに心は遊ぶ

月末30日に出演予定《バロックコンサート〜爽やかな風にのせて》(→NEXT CONCERT をご覧ください)。
演奏するバッハ・コンチェルトBWV.974の、原曲であるA.マルチェッロのオーボエ協奏曲にすっかり魅せられてしまった私の心は、ドイツから逃亡。
17世紀ヴェネツィアから、ちっとも戻ってこられない。

イタリア・バロック音楽については、昨年《MANTOVA〜イタリア音楽紀行〜》を開催した折、オペラの誕生にまつわるそのはじまりに、あれこれ想いを寄せたものだった。
が、…ずいぶん記憶が剥落していることにびっくり、がっかり。
どうりで、学生時代も勉強ができなかったことよ。

* * * * *

マルチェッロ兄弟は、17世紀ヴェネツィアの貴族の家柄に生まれ、ともに素晴らしい音楽作品を残していながら、あくまでも“ディレッタント”、つまり本職の音楽家ではなく趣味者、愛好家だと称していた。
これはこの時代珍しいことではなかったが、特に兄のアレッサンドロは語学、哲学、数学、美術、文芸等をすべて専門家なみにこなしたという。

あの甘美なるオーボエ協奏曲を作曲したのは、当時の理想的人間、万能の教養人であったのだ。

* * * * *

しかしバッハはこの作品を、同じ時に読譜したヴィヴァルディの作と思いこんでいたらしい。

そして世間も、長らくこれは弟ベネデット・マルチェロの作品だと信じていたのだ。
(ベネデット/著『当世流行劇場』を発注。早く読みたい。)

歴史はどんどん書きかえられる。
また、コンタリーニ写本級の発見があるといいなあ、わくわく。

* * * * *

17世紀初頭、時のローマ法王パウルスX世より聖務停止令を受けたヴェネツィアは、自主的倫理規制を出すことにより深刻な対立から逃れようとした。

その規制項目、「音楽つき上演と喜劇興業の中止」「豪華な品物の販売制限」「大道芸の禁止」「仮面の着用制限」などに交じって、「メノウ・カメオ・真珠の着用制限」というのを発見。

うむう、どれも大好きだから、この時代に生きていたらさぞやがっかりしただろうなあ、私(妄想激化)。

この倫理的自主規制は1635年に解除されたが、その間に蓄積された享楽への渇望は、オペラを中心とする音楽の爆発を呼ぶこととなった。

* * * * *

さらに、人々を刹那的な娯楽へ駆り立てたもうひとつの出来事は、1630年にヴェネツィアを襲ったペストだ。
この時のペスト禍で命を落とした人は、市内および近隣の町を含め9万人以上にのぼる。ああ、死の舞踏。
ヴェネツィア独特の頽廃的傾向、《stravaganza(奇妙な、風変りな)》な嗜好も、こうして濃縮されていく。

ヴェネツィアを襲ったペストの記述に促されて、『死者のいる中世』(小池寿子/著 みすず書房)を久しぶりに手に取った。

ヴェネツィアの夜。町の隅々に触手をのばす水路をわたるゴンドラのときおり水を打つ音だけが、潤んだ静寂を震わせる。肢体をどっぷりと海水に浸して、額や目、鼻、唇、胸や腹、膝、つま先、そして長く伸びた腕が波間にぽかりぽかりと浮いている。海にすっかり身を投げだした街は、水の恩恵をこうむるばかりでなく、水にもてあそばれ、絶えまない水の責苦に甘んじてきた。(P.177)


そうよね。サンミケーレには、きっときっと行かなくては。

* * * * *

…ここいらで、少し正気に戻ったワタクシ。

(ごめんなさいバッハ先生。練習します。)

posted by K10 at 01:43| 日記

2009年08月14日

幻影の城館

バッハ=マルチェッロのコンチェルト BWV.974 を弾き続けていると、ふいに、ヴェネツィアの幻が夕闇のように迫ってくる。

1713年28歳のバッハは、仕えていたヴァイマルの公子が留学先から持ち帰った膨大な数の楽譜から、当時最先端であったイタリアの音楽に出合い、大きな影響を受ける。
ヴィヴァルディ作曲『調和の霊感』の他、アレッサンドロ・マルチェロの「オーボエ協奏曲」、数々のイタリア協奏様式の作品は、バッハの手によりチェンバロ独奏用に編曲された。


バッハがみたであろう夢に、私は潜り込みたいのだ。

* * * * *

マルチェッロの名から、はっと思いだし、手に取ったM.ブリヨン『幻影の城館』。


…音楽堂は鎮まり返っている。ヴァイオリンはそれぞれバラのケースのなかで眠っている。クラヴサンのうえには、楽譜が一冊、開いたまま横ざまに置いてある。マルチェッロの曲だ。(p.241)


このマルチェッロは、アレッサンドロではなくベネディット。アレッサンドロの弟で、1686年ヴェネツィアの生まれ。兄弟ともに作曲家であり、貴族であった。

『幻影の城館』物語の舞台は、18世紀初頭独逸辺境とおぼしき、霧の濃い黒い森の中。
すべては幻。その幻のなかに、マルチェッロがいる。


私は鍵穴を見つけたような気持ち。けれど、鍵がまだない。

* * * * *


夕暮れの光に、私の音楽室の窓から、見慣れない山の影がずいぶんと近くに見えた。












posted by K10 at 20:09| 日記

2009年08月11日

夏休み日記

あっという間に、8月も10日過ぎてしまいました。
これでは日記になりません。

* * * * *

8日「ソレムコンサート」、終了いたしました。
ソプラノ鳥居玲子さんとともに、春から準備に入ったプログラムでしたが、しみじみ素晴らしい作品に出会わせていただいたと感謝しています。

舞台とは、まこと鏡のように特別な場所。
深く、体感した日でもありました。

ご来場いただきました皆さまに、心より御礼申し上げます。

* * * * *

子供たちが集まって、大好きな人の顔を粘土で造るお祭りに行く。
ご両親たちも一緒だが、ひとたび土をこねだしたら、大人も子供もないのです。
靴をぬぎすて素足で踏みしめる土の感触は、たぶん一生忘れない。
手のひらで叩く、足踏みをする、リズムが生まれる。
素晴らしいスピードでひとつの表情をつくるやたちまち壊し、また次の表情へと、何度も何度もくりかえす子。
様々な個性と勢いに、自然と笑みがこぼれる時間。

企画・運営をされた方々と、しばし歓談の時を頂くことができました。
「理想」とは、このように素敵な存在だったのだと、無垢に感じることができた日。

帰り道、琵琶湖を少し走った。
雨上がりの夕日に照らされた湖面は、絹のようでした。

* * * * *

友 mar から荷物が届いた。
ロンドン時代フラットで出会い、何重にも鍵のかかっていた私の心をたちまち開いた、おない年の不思議な子。
箱を開いたら、見たことないほど立派な桃がたっくさん!

kio「(tel.)ありがとう!ブログ読んでくれたの?」
mar「ごめーん、忙しくて最近よんでないの。」

…てっきり、少し前に桃のことを書いた日記を読んで送ってくれたのかと思ったら。
でも、彼女との間には、こんなテレパシーというか「偶然の一致」は、これまでにも何回もあった。そういう間柄。

桃と、もっともっとまたさらに嬉しいニュースも一緒だった。
本当におめでとう!!!!! 毎日いのってるからね☆☆☆

* * * * *

充実の夏休みです。


posted by K10 at 00:04| 日記

2009年07月31日

夏時間

前期の仕事が終わり、昨日から夏休み。夏時間です。
16年ぶりの、夏休み。
…いい響きです。

* * * * *

休みに入ってすぐ、5年ぶり人間ドックを受診。
なぜか身長が伸びていて、視力もよくなっていた。
聴力は基本的に相当いいのだけれど、左の一部だけ聞こえが悪い。
ロンドン遊学中にひいた風邪が原因で、たぶんもう治らない。
(日常ならびに演奏には全く支障がない範囲です。)

その数値を見ていたら、またもよみがえるロンドンの日々。
最近、ロンドンのことばかり思い出す。

* * * * *

『バッハの四季〜ドイツ音楽歳時記』 樋口隆一:著 平凡社
を読んでいたら、聖ヴァレンタインデーについての記述に会う。
R.シュトラウス『オフィーリアの3つの歌』 第2曲とリンク。

よろしければ、資料室へ。

(例によってモジモリモリのダラ書き長文アシカラズ)

* * * * *

夏でもよく食べる鍋。
タンパク質も野菜もグングン摂れます。

昨年、私の本気の青春の店であり、本番前の大切な栄養補給地であったアジアン・レストラン「XIAN」が閉店。
(ショックが大きすぎて、ブログにも書けませんでした…。)

試行錯誤の上、かなりイイ感じの「タイ鍋」を自宅にて再現。
がんばりました。

すぐに食が細くなってしまう私ですが、アジア料理は実にしっかり食べられます。

ちなみに我が家には、おピアノ様のいる音楽室にしかエアコンがありません。
扇風機をブンブン回して、汗をガンガンかきながら食べます。

* * * * *

さあ、夏。
音と文字と絵にまみれたい気分です。
posted by K10 at 19:03| 日記

2009年07月24日

それはいつのこと

R.シュトラウスの歌曲『3つのオフィーリアの歌』、
第1曲目「ほんとうの恋人を見分けるしるしは?」。

歌っているのは(作品世界の時間は)、いつなのだろう。

原典であるシェイクスピア『ハムレット』のなかでは、第4幕 第5場。
オフィーリアはハムレットに裏切られ、父を殺されたショックで発狂する。
戯曲で、この場面の時間は特に示されていない。

ここでオフィーリアによって語られるセリフをドイツ語訳したものが、この歌曲作品の歌詞となっている。

オフィーリアは狂ってしまったから、もう時間の感覚はないはず。
私はこの作品に「黄昏時・逢魔刻」のイメージを持っている。
それは現実の「夕方」ではなく、くすんだ乳白の光に閉じ込められたような世界。オフィーリアの精神世界に引きずりこまれる。
この後、オフィーリアが水に引きずりこまれたように。

むろん、狂気には昼も夜もある、ただ巡らないだけだ。
時は、弾かれた玉のように行方が知れない。

その「非現実」の霊魂を、なんとしても勧請しなければならないのですが。


…難しいよぅ。

* * *

この機会に『ハムレット』を2冊読みました。
福田恆在/訳の新潮文庫と、河合祥一郎/訳の新訳、角川文庫。
好みはさておき、その違いは大変に興味深く楽しい。

そして何より、物語そのものの持つ素晴らしさよ。
幕切れへの急激なクレッシェンド、そしてカタルシス!

文学のある星に生まれて、しみじみよかった。

* * *

話は横道にそれますが。
『ハムレット』にまつわるドビュッシーの話が好きです。
1887年、少しずつ知名度が上がってきていたドビュッシー(25歳)に、あるインタビューの依頼が来た。

「好きな作家は? フローベール、エドガー・ポー。
 好きな詩人は? ボードレール。
 好きな画家は? ボッティチェリ、モロー。
 好きな作曲家は? パレストリーナ、バッハ、ワーグナー。
 好きなヒーローは? ハムレット。
 好きなヒロインは? ロザリンド。」

…このアンケートは、ドビュッシーの美意識が世紀末の風潮をそのまま反映していたことを示している。
…ドラクロワの描く「女のような白い手をした、まったく繊細で蒼ざめたハムレット」(ボードレール)も、世紀末の典型的なヒーロー像だった。

『ドビュッシー 想念のエクトプラズム』青柳いづみこ/著より


そうさなあ、私にとってのハムレットも、ドビュッシーの持っていた「蒼ざめた」イメージに、近いように思うなあ。

hamlet.jpg  mi-ophe.jpg

しかし、昨今はこのような「ロマン派によって歪曲されたハムレット像」を正し、シェイクスピアの原典に帰ろうという流れが主流のようです。

ハムレットは、実は太っていたらしい、などなど。

ふむふむ。
逃避には事欠きません、まったく。

* * * * *

余談。突然ですが、食べ物の話。
今夏は桃ばかり食べています。
私にとって決して手頃な値段とはいえないのですが、今やお酒も煙草も嗜まないワタクシ、季節のくだものくらいは贅沢したい。
普段は、スーパーで手に入れていました。

ところが先日、我が地元の「道の駅」にて購入した桃。
そこは近隣の農家さんと提携していて、その桃も生産者のお名前が記された地元産の桃でした。
小ぶりで少し硬めですが、お値段はスーパーの半額以下。
帰ってから包丁を入れてみて、びっくり。

たちのぼる、香りが全然違う。
まるで花の香のような。芳しい、とはまさにこのこと。
甘さも、香りの気品にふさわしい感じで、うっとりするような味。

神様の果物と言われるのも、ここで納得しました。
日頃から、地元の野菜には一目置いておりましたが、益々ファンに。
新鮮で美味しい野菜や果物をたくさん摂って、元気に夏を乗り切りたいものです。

* * * * *

大好きな美術家さんの、大切な猫が帰ってきた。
最近、いちばん嬉しかったことです。

posted by K10 at 02:07| 日記

2009年07月16日

光の空

楽譜と本。
体が疲れていて、楽譜だって本だって、ちっとも集中して読み続けることができないのだけれど、それでも、これらを常に抱えていることで私を保っているような気がします。
でも、なんだかそこに逃げ込んでしまっているような気もします。
これは、いけない。

重い出来事に向き合っている私の大切なひとたちに、心底からの優しい気持ちを手渡したいと思うのだけれど、声が出ません。
ここで、素直になぜなれない。

どうにも、一方通行ですらないんだなあ。
悲しいかな、これがそのまま、今の私の音楽なんだろう。
そして、音楽と自分を引き離さなければならないのですが、
どうも、うまくいきません。

夜中、机のまわりを片付けてみた。
音楽辞典の隣には、高田博厚の作品集とバッハ関連の文庫が数冊。

* * * * *

何か、扉が開いたような感覚。
レッスンのなかで、生徒たちがそれを感じてくれたらこんなに嬉しいことはないのだけれど、それは狙ったり力んだりしては決して訪れないのです。
1回1回が、かけがえのない時間。
レッスンとは、与えることではなくてよく聴くこと。
それを絶対に忘れてはいけない。

* * * * *

先日、学生時代からの友と出かけたライブの帰り、懐かしいダブのビートに浮かれた心で転がり込んだラーメン屋で撮ったふたりの写真には、びっくりするほど素敵な空気と時間が写り込んでいて感動。

* * * * *

若い時、坂口安吾の『私は海をだきしめてゐたい』を好きだったと、ある人がおいしそうにお酒をのみながら話してくれました。

あの、海のうねり、か。
「やにはに起つた波が海をかくし、空の半分をかくしたやうな、暗い、大きなうねり」

その人は、あの波を、近ごろ感じることができるように思う、という。


* * * * *

毎日〃、瞬間〃、結局自分じゃなんにも決めていない気がします。
私の大切なひとたちが、それぞれに生きている気配、そして時々重なる軌跡(時間)、それに、どれほどに影響を受け、どれほどに助けられているのだろう。

どうか、偽善からいちばん遠いものを。


今日の黄昏、逢魔刻の空は、空そのものが光っていた。
あの空のような心を、どうか、いつの日か私も、持つことができますように。


posted by K10 at 01:29| 日記

2009年07月05日

友よ

ドイツから一時帰国した友と、15年ぶりに共演。
その声は圧倒的な深みと、優しい詩を蓄えていた。

彼女の日々の暮らしこそ、そのまんま芸術なんだ。
コンサート最後の曲を、ストレートにアカペラで歌う。
さらさらと美しい彼女の髪がほつれてかかる横顔を見ながら、私は少し泣きそうだった。

彼女には、真の意味で虚飾が一切ない。
虚飾だらけの文章で綴るのも恥ずかしいが、夜はずっとそのことを考えていた。

* * * * *

高田博厚の著作が積まれた枕元。
私には難しすぎてさっぱりわからないけれど、なぜか癒される。

著作集1巻『フランスから』、高田が手紙のなか、親友に「方山。」と呼びかけるたび、今は胸が熱くなる。

* * * * *

共演の彼女がくれたメッセージ・カードに、そっとユーロ紙幣がしのばせてあった。

「ヨーロッパ上陸の際、タクシー代にでも使ってね。」

なんの変哲もないユーロ紙幣が、美しい吊り橋のように感じられた。吊り橋は旅路。それは果てしなく長く、先は霧のなかに溶け込んでいる。

そう。あなたと、話したいことがたくさんある。
あなたに、聞きたいことがたくさんある。

本当にありがとう。
ハレまで、あなたに会いにいくね。









posted by K10 at 05:48| 日記

2009年07月02日

永遠ではない

Tokyo No.1 Soul Set のライブに行く。
ものすごく久しぶりな名古屋クワトロ。
ライブハウスは、やっぱりいいなあ。

大好きなサウンドに身をまかせていて浮かんだのは、「生きのびた」の感覚。
彼らの音をはじめて聴いた日から、もう15年近く経つ。
あれから、この日まで、私も彼らも、生きのびたんだなあ。
大袈裟なことではないけれど、でも、すごいことだよ。
いったい、どれだけの感謝をどこに放てばよいのか。

「またね」の言葉は、軽やかなのにね。
このキラキラとした時間は永遠ではない。
その、どうしようもない愛おしさよ。

* * * * *

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 を観にいく。

…そういえば、エヴァも95年か。

観終わって、ものすごい疲労感に襲われる。映画館のイスに沈む。
よくぞ、よくぞ、本当によく作るなあ。
(個人的には、疾走するエヴァ3機に心を持っていかれました)
ロマンティック、大賛成です。見届けます。

* * * * *

またひとつ星が消えた。
2009年6月30日、ピナ・バウシュ永眠。

1999年『ダンソン』、2002年『炎のマズルカ』、2004年『バンドネオン』、2006年『カフェ・ミュラー』、『春の祭典』。
この5作品に出会えたことは、私の大切な宝。

一層深い記憶。
幼いころ観たテレビで、薄絹をまとった長い髪の女性が、眉間に皺をよせて、風に揺れる柳のように踊っていた。男の人が木の椅子を「ガタン!ガタン!」と音をたてて動かしていた。
それはピナの『カフェ・ミュラー』だと、あとでわかったこと。
おそらく初来日時のテレビ放映で、ならば1986年。私はもう幼くはなかったはず。けれど、本当に感動した記憶は、なぜか、4歳くらいの私の瞳に映った光景として記憶される。

白い白い、エクトプラズムのようなあの踊は、私のお終いまでずっと、私の網膜にあるだろう。
…そうか。それは私という小さな宇宙の永遠だ。
『ダンソン』での、ピナを真似してゆっくりと手を振る。

ありがとう。さようなら。どうぞ安らかに。


* * * * *

毎日、何かが起こる。
変わらず、ピアノの前に座る。それしかないよ。


posted by K10 at 06:34| 日記

2009年06月18日

つみかさなっていく時

「バッハってね。私にとって、なんだか不思議な人なんだ。」

レッスンを終えた生徒さんが、何気なく言った言葉。
しみじみと、しあわせな思いが胸にひろがりました。

彼女はバッハを、温かく血の通った人間として確かに感じている。
私が気づくのにずいぶん遠回りした感覚を、彼女はもうつかんでいる。

「音楽って、楽譜のことじゃないみたい。
 音楽って、練習のことでもないみたい。
 じゃあ、音楽ってなんだろう。」

コンクールや競争とは、一切無縁のレッスンでした。
それは私の、ピアノ教師として力の足りない部分でもあります。
ただ、その時その時向き合う作品に、ちゃんと心を寄せること。
そんなレッスンの時を積み重ねてきて、彼女とはもう、10年になります。

ありがとう。
これからも、また涙の浮かぶようなピアノを聴かせてください。
私も、伝えられる全てを、大切に手渡していきたいと思います。

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posted by K10 at 01:57| 日記

2009年06月11日

ドッペルゲンガーのように

R.シュトラウス《3つのオフィーリアの詩》。
作品への興味がどんどん強くなる。

狂気のただなかに放り出されたオフィーリアの詩をうたうソプラノは、実体。
ピアノは、彼女の世界を増幅させる(真鍮が鈍く光る巨大な拡大鏡)。
不規則な呼吸や、瞳孔の開きを増幅させる。
まくしたてられる、うわ言の火花を増幅させる。
水に引き寄せられていく、死に引き寄せられていくその足取りを増幅する。

そしてピアノがうむ音世界には、オフィーリアのドッペルゲンガーがいる。

* * * * *

昨夜みた映画のなかで、降りしきるスコールの雨音と、梅雨入りしたばかりの現実の雨音が重なって、それはよい音だった。




posted by K10 at 23:07| 日記

2009年06月02日

脳内庭仕事

プログラム・ビルディングは、何よりもまず直感です。
直感を支えるのは、つれづれ重ねる思案。
理論は自然に、後からついてきます。

その作業を、最近、庭仕事にスライドして考えるのが好きです。

* * * * *

いつもいつも、プログラムの種を育てている。
小さな私の庭に、やわらかく鍬を入れている。
ほんの思いつきも、そのままぽんと放り込む。
あちこちにつくる花壇。
でも、種は風に飛ばされて、思わぬ所で花を咲かせる。
すぐに芽をだす種もあれば、何年もじっとしている種もある。
のんびりとしたその脳内庭仕事の時間は、そうだなあ、最近生活が変わってだいぶ短くなったから、一日だいたい12時間くらい?
前は20時間くらいだった。
夢のなかでも、庭にいるからね。
庭にいることが、私にとって一番自然。
でも、セッセト野良シゴト、ではなく、コロリコロゲタ木ノ根ッコ、サア寝テ待トカ、なぐうたらぶり。
小さな庭なのだけれど、ここ数年で、少しだけ広くなった。

ある日突然、天にむかって柱が立ち上がる。
それは、私の背骨。
発芽した緑が、美しく柱を覆い始める。
プログラムが覚醒する瞬間。

その瞬間、のためだけに生きてもいい。
そんな風に思うことも、ある。




posted by K10 at 00:12| 日記

2009年05月27日

きざし

フーガを練習していて、どうやら道に迷ってしまったようで、なんだか途方にくれてしまったのだった。

ちょうど週末で、夫がいた。めったにないことだが、一度聴いてくれないかと頼んだら、いいよ、と音楽室に来てくれた。

それなりに集中して弾いた。
直後、彼がぽつりとこぼした言葉に、たちまち霧がはれて、私の胸のうちに、白と黒の巨大な大理石のイメージが湧き上がってきた。
夏にむけて、そして来年にむけて。

さあ。ひとつ、迷いは消えた。

そのあと私は落ち着いて練習を続け、彼は音楽室に収められている本やアルバムをめくって過ごしていた。

ありがとう。

* * * * *

私はいつも、私自身のなかにある私自身の砂場にうずくまり、下をむいて髪で顔を隠し、指で砂に絵をかくような過ごし方をしてきたのではないか。
無論そのことに、うしろめたさはない。
出会えなかった世界はものすごくたくさんあるだろうが、そうして過ごさなければ感じられない繊細な喜びがあることを、私は少しずつ知った。これからもまた、少しずつ知るだろう。

だが近頃、扉が開いているのだ、少し離れたところで。

私が表したいと願いその実現のために生きている、音とともに立ち上がるあの世界は、私だけで守るものではないのだと、ようやく気づいたのだった。

私はいま顔をあげている。
夕暮れ時の少し前のような、柔らかな光に包まれたこちらから、見ると扉のむこうは大きな動物の喉の奥のように、赤黒い。
生暖かい風も感じる。
けれど私は、扉のむこうを見ようとしている。
出て行っても、いいかな、と思っている。

いつもなかなかに動けない私が、この度はどうするのだろう。
ひとり、ではない創造に気づいた私は、どうするのだろう。




posted by K10 at 23:58| 日記

2009年05月24日

お祝いに

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愛知県立明和高等学校音楽科時代からの大切な友人で
ソプラノ歌手の長澤雅恵さんが、このたび
素敵なサロンを立ち上げられた。

☆サロン・ミオン http://mion-m.jp/

今日は、そのオープニング・パーティー。
親しい音楽家たちが集まり、音楽のプレゼントを。
私もお祝いの気持ちをこめて、スカルラッティの
『猫のフーガ』を演奏した。
長澤さんが動物を大好きなことと、サロン・ミオンの
近くに「猫」の文字を持つ道があったので。

サロン・ミオンが、これからも素晴らしい文化の交差点
となり、ますます発展していきますように!

おめでとう☆☆☆





posted by K10 at 22:57| 日記

2009年05月21日

日々

気がついたら、前回の綴りから10日も過ぎていた。
日々の重量は結構なものなのに、足も速いなあ。

* * * * *

オフィーリアの歌曲。
たゆたう冷たい水をイメージして弾いていたのだが、
それでは、歌と融け合う「歌曲」にならないことに
気づかされる。

がーん。

ここに水を感じることは決して間違いではないが、
まず、音楽を重なりあい豊かで大きな存在としてとらえる、
その力強さが、今、私に一番不足している。

* * * * *

春の連休に旅をしなかったら、調子がでない、とか?
…むりやり、行っちゃおうかなあ。

(机の脇には、和歌山県の地図が広げられております)

* * * * *

親愛なるお友達 poppa ちゃんがプレゼントしてくれた
Tokyo no.1 soul set の新譜。

ありがとう!ありがとう!ありがとう!

大人であることに、胸をはれる。
これは、本当に素敵なことだなあ。


posted by K10 at 06:15| 日記

2009年05月10日

連休に(2)

R.シュトラウスの歌曲『3つのオフィーリアの歌』より

第1曲目「どうしたら本当の恋人を」


 どうしたら私はほんとの恋人を 
 ほかの人から見分けられるかしら
 目印は貝殻のついた帽子 ステッキとサンダル
 
 死んでしまったのよ お嬢さん
 あの人は とうに死んでしまった

 おつむの上には緑の草 あんよの上にはお墓の石
 おお!

 雪のように白いあの人の屍衣の上で
 可愛いたくさんのお花が泣いている
 お花はお墓へお供していったわ
 ああ!

 愛の涙の雨に濡れて

* * * * *

「尼寺へ行け!」の言葉に発狂したオフィーリア。
ここで歌われる場では、まだ、水に入っていない。

(ミレーの描くあの夢のようなオフィーリアの、少し時計を巻き戻した姿で)


でも、ピアノによる前奏部分を弾いていて浮かんだのは、青柳いづみこ氏の著作『水の音楽〜オンディーヌとメリザンド』からの一節。


…水は、いつも冷たく透明で、白い腹をみせて浮く死んだ魚を消化する間ですら透明であり、底に何を隠すも何食わぬ顔をして、いつも同じリズムで呼吸している。(p.239)



オフィーリアの魂は、体から離れ始めている。
すでに、彼女のまわりには、暗い水がたゆたっているのだ。

限りなく透明で、同じリズムで呼吸する。
けれど、目には見えぬ、暗い暗い水が。

* * * * *

フーガの曲線を丁寧に追っていたら、ふと教会のアーチが見たくなって本棚探索。


『フランスのロマネスク教会』
櫻井義夫/文 堀内広治/写真 鹿島出版会


フランスらしいフランスを体験するためには、パリを出て田舎へ行こう。そして、そこに必ずあるものは美しい自然とロマネスク起源の教会である。(p.10)


ロマネスク教会を見に行こう、の言葉に誘われて、ブルゴーニュ、オーヴェルニュ、プロヴァンス。
ランドックとルシヨン、アキテーヌ、ペリゴールとケルシー、ポワトー、ブルターニュ、そしてロワール。

様々な彫刻の美しさには、息をのむばかり。
聖の力強さと、同じだけの魔の力を秘めた柱の数々。
無骨な石積みの天井に開けられた、見たことないよな不思議な星型の天窓。


ああ、脳内フランスの旅。



…あれ。練習は?


posted by K10 at 23:32| 日記

2009年04月30日

ラブリー・ニュース

ご無沙汰しております。
今年も藤はきれいだし、春の空の水色は素敵。

そんな季節に、嬉しいニュースが!

我が師マエストロ高須 博の、ニュー・アルバムが発売されます!

☆ファンサイト:『魔法使いの庭へ』

* * * * *

☆第1弾 『リスト/超絶技巧オペラファンタジー/高須博』 
 PRCC-0001 

 2009年9月16日発売

 2200円(税込)


☆第2弾 『タールベルク/超絶技巧オペラファンタジー/高須博』
 PRCC-0002 

 2009年10月7日発売

 2200円(税込)


レーベル:PARTENZA RECORDS(パルテンツァレコード)
     ※サイト作成中

ディストリビューション:VIVID SOUNDS(ヴィヴィド・サウンド)

* * * * *

ロマン派とはなにか。
探るきっかけとなったのが、師マエストロ高須博との出会いでした。
その演奏に初めて接した時の、雷に打たれたような心持は、10年以上たった今も薄れることなく胸にあります。
ピアノという楽器が、人々の生きる情動を伝え、揺り動かし、その共有を掌っていた19世紀ロマン派の時代。
師の演奏には、かの時代の熱と息吹が宿っています。


全国のCDショップで予約・注文・購入できるそうです。
アマゾンジャパンでも購入可能。







posted by K10 at 03:07| 日記

2009年04月27日

フーガの空

私に許された時間のなかで、表現すると決めた主題には、その実現のために、おおよそ2年をかけて準備する。
主題の核は、手繰り寄せると深く深く、子供の頃から私のなかに眠っていた種であることが多い。
2008年末から手掛けはじめ、来年にむけて育てている主題の種には、とてもきっぱりと名前がついた。
その魂はたしかに、力強く脈を打っている。
が、本性をなかなか現そうとせず、名付け親のはずの私が少々途方にくれている。

…手こずらされるのは、嫌いじゃないなあ。

* * * * *

バッハとスカルラッティのフーガを弾く。
対位法で書かれた音楽に対して、私はこれまで、ラインばかりに気を取られていたようだ。
走るメロディたちが描き出したのは3次元、いや、4次元の空。
私の脳に、仄明るく、ずっと知らないで過ごしてきた窓が開いていた。

* * * * *

美術家 AKIRIKA さんの書く、リトルネロの想念。
虹色が、私の灰色の窓辺にふりかかる。

(そろそろ、彼女の作品につつまれなくては)

* * * * *

今年私に訪れた多忙とは、音楽家として新しい活動の場を与えられたことに他ならない。
楽しくて、しかたがないのだ。
だからこそ、細々ながらこれまで耕してきた土壌にも、より一層丹精込めて、鍬をいれていきたい。

ピアノ中毒。なんて素晴らしい世界だろう。








posted by K10 at 02:01| 日記

2009年04月13日

新学期

ご無沙汰しております。

* * * * *

新しい仕事にて、教材として使う『バイエル』。
私は子供の頃から、バイエルを勉強したことがありませんでした。
だから、これはいい機会とじっくり読んでみる。

…なかなか、面白いではないか♪
というか、面白く弾くことは十分にできる、と感じました。
チェルニー氏が推奨しているのも、納得。

進路を理解したかったので、全106曲を表にまとめてみる。
今後も少しずつ手を入れていく予定。
これを丁寧に、伝えていきたいと思います。

* * * * *

意外と変化に弱いワタクシ。
4月スタートの生活は、いやはや何年ぶり?
まだ生活のリズムをつかめず、更新の間隔がこれまで以上に開くかもしれません。
しかし、更新できなかったこの3月末から4月上旬、素敵なことは、たくさんたくさんありました。

時間的にあちこち前後するかと思いますが、少しずつまとめていきたいと思っています。

今年度も、どうぞよろしくお願いいたします。
posted by K10 at 00:09| 日記

2009年03月27日

なんだかなな

気がつけば3月もあと少し。
なんだか目がまわる。

* * * * *

R.シュトラウス『3つのオフィーリアの歌』を勉強中。
リートの伴奏は本当にどきどきする。
滲むような転調にたゆたうオフィーリアよ。
春の光のなか、運転しながら『4つの最後の歌』を流したら、意識があらぬ世界へ持っていかれてしまいそうになり慌てて消した。
車で音楽を聴くのは、やはり、大変に危険。

8月のコンサートまでじっくりと。

* * * * *

かつてフランス語を学んだ親愛なる師と会食。
全くなんの取り決めもないけれど、1年に一度お会いしてつれづれお話することが、私の大切な約束の時間となりつつある。
来月からはじまる新しい仕事について、様々な助言を頂く。

敬意の思いを、静かな波動にのせたいと思うが難しい。

* * * * *

あれこれ試しているメトード。
体も心も、準備体操はとても大切なのだと、フィギア・スケートの番組を見ながら思った。
しかしリトル・ピシュナもまともに弾けない自分に愕然。
本物のパンク・ピアニストだわ、自分。

* * * * *

軽い気持ちでディオニュソスの扉をノックしたら、中からニーチェやらシュタイナーやらワーッと出てきてしまって、その中にはゲーテもシラーもいて、狭い狭い私のワンルームはもういっぱい。
扉を閉めようとしたけど後の祭りだし。
現実の部屋と、頭の中は、同じ状態になります。
…ああ、整理整頓お掃除。

* * * * *

なんとか週2回は行きたい水泳だが、週1がせいいっぱい。
それでも、水のなかに体を沈めるのは素晴らしい感覚。
泳ぎはじめの、壁をける瞬間から水をかく瞬間まで、ここで、うまく水に体を馴染ませることに集中している。
私は体が浮いてしまうのだ。
泳ぎ終わりの、プールサイドに指をかける瞬間の感じは、初めての時と変わらず、今もとても好きだ。

* * * * *

ああ、そういえば、A.ワイエスを観にいったのも3月だった。
私にとり親密な感覚にあるその作品から、2009年の今うけた様々な思いを、とうとう言葉にできず、日は過ぎてしまった。

あれもこれもと気持ちばかり焦り、やらなければならないことと、やるべきことと、やらなくてもいいことの区別がぐちゃぐちゃになる。
突然、餃子を皮から作りだしたり、夜中に卵5個使って巨大プリンを焼いたりした。
そしてどちらも、がんばって作ったわりにはあんまり美味しくできなかったのが、今年の私の3月。










posted by K10 at 23:54| 日記

2009年03月18日

あそぶ

川端康成コレクション展

最終日にかけこむ。

以前、絵画・美術品のコレクターにお会いしたことがあった。
その燃え盛る石炭のような眼に、ひどく胸が騒いだことを思い出した。

実に心躍る展覧会でした。
会場にゆらゆらと立ち込める様々な情念の、なんと心地よいこと。
背筋も伸びる。

ものすごく高い空のような、止まって見えるほどの猛スピードのような精神が、じいっと眼をむいて向き合った存在たち。
真に遊ぶということの激しさよ。

これを観て読む川端作品は、また味わい深かろう。
何から読もうかな。


* * * * *

『John Zorn's COBRA 名古屋作戦 今池部隊』(3/15 at TOKUZO)

コブラとはアメリカの作曲家、サックスプレイヤーの John Zorn が考案した即興演奏(自由な演奏)による、音楽システムでありゲームである。
続きを読む
posted by K10 at 00:24| 日記

2009年03月11日

気分

♪BEVERLY KENNEY : sings for PLAYBOYS

090312_0902~01.jpg

1957年、58年の録音。
この春のお気に入りアルバム。

歌とピアノとベース、シンプルなトリオによるスウィング・ジャズ。
タイトルにならって、お出かけ前、お化粧をする時に流すのが良いように思われます。
デートの前なら、言うことなし。

* * * * *

「やりたいこと」こそ、「やらなければならないこと」。
これをしっかり胸に刻めば、その逆もまた真なり。
浮草のように過ごした日々も、ここに至るためにとても大切な時間だったと、素直に思えるようになった。

40を目前にする努力は、10代20代でする努力とは質が違う。
3倍大変、でも、1.5倍くらいは賢くなっている(はず)。

束縛を何より嫌っていた私の腹が、イマサラ座ってきている。
言うまでもないことながら、本当に、あとは弾くだけ。

* * * * *

『モーツァルト 幼年時代の作品集・ロンドンの楽譜帳』
生徒のために教材を選んでいて見つけた。
5歳から10歳未満の、モーツァルトの作品が収められている。

ロココの天使たちへ思いを馳せながら、つい、私が夢中に。
(以前に書いた記事ですが、よろしければ資料室へどうぞ)

* * * * *

毎年、「いつもと違う春」を思う。
今年も。














posted by K10 at 00:38| 日記

2009年03月03日

鍵盤から真珠

ピアノを弾く人ならば、タイトルから想像がつくかもしれない。

つまり自分の弾くスケール(音階)が気に入らなかった。
演奏する楽曲のなかで成功していればいいんだと、長いこと知らん顔して逃げてきたけれど、2009年はテクニック再考の年。年頭よりアラフォーにしてあれこれ、メトードなどにも挑戦している。

生徒たちの存在も、テクニック再考のきっかけとして重要だった。
彼女たちに、とびきり綺麗なスケールを聞かせてあげたいと思ったのだ。
まるで、ウンディーネの首飾りのような。


…と、ウンディーネが濡れた腕を引き上げる。見るとその手には、まばゆいばかりの珊瑚の首飾りが乗せられていた。

『ウンディーネ』M.フーケー作 アーサー・ラッカム絵 新書館


…この贈物を見つけた喜びは大きく、またアンナが一番最後になって自分の首に、美しい見事な真珠の首飾りがかかっているのに気づいたときも同じように大喜びでした。それがどうして自分の首にかかっているのかアンナはわかりませんでしたが、お母さんのエルスベートが、多分ヴァッサーレーベン夫人の贈物でしょう、と言ったのはあながち見当違いではなかったでしょう。

※ヴァッサーレーベン:「水の生」の意

『別れの宴』コンテッサ作 ドイツ・ロマン派全集第8巻より 国書刊行会



まずは全24調、様々な色彩や大きさ、質感をもつ首飾り。
それはもちろん、私自身の喜びのためでもある。

posted by K10 at 01:14| 日記

2009年02月17日

気になるあの子

溝渕美穂イラストレーション展
──すじがきがないわけでもないけどない

2009 . 2 . 6 fri → 2 . 25 wed
open 8:00 〜 18:00
close 木曜・第3水曜
Café petale


とても天気の良い春めいた午後、久しぶりに母とでかける。

溝渕さんは、大学の先輩にあたるイラストレーター。
昨年の展覧会も拝見、カレンダーもお気に入りでした。

今回は、またなんと美しく整えられた作品だろうとうっとりした。
いったい、どれだけ研磨したのだろう。
これは私の個人的な感想にすぎないのだけれど、
生み出すために心を砕いた、眼には見えない研磨の気配に、
しみじみしたのだった。
でも、そんな教訓じみたことは画面にはあらわれてなくて、
詩的なタイトルとあいまってふわりと、美しい。
この感覚はきっと、原画だからこそ。

会場にいるとき、一番好きだった絵があった。
帰宅後、ピアノを弾きながらふと、別の絵のことが思い出された。
こんなふうに、時間差でノックする子もいる。
…気になる。

Café petaleさんは、愛知県知立市の閑静な住宅街のなかにある素敵なお店です。
この日いただいたランチ、またとびきり美味しく。
他にもナイスなメニューがたくさんあるそうなので、気になるあの子に会いに、また近々行く予定です。

お友達と、朝デートしたいな。







posted by K10 at 23:19| 日記

2009年02月15日

泳ぎました。

泳いでみようかしら、と思ったとたん、どうにも水に入りたくなって困った。
が、最後に泳いだのは干支を一回り以上昔のはなし。
もう、水着もない。
うずうずと日曜の午前中を過ごし、昼下がりとうとう読みかけの楽譜を放り出して、郊外のスポーツ用品店へ走る。
デザインも無視。そもそもサイズが合う水着など選ぶほどない。
ただ、泳がなくなった12年以上の間に「これは便利になったな」と思ったのが、度入りのゴーグル。前にもあったのかもしれないけれど、私は知らなかった。近眼には、実に有難い。

帰宅するやタオルをひっつかみ、家から一番近い区立のスポーツセンターに向かう。
ぼさぼさの長髪をキャップに押し込み、プールへ。
ふと、不安になる。泳げないんじゃないかしら。

スロープを使ってゆっくりと水に入り、最初の5分は、歩行専用スペースで歩くことにした。水の中、思ったより体はスムーズに動く。
程良く体が緩んだところで、泳ぎだした。

不安は、あまり必要なかったらしい。
その後は、もう楽しくって気持ちよくって実にハッピーだった。
平泳ぎとクロール、歩行を適当に繰り返しながら約1時間。途中、規定で決められた5分の休憩以外は一度も水から上がらなかった。

水底の青いラインに沿って、真っ直ぐに壁を蹴る。
指先、つま先をよく意識して、水に浮き過ぎないように気をつけながら、推進してゆく。
向こうの壁が近づいたら、泳ぎ終わりを充分に感じて手を伸ばし、プールサイドに指をかける(この、指をかける瞬間が好き)。

5時少し前、夕日が室内に入って水が少しオレンジ色になった。
最高。

プールが閉まる30分前にあがり、軽くシャワーを浴びてさっさと帰る。何せ近いので、家に帰ってからゆっくりお風呂に入ればいい。

異様にお腹がすくかと思いきや、いつもどおりの食欲。
ただ、気持ちは実に晴れやかだった。
私に泳ぐことを一番躊躇させていたあの塩素の匂いも、今日はなぜかほとんど気にならなかった。
たぶん、うまく、そういうタイミングに乗れたんだろう。

今夜ゆらゆらした水底の夢を見られたらいいなと、とても日記らしい日記を書きながら思う。









posted by K10 at 23:40| 日記

2009年02月13日

また春の話ですが

おととい休日の朝、ラジオから流れてきたのは

♪SUNDAYS : reading,writing and arithmetic 〜 skin & bones

毎年「今日から春!」と私が決めた(ここ大事)日のドライブで、かけることにしているアルバムの、第1曲目。ちなみに、去年は2月29日だった。
http://landing.sblo.jp/article/11638318.html

心の暦の春は、先日訪れたばかり。
でも、それとこれとは別の話で、SUNDAYS をかけるのは、きらきらの空に私のスイッチが入る「光の春」。
それはまだのはずだったのに。
…なんだか強制的に、カーテンを突然替えられたみたいに、「春」にされてしまった感じも、なくはない、のですが。

ま、いいとしましょう。やっぱり、大好きな曲。
こんなのも悪くない。

* * * * *

そのせい、というわけではないけれど。
今日は自転車に乗って出かけました。チリン、チリン♪

穏やかに晴れた昼下がり。
日のあるうちは、コートが邪魔なほど。
(まだ2月も半ばだというのに)

風を切って走りながら、ずいぶん久しぶりに、体の隅々まで血液が行き渡たる感覚を味わう。
むかった図書館では、いつもとは違う集中力があった(ような気がする)。
なかなか仲良くできないモーツァルトのスコアも、ペダルを漕ぐように、ぐいぐいと読み進められた(ような気がする)。


…久しぶりに、泳いでみようかしら。


posted by K10 at 00:01| 日記

2009年02月09日

私的立春

心のカレンダーが、これからいよいよ本当に新しくなる。

個人的に2006年から取組んできたアイデアの輪を、ひとつ閉じた。
もちろん「お終い」ではない。
まだまだ愛情熱く、これからも学び育て続けていく。

けれど、ずっとここにはいられないし。

…なんて、意味深でしょうか笑。
もちろん、音楽の話です。
ちょっと、さすらい人みたいですか。

昨年の秋以降、誠に僭越、恐縮ながら、いただく演奏のお仕事を少しセーブさせて頂きました。
2009年は、吸収の年です。
これまでに経験のない、新しい世界にも飛び込みます。
次なる主題にむかい、しっかりと楽譜を読み、本を読み、これまで以上に深く、ピアノと向き合う年とします。

  その楽譜の山と、音符で真っ黒にみえるページを前にして、
  …今日すでにちょっとビビりましたが。

遅ればせながら、私的立春です。










posted by K10 at 00:26| 日記

2009年02月06日

どきどき

この冬は、ロマン派を主題にした演奏会が続く。
今週末には、ヴァイオリンとのコンサートがある。
予定されたトークの内容を考えながら、手にとった本。

『音楽の悪魔 デーモンに魅入られた作曲家たち
著:喜多尾道冬 音楽之友社

シューベルトの評伝で、喜多尾氏の著作と初めて出会った。
なんとまあ、ぴったりのお名前なんでしょうと嬉しくなり。
またその内容に、すっかり感じ入って本を閉じた記憶。

特別に馴染み深い作曲家たちが、馴染み深い姿であらわれる本書。
折にふれ扉をひらき、楽しんでいます。

シューマンのヴァイオリン・ソナタについて、共演のヴァイオリニストとあれこれ話したばかり。
ううむ。弾きたい曲は、それこそ山のように。どきどき。

* * * * *

敬愛する美術家 AKIRIKA さんが、今ベルリンにいる。
彼女のブログを読みつつ、ムショウにどきどきする毎日。

『マイニチドウドウ』 http://akirikadaily.sblo.jp/

美術と音楽の境界を、学生時代から私はずっと考えてきた。
ものすごく少しづつ、長い時間をかけながら、問との距離を縮めてきている、と思ったり、また、離れたり。

ありがとう AKIRIKA さん!
極寒のベルリンを自転車で駆け巡っている。
またあなたの作品につつまれる時を、どきどきしながら待っています。

posted by K10 at 00:55| 日記

2009年01月29日

優しい午後に

シャンタグリハ.jpg

この時期としては風もなく、暖かな日のランチタイム。
宗次ランチタイム名曲コンサート《ドイツ・ロマン派の世界》
トリオ・シャンタグリハのコンサートにご来場くださった皆様、
本当にありがとうございました。

音楽を重ね合わせることが、心底喜ばしかったのです。
早く演奏したくて、舞台への出を間違えてしまったほどです。
一曲一曲、プログラムを進めていくのが幸せでした。

ご来場くださった方より、
「ほっと和むようなひとときでした。」
「3人それぞれの持つ空気が魅力的で、心地よかった。」
「このセットで、このように音が溶け合うとは
 思いがけませんでした。」
等など、素敵なお言葉をいただくことができました。

むろん、反省も多々あります。
さらに良い響きを目指して、プログラムを練り、練習に励みたい
と思っております。

ありがとうございました。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。


posted by K10 at 00:03| 日記

2009年01月25日

重ねてゆく楽興の時3

そして。いよいよ明日です。
トリオ・シャンタグリハのデビュー・コンサート。
(→詳細は、こちらで。)http://www.halfwaydown.net/schdule/schdule.html

シャンタグリハとは、サンスクリット語にヒントを得た造語です。
「シャーンタ」は「安」、安らかの意。
「グりハ」は「城」、お城と、「我が家」の意味も持ちます。

愛知県安城市に縁あるメンバーで構成されたトリオゆえ、
故郷への感謝の気持ちをこめて、この名をつけました。

* * * * *

ソプラノ、ホルン、ピアノという、少し珍しい編成です。
しかし19世紀ロマン派の時代、数は決して多くはありませんが、
その柔らかな響きが作曲者たちに好まれ、この組み合わせで、
愛らしく心のこもった作品が書かれました。

今回は『ドイツ・ロマン派の世界』と題し、ロマン派の根源とも
いうべき「詩」とともに、演奏をお楽しみ頂きたいと思います。

何気ない月曜日に、ふと見つけた
泉のような演奏会を目指して。

ご来場を、メンバー一同心よりお待ち申し上げております。
posted by K10 at 11:53| 日記

重ねてゆく楽興の時2

数日前のことですが、久しぶりにライブへ行きました。
(いつも誘ってくれる jung-chang 、ありがとう♪ )
『藤井郷子オーケストラ名古屋』、10周年だそうです。

ジャズ、なのでしょうか。
しかし楽譜がありました。指揮者もいました。
私には「現代音楽」という名前で、すんなり入れました。
ホーン・セクションに、時々「はっ」とする音を見つけて
なかなかに楽しい時間。複雑な変拍子が嬉しい。
(私もあのリズムを叩いてみたい。)
いつか、藤井さんのピアノも聴いてみたいと思いました。

後半、ゲストで登場したジム・オルークのギターにぶっ倒れる。

私は、即興にほとんど馴染めません。
馴染めないゆえに、聴く機会も少ないせいではありますが、
これまでに、即興で感動した経験はたった一度だけです。
この日は、その第2回目でした。

ぶかぶかとしたジーンズ。
ターコイズブルーのシャツに、草色のカーディガンという
スタイルもツボでした。

ソニック・ユースを久しぶりに聴きたいと思ったのに、
…持ってたのはカセットテープだし(聴けない涙)。
やっぱりCD、買おうかな。

3月にはジョン・ゾーンの作品「コブラ」が上演されるそう。
素敵なライブ・ハウスです。

今池『得三』さん。http://www.tokuzo.com/



posted by K10 at 11:31| 日記

2009年01月21日

重ねてゆく楽興の時

「東海主婦のコーラス連盟」さんのお招きにより、アンサンブル・カラヴィンカにて出演させて頂いた音楽教室《木管の響き〜アンサンブルの午後〜》。

素晴らしい時間でした。
連盟役員の方々、そして会員の皆様に、心より御礼申し上げます。

ハイドンのディヴェルティメント(木管五重奏)、プーランクの六重奏曲のあと、それぞれの楽器紹介をかねたソロ演奏。
私は全員と共演させていただきながら、それぞれの楽器に対する愛情の深さに、しみじみと感じ入っていました。

このメンバーと、時を重ねる幸運。

そして、もっともっと磨きたい、と思います。
次回は、第7回定期演奏会です(2010年3月予定)。

* * * * *

今日は、来月上旬の演奏会に向けたヴァイオリニストのと合わせ。
次々に浮かぶたくさんのアイデアに、夢中になって過ごした。

そして明日は、来週にせまったトリオ・シャンタグリハ演奏会のリハーサル。

めらめらとしております。

posted by K10 at 23:27| 日記

2009年01月09日

菩提樹

シューベルトの歌曲『菩提樹』。
ピアノ弾きである私は、リストによるピアノ編曲で
作品に寄り添う。

* * * * *

「ロマン派」について考えるきっかけとなった、
ロンドンでの日々とベートーヴェン。
当時私は、音楽学校にも英語学校にも通っていなかった。
PCはあっても、インターネットに繋いでなかったから、
「ロマン派 検索」なんてこともなく。

ゲーテ『ファウスト』の文庫本上下2巻。
住んでいたフラットに近い、アレキサンドラ・パークや
ハイゲート・ウッズを歩き回る。
それだけ。

レッスンで先生から「もっとearthyな音楽を!!」と言われて、
帰りそのまま公園へ行き、泥のなかに手を突っ込んだりした。

『菩提樹』の詩が、あの日々を思い出させる。
なんと豊かで、幸せな時間だったのだろう。

私の菩提樹。

* * * * *

ただ、この頃の私は、少し焦っています。
もうそろそろ、もう少し、深くに潜りたい。
浮力に対して、カワセミのような鋭さで切り込んでいきたい。

肩から先、肘も手首も指も、弾いていることを
すっかり忘れた時にしか、扉は開かない。
あたりまえのこと。が、あらためて、できない。

焦っても全然いいことないので、地味に練習します。




posted by K10 at 00:03| 日記

2009年01月05日

A HAPPY NEW YEAR 2009

あけましておめでとうございます。


暮れの大掃除、ピアノに積み上がった楽譜を片付けていたら、
ひらひらと落ちた

書評紙からちぎられた2ページ。
いつも私に「詩」をくれる musa が、急ぎ破って取っておいて、
後からそっと渡してくれた詩。

* * * * *

音楽ふたたび          
                      谷川俊太郎

いつかどこかで
誰かがピアノを弾いた
時空を超えてその音がいまも
大気を震わせぼくの耳を愛撫する

はるかかなたからの甘美なささやき
それを読み解くすべがない
ぼくはただ身をまかせるだけ
風にさやぐ木立のように

初めての音はいつ生れたのか
真空の宇宙のただ中に
なにものかからの暗号のように
ひそかに謎めいて

どんな天才を音楽を創りはしなかった
彼らはただ意味に耳をふさぎ
太古からつづく静けさに
つつましく耳をすましただけだ

* * * * *

あぶなっかしいばっかりな私ですが、今年は特に、
しっかりと練習に励みたいと思います。

皆さま、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

posted by K10 at 00:29| 日記

2008年12月31日

『SHINE A LIGHT』

私は音楽が大好きだー!!!!!

『SHINE A LIGHT』http://www.shinealight-movie.jp/


映画館へ2度、足を運びました。
今年のお誕生日自分プレゼントも、この映画。

2008年、ノートの締めはストーンズで。

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posted by K10 at 22:22| 日記

2008年12月27日

GIFT

2008年の仕事納めは、若き音楽家たちとの共演でした。

それは心震える体験で、次々に奏される刺激的な音楽に、
出を待つ舞台袖で私は、時々涙ぐみそうになるほどでした。

なんという集中力。
その音楽は、客席に向かって放たれるだけでなく、
小さな背中から、ピアノにも語りかけていた。
まるで噴水のように、煌めきが放射状に吹き上がる。
一緒に登っていく私は、どんなに幸せだったろう。

実はこの日、私のお誕生日でした。
素晴らしい贈り物を、本当にありがとう。

皆の未来に、幸いがさんさんと降り注ぎますように!

* * * * *

自分への小さなお祝い。レイトショーで映画を観る。

『シャイン・ア・ライト』
http://www.shinealight-movie.jp/

公開から、鑑賞2回目。
これについては、また後日。









posted by K10 at 23:56| 日記

2008年12月21日

そのままの音楽

とてもとても若い音楽家と、共演する機会をいただいた。
5歳と、10歳。

その音楽は、びっくりするほどロマンティックで、
なんの防御壁もなく、まるでそのまんまに流れ出てくるのだった。
初めて音を合わせた時、私は少し溺れそうでした。

キラキラとした子供たちの演奏を聴くといつも、
胸中嵐のような、真白い波の泡のような気持ちになります。

あと2回の共演が、楽しみでなりません。
その美しさに打たれています。
そして、この胸打つ存在について、しっかり感じ考えたいと
思っています。

* * * * *

私の専用機(ピアノ)を調律。
専用機とはつまり、生徒さんとのレッスンには使わず、
今は私だけが弾いているということ。
私よりも少し年上の、古いアクションを持つピアノです。

夢ばっかり見ながら東京を彷徨っていた頃、不思議な縁で、
引き寄せられるように出会ったピアノでした。
このたびの調律で、また、夢のような音に。

調律師は、私にとってお医者様のような存在です。
お会いするたびに、実に様々なことを学ばせて頂いています。
いつも本当にありがとうございます。

立ち上がりつつある新しいプログラムに、
不思議とふさわしい音色なのでした。
冬、極まりゆくこの季節。
探索のはじまりに、また、なんとふさわしいこと。







posted by K10 at 23:28| 日記

2008年12月18日

ほぼ日手帳、デビュー

2月ヴァイオリンとのデュオ・コンサートの、会場下見と打合せ。
時は待ったなし。企画はさくさくと近づいてくるのだった。

ヴァイオリニストの、彼女の一本気な心にいつも嬉しくなる。
久しぶりの共演がとても楽しみなのです。
勉強しなくては。

* * * * *

おしゃべりにも花の咲いた楽しい打合せの後、
もう無くてぎりぎりに困っていた、来年の手帳を購入。
2009年はほぼ日手帳、デビュー。

今年まで使っていた博文館のデスク・プランナー(ゴールド)は、
紙質も使い勝手もルックスも、いうこと無かったのです。
「金色の手帳は仕事を呼ぶ」を真に受けて選んだ3年前。
以来確かに、お仕事にはとても恵まれたと感謝しています。
金色といってもシックな色合いで、何より、鞄から出した時
ぱっと気分が明るくなる感じで、とても気に入っていました。

ですが2009年は、少し頭の使い方を変えてみようと思います。
ほぼ日手帳1年目。使いこなしたいものです。

* * * * *

この時期、一番気がかりな年賀状の材料も購入。
ひと息つこうと久しぶりに F.O.B へ。
ゆっくりと緑茶をいただく。紅白の落雁に癒される。

モロッコ製山羊革と松の木のスツール(白・黒・茶)が
ものすごく可愛くて、欲しくなって困りました。

* * * * *

明日はトリオの合わせ2回目。
ドイツ語の辞書が、ずっしりと重い。




posted by K10 at 02:02| 日記

2008年12月13日

来年はロマン派から

来年1月に予定されている、トリオコンサートの初音合わせ。
(右《NEXT CONCERT》をご覧ください→)

ドイツ・ロマン派の森へ。
合わせの時間は、この道を歩いてきて本当によかった、と思う
しあわせな時間のひとつ。
どきどきして、本当に興奮する。

2009年も、室内楽からスタートする。
そして始まる、新しい挑戦。
潜るべきは、しっかりと潜る。
「夢のようなコンサート時間」のために。

今日、今のいまからできることを、積み重ねたいと思います。

* * * * *

懐かしい人からメールが届いた。
よみがえる、一緒にレッスンを重ねた楽しい思い出。
私自身、どれほど多くを学んだことでしょう。
嬉しいです。
またお会いできる日を、心待ちにしています。
posted by K10 at 23:21| 日記

2008年12月10日

繋がっていくリボン

先週末の大阪『コン・アニマ 南港コンサート』は、
ほぼ満員のお客様とともに過ごした素晴らしい日でした。

客席から波のように届く、音楽に対する暖かな集中力。
楽屋では、とてもとても懐かしい人との再会も。
(Yさん、お声をかけて下さって本当に有難うございました。
 またいつかご一緒できます日を、楽しみにしています☆)

すべてのお客様、そして運営に携わって下さった皆様に、
心より御礼申し上げます。

そして、共演のフルーティスト丹下さんに、深く深く感謝。
この名曲を、あなたと演奏できて私は幸せです。
彼女からもらったたくさんの素敵なこと。
これは、来年(と、それから先ずっと)に繋がっていくリボン。

* * * * *

来年から、身辺・環境が色々と変化します。
お仕事のスタイルも、変わっていくことと思われます。
時に動揺したとしても、その時一番大切なモノコトを、
落ち着いて考え抜けるように。
そんな私になれるよう、毎日を過ごしていきたいと思います。

* * * * *

さてさてそして、今年の仕事はまだ終わっていないのです。
(鬼、大笑い?)

皆さま、風邪などひいていませんか。
私は、ひきました。最新流行の喉風邪です。
まったく自慢になりません。

厳しい寒さに向かう時、どうぞくれぐれもお大切に。






posted by K10 at 00:50| 日記

2008年11月29日

北の果て

秋の山草を踏み分けて、蔓につかまりながら登った先、
やぐらの暗がりに入った時、臍の奥がずんと重くなり、
体全体を暖かな水に包まれたような圧を感じた。

東瓜ヶ谷の地蔵やぐらへ行きました。
鎌倉の、北の果て。この世とあの世の境目。

* * * * *


音楽とは、その境目のような存在で、
上下も規則も左右も時間も関係なく、
何にも繋がれない存在で、
なお全てと溶け合う存在で、

存在、というくらい確かに「ある」のだけれど
「ある」と探したとたんなくなってしまう
儚い


* * * * *


今年の自主公演《MANTOVA》が終わって半月後のこと。
やぐらへ案内してくださったのは、敬愛してやまない、
我が一族の師とも言える方でした。

私が、コンサート・プログラムの命を考える時、
胸の内にいつも、その方を感じています。


* * * * *


石の仏の前に跪いたら、涙がほとほとと落ちた。
瞬く間に身の内にも溢れて、その苦い味に癒されるのでした。

花を摘み、誰かのために手を合わせていた
800年前の私。
体内に結晶する記憶。これは宝。


* * * * *

この地に導いてくださった先生と、この日のため
ご尽力くださった方々に、心から感謝いたします。











posted by K10 at 03:07| 日記

2008年11月19日

再開

ご無沙汰しております。
皆さま、お元気ですか。

夕方、噛みつくような風が吹いたと思ったら、
夜は白々と冴えた冷たい半月でした。
メタルのような濃紺の空に、星も雲も光っている。

いよいよ冬がやってきました。
お休みしていたブログを再開いたします。

まだしばらくは、更新の間隔がこれまで以上に
不規則になると思いますが、
少しずつ、綴ることを重ねていきたいと思います。

どうぞ今後とも、ご指導くださいませ。

それでは。
風邪など召されませんよう、皆さま、お体お大切に!







posted by K10 at 00:56| 日記

2008年11月02日

お知らせ

更新が空いております。
体調でも崩したのかとメールをくれた友よ、
心配かけてごめんなさい。
そして、いつも本当にありがとう。

大変に有難いことながら忙しく、実務、精神ともに
整理整頓ができていない、2008年の秋です。

そのため誠に勝手ながら、2週間ほど本ブログを
お休みさせて頂きます。

11月末には、部屋も本棚も頭の中も片づけて、
このステップに戻ってくる予定です。

秋も深まり、ずいぶんと冷え込むようになってきました。
どうぞ皆様、くれぐれもご自愛のほど
お祈り申し上げます。

それではまた!







posted by K10 at 23:57| 日記

2008年10月24日

ひと山越えて

先週末、長野へ小さな旅に出かけました。

『気球にのって』http://clubman.sblo.jp/article/21745957.html

* * * * *

水曜日は上京。
上野にて、ヴィルヘルム・ハンマースホイ展を。
http://www.shizukanaheya.com/

思っていた以上に、沁み入りました。
(心配していたほど混んでいなかったのも幸い)
キュレーターの愛も、なかなか心地よく感じたなあ。

渋谷にて、エヴェレット・ミレイ展を。
http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/08_jemillais/index.html

これまでにも何度か観ているミレイの絵画。
しかし今回最も私の心を掴んだのは、図録におさめられた
ダンテの扮装をするミレイの写真。
幸せな画家。幸せな人生。

新宿にて、我が師マエストロ高須博のリサイタルを。
http://great-wizard.sblo.jp/

リサイタルの、その一夜ひと夜が、特別なのだ。
その芸術は、この世の堅苦しい決まり事を、大きく超えていく。
心がざわざわと盛り上がり、溢れそうになった。

帰りの新幹線、ちょっとした事件に巻き込まれたりして、
騒ぐ心を抱えたまま帰宅。

* * * * *

木曜日。
ピアノで参加させていただいている女声コーラスの発表会。
1年に1度、団にとっても大切な会である。
練習の成果のみならず、本番ならではの集中力ある歌声。
指揮の先生の、お優しい安堵の表情が嬉しかったです。

* * * * *

ここで、2008年秋のひと山を超えました。
山積した様々な整理をしつつ、冬の陣に向けた準備に入ります。


posted by K10 at 07:01| 日記

2008年10月17日

濃密な秋2008(4)名古屋公演

そして迎えた、La fiaba:concerto N.3
《マントヴァ〜イタリア音楽紀行》名古屋公演。

DSCN0713.JPG

あらためまして、ご来場頂きましたたくさんのお客様に
心より御礼申し上げます。

そして、お力添え頂いたすべての方々。
本当にありがとうございました。

今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

posted by K10 at 22:40| 日記

濃密な秋2008(3)トゥーランドット

ミルバの次の日は、わが師 高須博氏のリサイタル名古屋公演。

http://landing.sblo.jp/article/20942729.html

今年もまたぐっと深く響いた感動。
と共に、5日後にせまった自分の演奏会に思いを馳せる。

* * * * *

翌々日、12日(日)。
いつも大変お世話になっている、音楽愛好家 Dr.A のご厚意で、
ソフィア国立歌劇場来日公演『トゥーランドット』を鑑賞。

http://www.japanarts.co.jp/html/2008/opera/sofia_national/turandot.htm

号泣。

物語としては、ほとんど破綻しているのです。
でも、生で舞台に向きあうと、まるでそんなこと。
そんなこと、どうでもよいのです。小さい小さい。
カラフの馬鹿者っぷりは、もはや感動の域。
これは民話を超えている。

ビバ!愛!ビバ!愛!
人間の歌とは、なんと大きく熱いのだろう。

心の底から、オペラの楽しみを堪能しました。
posted by K10 at 22:12| 日記

濃密な秋2008(2)ミルバ

東京公演のため宿泊していたホテルで起こった、
まったくもってマンガみたいな出来事。

縁あって、カンツォーネの大スター・ミルバの
名古屋公演を鑑賞する機会を得ました。
10月9日のこと。

真赤な長い豊かな髪が、まるで生きているよう。
たぶんもうずいぶんお歳を召しているはずなのに、
舞台の上には、咲き誇る花のような女性がいました。

その、声魂にうたれる。
ディーヴァとは、なんという特別な生き物なのだろう。

終演後、私服(黒いパンツスーツ)に着替えた彼女と
すれ違いました。
真っ赤な髪をシンプルに束ね、大きなサングラスで顔を
隠してはいましたが。
思っていたより小柄で、穏やかな雰囲気が印象的でした。

あの静けさに、何か秘密があるに違いない。






posted by K10 at 21:51| 日記

濃密な秋2008(1)目黒にて

La fiaba《マントヴァ〜イタリア音楽紀行》
両公演、無事に終えることができました。
ご来場頂きましたお客様、お力添え頂いたすべての方々に、心から御礼申し上げます。

東京公演から名古屋公演、ぎゅうっと詰まった日々でした。
駆け足ですが、時計を巻き戻して。

まずは、東京公演(10月4日)翌日から。

* * * * *

東京公演の会場 sonorium は、建築家・青木淳氏の設計です。
コンサートの翌日、目黒美術館で開催中の展覧会『丸山直文展―うしろの正面』のイベントとして、丸山氏と青木氏の対談があることを、夫が見つけてきてくれました。
大変に興味深いホールでしたし、空間を体感した翌日に、その設計者のお話を聞く機会など、そうあるものではありません。
わくわくしながら出かけました。

対談が始まるまで、美術館のまわりを散策。
見つけた、素敵な花々、古いビル。

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081005_1313~001.jpg

* * * * *

まるで、自然におしゃべりをしているような対談でした。
難しい専門用語ばっかりでさっぱり、場違いに紛れ込んでしまったような気分になる対談も、時にあったりするのですが。
この日は実にわかりやすく、心地よい時間でした。
…とはいえ、すっかり日が過ぎてしまい、おふたりの言葉を間違いなく書き記すだけの記憶が残っていないのです。

ただ。創造の営みとは、点で炸裂しているようにみえても、過ぎていった時間、現在(今の今)、これからやってくる時間、先人、遠く近く隣り合う人々、後に続く者たち、などなど。
たゆたう様々な流れのなかに繋ぎつながれ、まあるく存在するもの、なのかしら、という、個人的な問の感覚(わかりにくくてごめんない)が、胸に刻まれています。
(だんだん観客に背中をむけていってしまう丸山さんのハニカミっぷりも、なんだか微笑ましく。)

* * * * *

対談終了後、青木氏と一瞬、お話する機会を得ました。
sonorium ホール内、窓のことが、とても気になっていたのです。
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posted by K10 at 21:30| 日記

2008年10月11日

絢爛たる

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『魔法使いの庭へ』ピアニスト高須博ファンサイト
http://great-wizard.sblo.jp/

* * * * *

我が師 高須博先生のリサイタル名古屋公演。
一夜あけても、まだ脳みそがぐらぐらしている。

なんと絢爛たる。音楽の洪水。

歴史的プログラムであることは、フライヤーを見た時から
理解していたが、これが、コンサート当夜、魔法のように
立ち上がっていく驚愕。

ピアノという楽器のもつ可能性。というよりはむしろ、
芸術には限界がないのだ、という、眩暈にもにた感動。

しかし人間は有限。
真のアーティストは、その限界とまるで戯れるかのように
踊ってみせる。
なんども、なんども。


秋は毎年、濃厚にすぎてゆく。
今日は秋晴れ、風がさわやかに吹き渡る。
15日は、私があの真空へダイブする。


ちなみに10月22日はマエストロ高須博の東京公演です。
感動に再び出会うため、上京の予定です。
posted by K10 at 09:42| 日記

2008年10月09日

時の対位法(memo)

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La fiaba 公式サイト

日の過ぎるのがこんなに早いのは、
秋のせいだけではないのだろう。

まずは、御礼から。
La fiaba《マントヴァ〜イタリア音楽紀行》
東京公演にご来場くださいました、
たくさんのお客様方。

本当にありがとうございました。

tokyo-riha.JPG

リハーサル中の写真。

視覚も響きも美しいホール sonorium 。
演奏中、ふと顔をあげると窓がある。
景色が見えるわけではないけれど、
移ろいゆく光に、「今の今」の時の流れを
感じた、とても不思議な演奏会でした。

(100年前に書かれた音楽を演奏する
 クラシックの演奏家にとって、
 非常に興味深い環境です。)

大切な方々、懐かしい笑顔。
そして「はじめまして。」の喜び。

書きたいこと、たくさんあるのですが、
また、あらためて記したいと思います。

もう一度、本当にありがとうございました。


さあ、そして名古屋です。
新しい照準へ。心は、まっさらに。
posted by K10 at 00:50| 日記

2008年09月24日

『神曲』のなかのマントヴァ

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La fiaba公式サイト

ダンテ『神曲』を再読。

最初に読んだ時は、「マントヴァ」を気にかけることもなく
読みすぎていました。

マントヴァの由来が、「占い師・魔術師たちの地獄」で
語られているところも、大変に好みです。

平川祐弘訳:河出書房新社の『神曲』から、
マントヴァにまつわる部分を抜書きしてみました。

長く羅列しただけのものですが。
興味がおありでしたら、資料室へどうぞ。

http://storeroom.sblo.jp/article/19933284.html
posted by K10 at 01:52| 日記

2008年09月16日

庭園へのお誘い

Mr.takasu-high2.jpg

我が師、マエストロ高須 博のファンサイトができました。

『魔法使いの庭へ』 http://great-wizard.sblo.jp/

サイト・タイトルは、ロシアの血を引くフランスの哲学者
ウラディミール・ジャンケレヴィッチ氏の言葉

「ピアノの世界に精通している人は、奇跡のような庭のなかへ
 分け入ってゆける感覚を備えている。
 その庭でこそ魔法が可能になるのだ。」

からとられています。
ぜひ、ご覧くださいませ。

♪  ♪  ♪

さて、先生の今年のリサイタル。
プログラムが、また夢のようです。

171年ぶりによみがえる、『象牙の戦い』とは。




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posted by K10 at 22:50| 日記

2008年09月15日

御礼

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アンサンブル・カラヴィンカ《第6回演奏会》

台風の近付く雨のなか、ご来場くださいました皆様、
本当にありがとうございました。

・「安心感と緊張感の、絶妙なバランス」
・「音色がとびきりに美しい」
・「選曲が実にほどよい」
・「アンサンブルの妙を、しみじみ感じた」

などなどなど。
たくさんのご意見をいただきました。

さらなるアンサンブルの調和を目指し、
研鑽を積んでゆきたいと思っております。

なお、カラヴィンカ次回公演は、
東海主婦のコーラス連盟「音楽教室」のお招きにより

《木管の響き〜アンサンブルの午後》

と題したコンサートが予定されております。

2009年(来年)1月20日(火)、13:30より
名古屋市女性会館 3Fホールにて。

ご来場心よりお待ち申し上げております。

ありがとうございました。
posted by K10 at 23:23| 日記

2008年09月10日

翼にのせて

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6年目の、充実。告知です。

☆アンサンブル・カラヴィンカ第6回演奏会☆

2008年9月15日(月・祝)
14:00開演/13:30開場

守山文化小劇場(愛知県名古屋市)
名鉄瀬戸線「小幡」駅下車、すぐ
アクロス小幡3F

全自由席 3000円


《プログラム》

J.イベール:アリア
C.ニールセン:五重奏曲
F.プーランク:六重奏曲

ほか


詳細、お問合せは、

アンサンブル・カラヴィンカHP
 
http://blog.livedoor.jp/e_kalavinka/

まで。

少しずつ、少しずつ、何か大切なものを重ねていく。
室内楽の喜び。

ご来場、心よりお待ち申し上げております。

 
posted by K10 at 11:58| 日記

2008年09月05日

《MANTOVA》La fiaba 秋の公演にむけて

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☆La fiaba公式サイト

チケット発売開始より、さっそく皆様からあたたかな
お便り、ご連絡が届き、嬉しいかぎりです。

本当にありがとうございます。

大切にあたためてきたプログラム。
東京も、名古屋も、その日かぎりのエネルギーに
満ちた時となりますように。
努めます。


ところで、チラシに掲載の写真のこと。
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posted by K10 at 23:39| 日記

2008年09月02日

夏の思い出

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(江ノ島の食堂で食べた「しったか貝」旨ウマで可愛い。
 旅の道連れ女子「わあ、スナフキンの帽子みたい。」)

・宇治〜朝宮へ、お茶を買いに行きました。
 一筋、道が違うだけ。異界はすぐ隣にありました。

・お能『松風』『熊坂』『求塚』狂言『蝸牛』を
 鑑賞することができました。
 感じたこと、思うことが、まだ溢れています。

・友Junちゃんと、海に月光浴しに行きました。
 女同士の海は、やっぱりどこまでも最高です。

・鎌倉〜江ノ島〜茅ヶ崎へ、車で出かけました。
 大切な方との、大切な時間、このひととき。
 私はすべて、楽器に籠めます。

・びっくりするほど美しい存在に出合いました。
 私のミューズは、それを馬だといった。
 うん。そうだね。
 私は、鞍なんかつけないよ。
 裸のお前と一緒になろう。

(9/04 追記)

・『スカイクロラ』を観ました。
 http://sky.crawlers.jp/index.html

 素晴らしかった。心底、趣味です。
 

しっかり遊びました。遊びすぎました。
充電完了。

 
posted by K10 at 00:10| 日記

2008年08月26日

「ヴィルヘルム・ハンマースホイ展 静かなる詩情」

http://www.shizukanaheya.com/

ロンドンでの展覧会が、巡回してくる。
これは観にいかねば。
2008年、晩秋の楽しみに。

秋がきた。
体が季節の変化についていけないらしく、微熱が続いている。

ちょっとぼんやりした頭で見上げた、午後の天井。

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きれいじゃん。


明日より上京。

posted by K10 at 23:26| 日記

2008年08月22日

秋にむかってまっしぐら

高校時代からの友と会食。
毎年夏には顔を合わせていたが、ここ数年は皆忙しく、
誰か彼かが欠けてしまったり。
今年は久しぶりに4人そろって、嬉しいかぎり。

高校3年間、毎日ずっと一緒に過ごしていた。
そして、全員が今もって音楽活動を続けている。
とても嬉しいこと。

(2005年に開催したジョイント・コンサートにて)
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1件目のお店を出てから、駐車場にて炎天下、
なんだか別れがたくてぐずぐずしてしまった。
笑いながら、もう一軒お茶を。
この幸いに、感謝して日々を過ごしてゆきたい。
皆、本当にありがとう。また会おうね!

* * * * *

ロジャー・パルバース氏が
『第18回 宮沢賢治賞』を受賞された。
(まだ受賞されていなかったことに驚き)

ロンドンへ飛ぶ朝、母が「持っておいき。」とくれた
『英語で読む宮沢賢治詩集』(ちくま文庫)。
手で文字を書くと安心する私は、孤独と不安のなか
何編かの詩を紙に書きつけて夜を過ごした思い出。

(何気なくアマゾンで検索してみたら、なんと
 48000円の値がついていた。驚き。)

受賞おめでとうございます。
私も、とても嬉しいです。

* * * * *

さあそしてもう待ったなし。
昨年同時期の日記には「過去最高の繁忙期」とある。
今年はあっさり、それ以上。
しあわせなことです。

ちなみに、例年と一番違っていること。
今年は、夏痩せしませんでした☆
こーれは、本当に嬉しいし、助かります。

(さあ、「嬉しい」の言葉は何回でてきたでしょう)





posted by K10 at 07:51| 日記

2008年08月18日

1周年と、夏tabi

『踊り場のノート』このブログも、1歳になりました。
読んで下さる方々、本当にありがとうございます。


  2階の子供部屋から、ピアノの置かれた
  ホールへと続く階段。
  その踊り場には、本箱と小さなベンチが
  置いてありますから、ちょっと腰掛けて
  休んだり、ふと本を手に取りページを
  捲ることもできます。

  西日が差し込む高い窓があって、空と、
  小鳥が巣をかける樹の枝が見えます。
  私はいつも階段に腰掛けて、時間のむこう
  にいる彼らのことを、考えています。


初めてのノート。今も変わらぬ思いです。
これからも、どうぞよろしく。

* * * * *

さて、夏休み。
今年の夏休みは、とびとび飛び石な感じです。
週末にでかけた、滋賀・京都へのドライブ。

よろしければ、気球発着場へどうぞ。

http://clubman.sblo.jp/article/18069696.html
posted by K10 at 00:06| 日記

2008年08月12日

過ぎゆく夏

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☆ La fiaba 公式サイト

La fiaba 秋公演『マントヴァ』、チラシができました。

☆チラシ・オモテ
★チラシ・ウラ

皆様へのお便り、準備に入っております。
はやくお手元に、お届けできますように。

北イタリア魅惑の都市マントヴァ。
歴史の襞、湖面に揺らぐ影は、真か幻か。
かの地に因む音楽もまた、幻想と官能に満ちています。
ぜひぜひ、ご来場くださいませ。

(上記サイトにて、プログラムなど詳細ご覧になれます)


* * * * *

ところで、恋人探しのこと。
続きを読む
posted by K10 at 23:32| 日記

2008年08月09日

飾る情熱

一週間が、本当にあっという間に過ぎてしまう。
意外と忙しく、毎日あちこち出かけている。
楽しいお出かけも多いものだから、ついつい遊びすぎ。

友人のデザイナーが働くジュエリー・ショップへ。
私が持っている、彼女の作品の写真を撮影するため。

http://www.vanmore.co.jp/staff/kyoko_01.html

美しい彼女は、美しい母でもある。
彼女の宝飾デザインが生まれるのは、我が子の頬を優しく
包むのと同じ手からだ。
母になって、新しい角度からの光を得た。
学生時代から知る友の、溌剌と輝く女道。
新しい作品が、とても楽しみ。

ちなみに私ども夫婦の婚約指輪、結婚指輪も、こちらのお店に
お願いしました。
色々に考えて、あれこれ迷って。楽しい思い出です。

http://www.vanmore.co.jp/


* * * * *

その日の帰り、資料を探しに入った図書館で出会った本。

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posted by K10 at 23:57| 日記

2008年08月03日

その先へ

la_fiaba_logo_jpeg.jpgLa fiaba のサイトができました。

http://lafiaba.sblo.jp/


2005年に訪れたマントヴァ。
8月半ば、早朝の湖はすでに肌寒く、露に濡れたバラが震えていた。

塩野七生著『ルネサンスの女たち』再読。

* * * * *

すればするほど、下手になる練習がある。
最近の私は、かなり危なくはなかったか?
未だこんなことに惑う自分に、
・・・落ち込んでいる時間はない。

* * * * *

とても大切な方から届けられた、貴重な資料。
1922年日本に紹介された、ストラヴィンスキー『春の犠牲』(当時はこのように呼ばれていた)に関するエッセイ(翻訳)である。
(詳細は後日、資料室にてまとめたいと思っています)

関東大震災の前年。パリでの初演から、まだ9年。
旧仮名で綴られた雑誌のコピーから伝わる、龍の鼓動も生々しい。

まだ終わっていないのだ。
祭典がもたらした脈動は、私のなかで、その先を目指している。

先月末の演奏会が終わってから、ゆっくり読もうととっておいた。
(なんて、ウソ。頭の中がワンルームなので、
 ひとつのことにしか集中できない。)

今夜、これから楽しみます。




posted by K10 at 23:13| 日記

2008年08月02日

真夏

《モーツァルトとシューベルトの夕べ》
〜ソプラノとホルンとピアノによる〜

20080730 001.JPG

年若くして世を去ったふたりの作曲家。
彼らが残した音楽が、まさに、どれほど今の世にも愛され、求められているのかを、あたらめて実感した演奏会でした。

静かな客席から、お客様ひとりひとりが、胸の奥で小さく歌っている響きが、舞台にまで届くのです。
これは感動的な体験でした。

ご来場くださいました皆様に、心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。

* * * * *


そして、夏。今が夏の真っ盛り。

わが師より届いたファックス。
ぼやぼやと陽炎のように見え隠れしつつ、なぜだか気になっていた数年先のヴィジョンが、急速に輪郭を現し始める。
またも溢れる感謝の念。
やる気です。
(いつか皆様にも、詳しくお話できますように!)

そして、次なる照準。針を、秋にあわせる。
夕暮れの道、河沿いを走りつつ、さざめく水面を見ていたら、心はたちまちミンチョ河へ飛ぶ。

さあ。会いに行かなくちゃ。






posted by K10 at 00:23| 日記

2008年07月27日

肋骨

シューベルトを弾く時、私の胴は、樹の幹のようでなくてはならない。


菩提樹:ミュラー詩


泉に添いて 茂る菩提樹
慕いゆきては うまし夢見つ
幹には彫りぬ ゆかし言葉
うれし悲しに 問いしその影

今日もよぎりぬ 暗きさよなか
真闇に立ちて 眼閉ずれば
枝はそよぎて 語るごとし
来よ いとし友 此処に幸あり

面をかすめて 吹く風寒く 
笠は飛べども 捨てて急ぎぬ
遥かさかりて 佇まえば
なおも聞こゆる 此処に幸あり
此処に幸あり


音楽への扉は、ピアノの奥底と、
私の肋骨の、奥底にある。


posted by K10 at 02:32| 日記

2008年07月19日

日々右往左往

水曜日。
月末コンサートに向けてのトリオ合わせ。
(右、NEXT CONCERT をご覧下さい。→)
3人そろって、モーツァルトに、シューベルトに、
何度も脱帽しながら、音楽を縒り合せていく。
かなり丁々発止で、部屋の酸素が足りなくなる。
それでも、笑いが絶えないことが幸せの証拠。

へとへとの帰り道。
車でシューベルト歌曲を流していたら、
夕焼けの空と雲がもうもうあんまりにせつなくて、
馬鹿みたいに泣きながら運転した。

木曜日。
ネットにおける私の水先案内人、下玉利氏と打合せ。
学生時代は、芸術系大学繋がりの先輩だった。
(奥様は同窓の先輩。お世話になってます!)

さっさと仕事の話に入らなきゃなのだけれど、
ついつい、脱線。
ジャコメッティから始まって印象派談義、なぜかF1、
やっと本題に入っても、まーた脱線。
たぶん1時間くらいですむ話が、4時間またーりと。

美大の空気を知る人と過ごす時間は、私の憩い。
(でも忙しいかったよね、ゴメンナサイ。)

この日は久しぶりに、夜中までピアノにむかった。

下玉利氏の新会社 http://www.iprood.co.jp/
頼りになって、超面白い。ご縁に感謝です。

金曜日。
La fiaba 秋公演のチラシ入稿でピリピリ。
練習しながら同時に他のことをするのは、厳しい。
頭のスイッチを、もっと完全に切り替えられるようにならないと
今後、ますます厳しいなあ…。

それにしても、デザイナー牧氏の手腕と忍耐力には、
またしても感服、感謝。
かっこいいですよー。
はやく皆様にご披露したいです。お楽しみに。


美術館で優雅にバラを見ていた日曜日が、ずいぶん遠く感じる。
月曜日も火曜日も、なんか無駄に走り回っていた気がするけど、
もう忘れた。





posted by K10 at 02:21| 日記

2008年07月13日

三重県立美術館にて

『没後80年 佐伯祐三展 鮮烈なる生涯』三重県立美術館

http://www.pref.mie.jp/BIJUTSU/HP/index.htm

彼の作品はもちろん素晴らしいが、
彼が写された写真もまた、心を強く掴むのだ。
佐伯は昔から、若い人々に人気があった。
よく、わかる気がする。

佐伯が愛用したヴァイオリンが展示されていた。
美貌の妻米子の、おしろいのケースに入れられた松脂。
おそらく、もう、誰にも弾かれることの無い楽器。
彼の娘が生きていたらと、ふいに悲しくなる。
自分の顎と肩で、この楽器を挟む感覚を想像する。

(だいたい私はいつもこうだ。
 絵画展で、絵画に一番惹かれることはまれ。
 見る目がないだけのことだが、こういうところは
 演奏やら何やら、全てに絡んでいるのだろうなと
 最近思う。)
 

その夜は、美術館のエントランスホールにて
青柳いづみこ氏のコンサート『佐伯祐三展によせて』があった。
同氏の著作はほとんど読んでいるが、演奏を聴く機会に
これまで恵まれなかったので、三重まで車を飛ばした次第。

ところが青柳氏、一週間前にぎっくり腰になってしまったという。
(この痛みは、よーくよーくわかります)
演奏は、無意識に腰をかばったものになるのでお辛そうだった。
お話は実に興味深いものでしたが、氏の話しぶり、声のトーンに
引き込まれた時間でもありました。

氏の著作『無邪気と悪魔は紙一重』の表紙は、佐伯の『人形』。
この作品には贋作疑惑があって、実は妻の米子の作品というもの。
米子は、佐伯の作品に日頃から手を入れていたという。
写真に残る米子には、不思議なただならぬ気配がある。
青柳氏は、このあたりのことも潜ませた上で、
この絵を表紙に選ばれたのではと思っているが。
当夜のトークではふれられなかった(当然、だよな)。

終演後のサイン会。
私は、ミーハーであることに胸をはります。
こと、作家の手書き文字には心が躍る(そういう方、多いでしょ?)。
図々しいとは思いつつ、手持ちの本を持込んだ。
会場でCD『雅なる宴』を買い、氏の著作『ドビュッシー 想念のエクトプラズム』を手に、列に並ぶ。
鞄には、『水の音楽』『音楽と文学の対位法』『青柳瑞穂の生涯 真贋のあわいに』もしのばせて(という重さではなかったけれど)いた。
どの本にも、付箋がいっぱい。

順番がきて、CDにサインを頂きながら、「実は」と切り出してみた。
青柳氏は、まったく清々しく快く、全ての本にサインを入れて下さった。
お祖父様の本には「まあ、これも。」と小さく声をあげられて、
他の本とは違い、縦書きにサインを書かれた。

(…と、散々ねだっておきながら、こうしてパイプ椅子に座り
 字を書く作業が、どれほど腰の負担となることやら。
 「腰、お大事に…。」の自分の言葉が、なんとも空しく。
 本当に、くれぐれもお大切になさってください。
 ありがとうございました。)


コンサートが始まる前、美術館に併設されたカフェの
テラス席でお茶を飲んだ。
大気には、まだ昼間の熱気がのこる。でも、風には夜の気配。
芝生のむこうに、薔薇が咲いていた。


……。
ヨーロッパに、行きたいなあ。






posted by K10 at 09:14| 日記

2008年07月07日

神々の愛でし子ら

モーツァルトを語る時、必ず出てくる「神童」という存在。

ロココの宮廷で喜ばれた天使たち。
それは、人造天使ではなかったか。
紙と鶏の羽でできた、作り物の翼。
曲芸じみた技巧で楽器を操る、不思議な生き物。

しかし、彼らはたしかに、本物の天使だった。
楽器にむかうその時の、彼らの集中を感じたいのだ。
ひとり遊びに、心底夢中になるその姿。


楽譜を前に、ピアノと向き合っていると、ついつい、
いろんな妄想にとりつかれて困ります。


よろしければ、資料室へどうぞ。

http://storeroom.sblo.jp/article/16715876.html
posted by K10 at 22:43| 日記

2008年07月01日

今年もよい一日

先週日曜日は、生徒さんたちの発表会。
毎年、6人の先生方とご一緒させて頂く。
そして、先生方から多くのことを学ぶ日でもある。
今年は75組を越える大所帯、華やかな一日となりました。

生徒さんたちの、1年の成長に胸の熱くなる思い。
まだほんの幼稚園だったり、小学生になりたてだったり、
そんな頃から、ずっと毎週一緒に過ごしてきました。
彼らの、舞台における純粋な集中力に感動。
また次のレッスンから、音楽をピアノを、
どんどんと探検しましょう。
ありがとう。これからも、どうぞよろしくね。


森散策。『里芋の芽と不動の目』読了。
しみじみ、この森の短編が好きです。
posted by K10 at 23:37| 日記

2008年06月27日

矢のごとし

毎日の過ぎるのが早すぎて、時々呆気にとられている。
昨日は夜遅くに帰宅。自宅アパートの階段を、両手に荷物であがる途中、気がついたら散らばった荷物のなか階段に寝転がっていた。
足を踏み外してコケたのだけれど、瞬間なにが起ったのか理解できず。
こういう時に、年齢を実感する。
幸い、手や指、腕には全く怪我はなし。
でも右足首を挫いたようで、実に不便なり。
(かろうじてペダルは踏めます。)

時々、こういう怪我をする。
週末は生徒達の発表会だから、大事に至らず本当によかった。
ドジもたいがいにしないとと、反省。

ここ数日、リストの譜面がピアノを占拠している。
しばらく前までは、ストラヴィンスキー(息子も一緒)と
バラキレフが悠々としていたのだけれど。
彼らが主役の座にいる時、ピアノは金と銀の星が輝く
夜の重い大気だった。
今、またリストに夢中になったら、ピアノの艶消しの黒は
疾走する霊柩車。灰色の、大きな馬が曵いている。

でも、週末の楽譜は小林秀雄なのだった。
どうしてまたそんなキッチキチにテンポ設定するんですか
小林先生ー。




posted by K10 at 22:52| 日記

2008年06月21日

夭折の天才

来月末に予定された演奏会、タイトルは

《モーツァルトとシューベルトの夕べ》
〜ソプラノとホルンとピアノによる〜

惠三氏のホルンと、長澤さんのソプラノが、実に美しく響きあうのです。ここに、ピアノで溶け込むしあわせ。
このトライアングルは、初めての感覚。
次回の合わせがとても楽しみです。


ところで。
没年、モーツァルト35歳。シューベルト31歳。
ロマン派好きで象徴派好きな私は、「夭折」の言葉に弱いです。

でも、ちょっと数字で遊んでみたくなりました。
同時代の平均寿命って、どうだったのかしら。

よろしければ、資料室へどうぞ。

http://storeroom.sblo.jp/article/16279778.html

posted by K10 at 23:54| 日記

2008年06月17日

愛を生きるひと

ピアニスト河合優子氏のコンサートを聴いた。
ショパン・スペシャリストであり、現在も本拠地をポーランドに置かれている。
専用の音楽ホールではなく、小さなスタジオでのごく私的な演奏会。
広く窓が切ってあって、街路樹の緑が映える部屋だった。
時折、小鳥のさえずりが聞える。
演奏の間にはさまれるお話しで、ご本人もそのことにふれてみえた。

どこまでもどこまでも、ショパンを愛している。
平凡な言い方だけれど、結局それがすべてなのだった。
演奏を聴いた日から、ずっと色々に考えてみたけれど、
それがあまりに鮮やかなので、もう、他の言い方は諦めた。

音楽における、極めて、極めて親密な語らい。
友愛、恋愛、確かにこの世に存在する、伝達の愛おしさ。

美しい女性である。
そして、ショパンのような男は、こんなふうに愛されることが必要なのだ。
生きていた時も、その後も。
時を超えて、ずっとずっと未来まで。


私は、近づけない。
ずっと昔から、私にとってショパンは、散歩する彼を数メートル離れた後ろからただその背中だけをじいっと見て、ぐずぐずとついて歩くだけがせいいっぱいの存在だった。
神経質な彼は、汚い子供の私がウロウロと付いて来るのを嫌がる。追い払われないギリギリの距離をとりながら、私は上目使いで、ただただついていく。

それがだんだんと悲しくなったり、だんだんと怒りになったり、だんだんと祈りになったり。
ショパンの楽譜のなかでの私は、いまだ超思春期だ。


ロンド第3番 変ホ長調では、暖かな水に包み込まれるような感覚を覚えました。
音が、血管に沁みこんでくるようでした。
ショパンの傍らに座り、語り合うことを許された女性。
愛のなかにいる人。





posted by K10 at 23:47| 日記

2008年06月15日

しろや、くろや、

企画書を郵送。真夜中の郵便局が好きです。

私には、素晴らしい相談者がいます。
妖精のようなその人は、私よりずっと若いのに
ずっと「仕事」を知っている。

私なりに愛おしい企画書ができたのは、彼女のおかげです。
いつも、本当にありがとう。

さあ。飛んでいって、どうか役目を果たしておくれ。

* * * * *

新しいPCが届きました。
黒いhp−note。いよいよ本気で二刀流。
結局この形が、私には都合よいのだ。

先住のmac-deskを「しろ」、
新入りのwin-noteを「くろ」と名付けました。

ええ。『鉄コン筋クリート』私も大好きです!
フランス語版も持ってるのが自慢。
(読めません。)

環境は少しずつ、よりよく整ってきました。



posted by K10 at 01:49| 日記

2008年06月10日

朝の光に

日頃は真夜の静寂に安らぐ私なのですが、
書くことに心底費やす時は、夜明けの力を借ります。

昨日届いた嬉しい知らせ。
数日のうちに資料をまとめなければならない。
この喜びの種が、きっと芽をだしますようにと机にむかう。


今朝は素晴らしい朝焼けでした。
初夏の日の出は、季節の薔薇とおんなじ色なのね。


早く寝なきゃと思いつつ、昨夜再読の折口信夫『死者の書』。
またも胸によぎる、藤原南家郎女の俤人。
空には、無数の心がとびかっている、という気がした。
posted by K10 at 05:08| 日記

2008年06月06日

青い炎

エリック・ハイドシェック氏のコンサートへ行く。
オール・ベートーヴェン・プログラム。

この日舞台に見たのは、若き詩人のような、
青く燃えているような芸術家だった。

御年は70を越えている。だが、雪のように白い髪も、
その胸の純粋があらわれかのごとく。

ベートーヴェンが、氏にはこのように存在するのか。
センチメンタルでは決してない。しかし、甘やかな芳香。
これはやはりフランス花の都に結ばれるものなのか。

人生の重みを、全て捧げるようなベートーヴェン。
その後ろに、絢爛なるパリ音楽界の歴史をも感じつつ。

会場では、素敵な再会もたくさん。
(みなさん、本当にありがとうございました。)

幸せな夜となりました。



posted by K10 at 23:31| 日記

2008年06月02日

名の由来

秋の演奏会準備。
例によって、寄り道だらけで見つけました。

よろしければ、資料室へどうぞ。
( 2008/06/05 追記 )

http://storeroom.sblo.jp/article/15585182.html




posted by K10 at 17:43| 日記

2008年05月31日

人声

昨日から、急に人声が聴きたくなったのだった。
楽器によるハーモニーではなく、人声の共鳴を。

思うことあり、滋賀までバロック音楽の演奏会を聴きにいく。
道中は、雨。ひとり高速を走りながら、本日のトラック。


往路:

*『 GREGORIAN CHANT 』
 CHOIR OF THE CARMELITE PRIORY , London
*『 Motets for Ceremonial and Liturgical Occasions 』
 Guillaume Du Fay : Pomerium
*『 RITUAL : LE MYSTERE DES VOIX BULGARES 』
 THE BULGARIAN STATE TELEVISION FEMALE VOCAL CHOIR

復路:

*『 medulla 』 Bjørk
*『 Sur le chemin de Compostelle 』
 å travers la Galice ancienne terre celte
 : Elena Polonska , John McLean , Isabelle Quellier , Radmila


西から東へ帰る道、ひととき厚い雲が切れて、
背後から、赤金色の光が射込んだ。

まず、歌があったのだ。
巡礼に寄り添った民謡を聴きながら、
光がまた雲に隠れるまでの、ほんの短い時間。

藤原南家郎女が、二上山にみた御姿。
赤金色の光のなかに、今、きっとおみえになる。
背中に感じて、ハンドルを強くにぎり直しました。


* * * * *

森散策、『沈黙の塔』読了。
E.A.ポーを思うよな幻想と、時世への警句。
なかなかに、好き。


posted by K10 at 23:34| 日記

2008年05月23日

ギアチェンジ

ホルン奏者 K3氏との合わせ。
7月「モーツァルトとシューベルト」演奏会の企画を練る。
原典的演奏について、活発な意見交換。
時をたぐり寄せることは非常に困難だが、夢に満ちている。

* * * * *

高校時代からの友、ピアニストの Y紀ちゃんとランチ。
はっきり言って、友達が皆美人なのが自慢です(ふんぞりかえりっ)。
この日も彼女は美しかった。
彼女のお洒落には、微かな物憂げさと優雅な物語を感じます。
ああ、好みですー。

15歳から、ずっと。
年齢とともに、話題にのぼる出来事は少しずつ変わっても、
底に流れているものは、やっぱり同じ。
愛おしいことです。
ありがとう。

* * * * *

ふと思いついて、前髪を厚めに切りました。
コンサートのヘアメイクでもお世話になっている、
『 Gramorous Bambi 』さんにて。

http://gramorous-bambi.com/#

コンサート用の、額を出すアレンジももちろん可能です。
しっかり気分も変わって、よしっ。
Bambi さん、いつも本当にありがとうございます。

* * * * *

どきどきするような、新しい情報も入ってきています。
情報と一緒に、届けられる愛情も。
本当にありがとう。いつも、ありがとう。

さあ。
新しい季節にむかって。きりりと行きましょう。













posted by K10 at 23:20| 日記

2008年05月19日

貪る5月(園芸店)

『たにぶち園芸』〜谷口広樹と溝渕美穂の二人展
(於:スペースプリズム・デザイナーズギャラリー)
を観にいく。

満ちていたなあ・・・。

2008年我が家の暦は、溝渕さんの絵です。
毎日見ていて、網膜にすっかり馴染んでいる彼女の絵。
とはいえ、これまでに見せて頂いた作品の数は、ほんの
微々たるものなのですが。

なんというか。なにかが違った。
おこがましくも恐れ多い発言ながら、この度の展覧会、
溝渕さんの「芽吹き」の瞬間、を見た気がする。

いいなあ。いいなあ。
心が木の芽時な昨今の私は、直で反応。


谷口広樹氏の作品を観たのは初めてでした。
いやはや。
なるほど、溝渕さんが「神」と呼ばれる方。

(憧れの芸術家がいることの幸せと、葛藤。
 苦しみをさらに、上回るあらたな幸せ、と、。
 あえて、私にも理解る、といいたい。)


欲しい作品がありました。
でも、他ですでに取り置きの絵画作品があり。
すでに、○の桁いってるのだ。
ううむ、ううむ。

あの空間に、ころんとひとりで寝転がってたいなあ、
(宇宙的原っぱに、ああ至福ナリ。)
などと傲慢な妄想を抱きつつ。


5月の充電、満タンな感じです。
俺も、芽吹くぞ。




posted by K10 at 23:30| 日記

2008年05月17日

貪る5月(マタタビ)

20年来の友 Junちゃんが、連休をとって里帰り。
一緒にmini tabi 、お伊勢参り。

http://clubman.sblo.jp/article/15004546.html


今年一番の、完璧な夕日を見る。
女同士で海を見るのは、たぶん80歳になってもいい時間。

* * * * *

今日もいい天気でした。
譜面立ての楽譜に、5月真昼の光が反射する。
楽器とつながる指もあたたかく。いや、熱く。

いやいや。
木の芽どきに浮かれる心も、そろそろクールダウン?

…いやいやいや。

posted by K10 at 22:50| 日記

2008年05月15日

貪る5月( soul set !!! )


Tokyo no.1 soul set のライブへ行く。

最新アルバムの、求心的な深みやせつなさはほんとに夢にまで出て来たけれど、
(朝、涙で目が覚めるなんて、最後がいつだったか思い出せない程久しぶり)
ライブでは、それは放射状に炸裂する力。

彼らは、私にとっての、何かしら、理想を体現しているようです。
その理想とは、厳密になんであるのか、私にもよくわかりませんし、わからなくていい。
ただ若い頃から、ああ理想的だなあと思って聴いてきました。
そして、彼らを初めて聴いた20代前半よりも、今30代後半の私の肌の温度は、その理想と少し近しくなっていた、ように感じたライブハウスの暗がり。
歳をとるのは悪くないなと、ここで思うとはね。
(ただ、2時間のライブを踊って両太腿がパンパカリンの筋肉痛なのは頂けない。)

ヴォーカルの BIKKE が、パソコンを持っていないことを知る。
ブログに綴りながらなんなんですが、理想的です。


連休に旅行でさんざ楽しい思いをしたばかりなのに。
貪るように、快楽を体に詰め込む5月。
(まだまだ、お楽しみの予定はあるのだ、むふふ)

遊んでばかり、ですよ。
今は開いている感じですから。
同じことをしていても、今は、快感が大きい気がしますから。
木の芽どき、なんでしょうかね。


P.S. 今日は、私の大切な人のお誕生日です。
  いつも、大きな水の竜と一緒にいる。
  お誕生日おめでとう。どうぞしあわせでありますように。
  甘露の雨が、降り注ぎますように。








posted by K10 at 23:33| 日記

2008年05月11日

春旅2008(後編)

近江、磨崖仏と石仏をめぐる旅の2日目。

http://clubman.sblo.jp/article/14764930.html

日常はすでに始まっており。
練習と家事の合間、隙をぬって書いています。
ですから、文章はてんでバラバラ。お許し下さいませ。

能登、近江、和歌山、そして伊勢。むろん京都も奈良も。
この一帯をめぐる旅は、私の大切な趣味です。
歴史に泳ぐ感覚。そしてそれは、私の臍に繋がっているように思われます。
いつか、ゆっくりと、まとめてみたいものです。

追記:
旅の最終日。一気に書き上げました。

http://clubman.sblo.jp/article/14817662.html

次の旅までは、本とネットで妄想。
叶うならいつの日か、私自身の良い石と巡り合いたいなあ。
posted by K10 at 00:49| 日記

2008年05月08日

春旅2008

恒例の春旅。
今年は2泊3日で、滋賀の磨崖仏、石仏廻りをしました。
近江の良さを知ったのは6年前。
以来、どんどん好きになります。

旅ブログ『気球にのって』を始めました。

http://clubman.sblo.jp/article/14725146.html

まずは、初日分だけまとめました。
(初日分だけで9ページ。先が思いやられます…)

近江路への、ほんのちょこっとした参考にでもなれば幸いです。
posted by K10 at 23:41| 日記

2008年04月29日

完成

公式ホームページ ( OFFICIAL WEBSITE ) 完成いたしました。

『階段のまんなか』〜 ピアノ弾き加藤希央 OFFICIAL WEBSITE 〜
http://www.halfwaydown.net/


Drawing&Design : HIDEKI MAKI
Web Cording : STUDIO-WAVE (http://www.studio-wave.com/)


素晴らしいデザイン、そして技術。
知恵と力をくれた全ての方々に、心からの感謝を。
本当にありがとうございました。
これから、大切に育てていきます。
そして、私もしっかり育たなきゃ。


無限に広がるネットの世界に、浮かぶ小さな階段の、
ステップひとつ。

ようこそ、ようこそ。
よろしければ、どうぞ遊びにいらしてください。






posted by K10 at 23:40| 日記

2008年04月24日

二兎

シューベルトを練習していて、右手オクターブ分散パッセージのなんてことない所がなぜだか今日は全然ダメでミスタッチの山。
モーツァルトを練習していて、左手別になんてことないはずのパッセージがもっさり寝ぼけたみたいな音して全然起きてこない。
むっとしながら練習していたら、右手は古傷が痛みだし左手はなんてこと、つった。
レベル、ひくい。ひくいぞっ。
ああ、不愉快千万(自分に)。

明日は仕切り直して、機嫌なおして(重要)、練習します。

* * * * *

HP立ち上げを機に、PC環境を整理しようと奮起、エイッ。
これまで、イマサン考えがまとまらないまま windows とmac.
二兎の間をさまよっておりました。
この、優柔不断な状態をまとめてしまいたい。

夕刻、PC関連の相談役O氏に同行してもらい、mac shop へ。
(仕事帰りにそのまま駆けつけて下さったO氏。感謝!)
win.も mac.も、やっぱり二兎とも欲しい私。
それも、今や不可能ではないようです。
ううむ。ううむ。一晩、考えよう。










posted by K10 at 23:26| 日記

2008年04月21日

POWER

更新があきました。
10日ぶり、お久しぶりです。
「風邪でもひいた?」
と、声をかけてくれた友よ、ありがとう。
私は元気です。
少々バタバタとせわしない週でした。

何事もそうですが、あと少しで完成、からが大変。
ホームページ、あとほんの少し、なのです。
私もがんばるぞ、あと少し。

そして、物思う日々でもあり。
世界中で、砂嵐が吹き荒れているようなこの頃。
様々な意見が飛び交うなかで、音楽の力も、
様々に使われているようです。

私は日和見、かもしれない。
けれど音楽の力、その光と闇を信じているからこそ、
とても慎重になっています。
もっと知らなくては。そして、考え感じなくては。
職業音楽家の端くれとして、責任を思う2008年春。


posted by K10 at 23:59| 日記

2008年04月10日

春、の下に虫虫で、うごめく。
見事だなあ、と思う漢字のひとつ。

* * * * *

いよいよ、ホームページが立ち上がります。
かなり、時間がかかりました。
スピードが勝負の、ネットの世界に浮かぶ小さなサイト。
まったく急がず、焦らないで作りました。
お力添えいただいた全ての人に、感謝でいっぱいです。
皆様にご紹介できる日まで、あと少し。

* * * * *

La fiaba 10月の公演《マントヴァ〜イタリア音楽紀行》、
名古屋公演とともに、東京公演も決定いたしました。

東京公演:
2008年10月4日(土)sonorium(世田谷区永福町)
名古屋公演:
2008年10月15日(水)電気文化会館ザ・コンサートホール

ソプラノ長澤さんと、熱く語り合うことたびたび。
そして、私のピアノには、深い深い洞穴が出現しています。

* * * * *

桜も緑。
春の雨、そして風の強い日です。
季節は、ぐいぐいと動いていくようです。

posted by K10 at 23:46| 日記

2008年04月03日

たくさんのありがとうを

アンサンブル・カラヴィンカ・チャリティーコンサート
ご来場くださいました皆様に、心より御礼申し上げます。

当日は、少し季節が戻ったような冷たい風の吹く日でした。
桜の花びらが、鮮やかに舞っていました。
そんななか、平日にも関わらずたくさんのお客様にお集り
いただきましたこと、本当に嬉しく思っています。

そして、いつも胸が高まる、カラヴィンカメンバーとの共演。
このアンサンブルに参加できることを、心から誇らしく、
嬉しく、ありがたく感じています。
みんなみんな、本当にありがとう。

なお、正確な寄付金額が分かり次第、こちらのブログ及び
カラヴィンカ・ホームページ
http://www16.plala.or.jp/e-kalavinka/index.htm/
にてお知らせさせていただきます。

皆様のお心に、深く感謝いたします。
本当にありがとうございました。

* * * * *

翌日はすぐさまマントヴァ探索。
La fiaba の相方、ソプラノの長澤雅恵さんと
図書館にて過ごす午後でした。
リストの放つ熱の、なんと艶やかで美しいこと。
偉大さに、ますます惹かれてゆきます。
posted by K10 at 22:51| 日記

2008年03月27日

後の世に生きる誘惑

リスト《超絶技巧練習曲》、標題のない第2番。
これを私は、勝手に『小鬼』と呼んでいる。

* * * * *


『小鬼 』

詩人は驚き目をあげた。
侘しい彼の屋根裏部屋に、狩りのラッパが聞こえたから。
見ると机の片隅に、太った油虫にまたがった小鬼が3匹。
縫い針を槍に、白髪を編んだ縄を振り回し、
大きな蛾を狩ろうとしていた。
(蛾は羊歯のような触覚を持つ、謎めいた白い女だった)

”まわれ!まわれ!” ”かこめ!かこめ!”
なんとも耳障りな羽音をぶんぶんたてながら
小鬼は蛾を追い回す。
鱗粉を散らし、蛾はよろよろと逃げ惑い、
とうとう蝋燭の火に身を投げて、ぱっと炎をあげると
燃え尽きてしまった。

「哀れな。」
詩人が思わずつぶやくと、小鬼はそろって詩人をみた。
そしてやおら詩人に襲いかかり、縫い針の槍で目を突いた。
恐れをなした詩人は、ドアへ走り部屋を飛び出す。
が、それはドアではなく、窓だった。
彼の住処は屋根裏部屋、詩人は通りへ真っ逆さま。

「哀れな!」
小鬼は叫んで消え失せた。


* * * * *


練習曲2番に浮かんだ、私の身勝手なイメージです。
(挿絵は、グランヴィルの版画でお願いします。)

なんだか色んな話の色んな部分が寄せ合わさったみたいだぞ。
そして無意識ではあるが、イメージの根っこにはベルトランがいるぞ。


ああ、アロイジウス・ベルトラン。
『夜のガスパール〜レンブラント、カロー風の幻想曲』は、
私の、幻想の聖典。


……まてまて。
まず、この曲に、リストは標題をつけなかった。

リストが14歳で書いた『12の練習曲』を、41歳3度目の改訂で完成させた1852年、ベルトラン34年の貧困と孤独の人生は、すでに閉じられていた。詩人の死後、1842年に出版された『夜のガスパール』初版は、たった21部しか売れていない。
リストがこの詩集を手にした事はよもやあるまい。
だいたい、趣味が違いすぎる。

1811年生まれのリストと、1807年生まれのベルトラン。
年代は重なっているけれど、その芸術のポジションは、ほとんど一世代違う。
たいていの場合、文学が先駆け、絵画が追い、最後が音楽、なのだし、ベルトランは飛び抜けて時代を超越していたのだから。
この詩集から標題を選び作曲したのは、1875年生まれのラヴェルだった。


後の世に生きる、再現芸術にたずさわる者として、たとえ個人的にもつイメージであろうとも、私は非常に注意を払わなければならない、と思う。
しかし、これは実に、抗い難い誘惑だ。
私は、いつも遊んでばかりいる。


とどのつまり、すべてはよい演奏にむけて、なのです。
逃避、終り。練習、練習。




posted by K10 at 18:01| 日記

2008年03月24日

恵み

『イタリア文学への誘い』フィレンツェ・ルネサンスの文学と歴史
著/野里紳一郎 NHKカルチャーアワー 文学の世界 NHK出版

読書中です。
ペトラルカの生涯の項、次の一文に胸が熱くなりました。

翌19日の朝、書斎で亡くなっていたペトラルカの頭(こうべ)は、ウェルギリウスの原稿の上に置かれていたと伝えられています。
(第3回 フランチェスコ・ペトラルカの生涯とその時代 P.59 )



ああもう、幸せ。
このようなイメージに、巡り会うことの喜び。

ダンテは『神曲』のなか、桂冠詩人ウェルギリウスに導かれて、地獄と煉獄を旅します。
ペトラルカはその幼い日、ピサにて、ダンテの姿を見かけたこともあったでしょう。

美しいトライアングル。

そしてウェルギリウスは、紀元前70年10月15日、ガリア・キサルピナのアンデス(現在のマントヴァ近郊)で生れました。


・・・なんと。
10月15日は、La fiaba《マントヴァ〜異界への扉〜イタリア音楽紀行》名古屋公演開催日です。
ドキドキドキドキ。



また後日、資料室にてまとめたいと思っています。
posted by K10 at 23:58| 日記

2008年03月17日

しごと

県内でも有数の進学校の、高校合唱部とその OG、OB による演奏会へ行く。
プロのオーケストラとの共演経験もある彼らの名は、これまでもよく耳にしていた。
ホールいっぱい、巨大な光の柱のように立ちのぼるハーモニー。
本当に素晴らしかった。

舞台で見事な響きを組み上げる彼らを、眩しい思いで見つめた。
ああ、美しいなあ。

そして、舞台と自分との間に広がる、深い谷を意識した。

昔、私の Muse がプレゼントしてくれたフィンランドの詩
『職業(しごと)』。
帰宅して、久しぶりに開いてみた。


職業(しごと)

誰もこの踊りがこんなに長かろうとは教えてくれなかった。
君はただ一緒にくわわり、夕暮れがやってきたならいつでも
好きなときにやめて食事に、あるいは眠りに家に帰ることのできる
戯れであるかのように遊んだ
そして夕暮れはやってくる。 しかし君をつかまえている手は君を離さず
君はほんのわずかやってみるけどあきらめて、遊びを続け
いまも微笑むが、それ以前とは違った微笑み
いまだに君はそれを本当だと信じない
踊りは夜まで続き、影は黒い肉のように
長く、強く、動いて行き、初めての恐怖が襲う
自分の人生がやはりそうだったとようやく判るとき
しかし君はその恐怖に打ち勝ち、それとともに生きられると決め
そして恐怖は失せる、初めての喜びがやってくるとき
そして次のもっと大きな恐怖、もっと大きな喜び
踊りの輪は夜に、昼に続く、なおも深く
君はすべての笑いと涙とを、笑い、そして泣き
一層じょうずに踊り、すでに新しい振り付けを思い付き、微笑む
微笑み、知るところを知る

誰も始めには教えてくれなかった

Pentti Saaritsa 『フィンランド現代詩集選』





ああ。今日はまた、特にいいな。
posted by K10 at 00:05| 日記

2008年03月13日

オルフェオよ

朝から演奏会の打合せへ。
その後、楽譜と資料を探して図書館へ向かう。
が、書庫整理のため休館だった。ガックシ。

帰ろうかと思ったけれど、がんばってもう一軒楽譜屋へ。
そしたら、入手は難しいと諦めかけていた別の楽譜が、
あっさりと発注できた。
早ければ今週中にも手元に届く。ハッピー。
で、一勝一敗。

* * * * *

マントヴァには、異界(冥府)へ繋がる巨大な口がある。
その思いは、どんどん強くなる。

* * * * *

ずっとずっと書けずにいる手紙がある。
ある芸術家へ宛てた手紙。
(密かに「冥府の哲学者」と呼んでいる人へ)
私と離れていながら繋がっている何かが、
書け、と伝えていて、それは正しい。
でも、今の私には、愛も力も足りないのだ。
書きちらした屑ばかりが、そこらで拗ねている。
不思議なことに、こんな時こそ読み返したい
彼の著作が、本棚から消えて見つからない。
でも、必ずその時は来る。じっと待つ。
待ち続けること。

* * * * *

あっちもこっちもソコイラジュウ。
薄い層を隔てて、そこは異界なのだ。
posted by K10 at 23:09| 日記

2008年03月10日

マントヴァのヘラクレス

リストを練習すると、どうしても親指の爪が割れる。
ううむ。牛乳は大好きなのですが。

練習中、甘い物が欲しくなりキッチンへ。
コーヒーを淹れ、チョコレートをかじりながら、
ふと、積まれた古雑誌に目がとまる。

するとあらららら。
思いがけず、マントヴァのヘラクレスと出合いました。

資料室へどうぞ。

http://storeroom.sblo.jp/article/12181873.html
posted by K10 at 23:26| 日記

2008年03月07日

曲目変更とカッチーニ

アンサンブル・カラヴィンカ・チャリティーコンサートにて、
ソロ演奏に予定しておりましたリストの《マゼッパ》。
コンサートのプログラムに対し、少々重すぎることが判明。
こちらで告知したばかりですが、残念ながら今回は曲目を変更
させていただくことにしました。
同じく『超絶技巧練習曲』より第1番「前奏曲」と第2番を。
万が一《マゼッパ》を楽しみにされていた方がみえましたら、
本当に申し訳ございません。
でも、1番2番も実にリストらしく素敵な曲です。
どうか、お楽しみいただけますように。


* * * * *


さて、今秋予定されているソプラノとピアノによる演奏会、
テーマは北イタリアの地マントヴァです。
近代オペラの誕生はかの地、ゴンザーガ家の居城ドゥカーレ宮。
モンテヴェルディによる『オルフェオ』。
しかし今わたしは、カッチーニが気になって仕方ありません。

ということで、資料室。

http://storeroom.sblo.jp/article/12030103.html

posted by K10 at 09:38| 日記

2008年03月04日

弥生

4月、木管五重奏+ピアノ《アンサンブル・カラヴィンカ》の
チャリティーコンサートご案内状発送の準備に追われています。

この演奏会では、久しぶりにリストの『超絶技巧練習曲』を。
日本で弾くのはお初、第4番:マゼッパです。

この曲を最初に勉強した留学時代。
レッスンの折り、師事していたノーマ先生が
おっしゃいました。

「この、曲の最後の部分はね。
 力の限りに戦った馬がくずおれ、力を振り絞って体を起こし、
 またくずおれ、そして、つい力に尽きる。
 そこへ天の光が降り注ぎ、天使のラッパが鳴り響くのよ!」

楽譜には、先生のくっきりと太い鉛筆の書き込み。
語る先生の、熱い眼差しとともに思い出します。

そして、そこから過ぎてきた時も。
2008年。とりあえず、バイロンとユゴーが扉。

* * * * *

さて今秋の演奏会。マントヴァが呼んでいます。
ヴェルギリウスよ。オルフェよ。「音楽」よ。
2005年の夏、初めて訪れたかの地で再会した
いとしのダンテ様。
そして、2007年に発掘され、世界が感動に震えた、
あの、抱き合い見つめ合う、美しい骨のふたり。


眠らないで、本が読めたらいいのに。








posted by K10 at 00:10| 日記

2008年02月29日

spring ! spring !

歌曲伴奏のお仕事に、高速道路をつかって出動。
むかう先生のお宅は、しみじみ美しい里山のなか、
夏には源氏蛍が舞うという、せせらぎのほとりにある。

2008年うるう年2月最後の日。
いよいよ The SUNDAYS《 reading, writing and arithmetic 》をカーステに。
「今日から、春。」と決めた日にかける CD なのです。

まだ新しい湾岸の高速は3車線。
青い空。
広がる視界の先、浮かぶ雲のなかに虹が浮かんでいた。
初めて見る景色。そのまんま七色の雲。
童話のなかだけじゃ、ないんだ。

このまま、空まで飛んでいきそうです。
こんな日のシューベルトは、いよいよ沁みるなあ。

* * * * *

午後にはピアノの調律。
《イスラメイ》の練習を始めたとたん、弦が2本ぶち切れた。
子供の頃からお世話になっている調律の宮北氏は、
我が音楽之師のひとりであります。
演奏会当日はもちろん、日々の練習を支える自宅ピアノの調律の時も。
お会いするたび嬉しくなって、そして安心するのです。
嬉しくなるのはもちろん私だけでなく。
ピアノも、上機嫌。

spring ! spring !
庭の白木蓮、銀のうぶ毛が光っている。

春ですね。
テンションの高い一日でした。


posted by K10 at 23:21| 日記

2008年02月22日

資料室作りました

ピアノに向かい楽譜に向かう時、作曲家の存在が、心にありありと確かならば。
その作品とは、たいてい仲良くなれる。

今夏に決まったコンサートの、
ブログラムの主人公はシューベルトに決定。

ああ。はにかんだ笑顔のとても素敵な。
服はよれよれ。靴下にはいつも穴が開いてる、彼ね。
シューベルトの楽譜を開くと、いつも同じ気配と温度を感じる。

と、突然われにカエル。
「シューベルトって、靴下履いてたのかしら?」

で、資料室をつくりました。
『資料室 ( 踊り場のノート 別館 ) 』http://storeroom.sblo.jp/

調べてみたコトガラを羅列。
苦手な整理整頓の一方法として、試してみようと思います。
まだまだ散らかっておりますが。
よろしければ、どうぞ。





posted by K10 at 22:27| 日記

2008年02月14日

歴史は日々

刻んでおきたいささやかな幸、出来事の多いこの頃です。
ううむ、追いつきません。

* * * * *

コンサートの翌日、名古屋市博物館にて開催されていた『トプカプ宮殿の至宝』展へ、最終日に駆け込む。

 「…歩調が乱れたのは、イスタンブールを訪れた時である。
  トプカピ宮殿の宝飾の展示を、通常の取材以上の熱心さで
  見て歩いたのがまずいけなかった。そして、その後で、
  グラン・バザールも取材したからなお悪い。宝石には無関心
  であった私が、ここではじめて、宝飾の素晴らしさに眼を
  見張る。」
  『イタリア遺聞』より     塩野七生:著 新潮文庫

この文章が頭に残っていたため、どうしても見に行きたかったのです。
留学中ロンドン塔で見た、英国王室の宝石・宝飾類には鳥肌が立った。
これらスルタンの至宝も、イスタンブールで見たら、本当に髪の毛が逆立つんだろうな。
ダイヤモンドの煌めきと細工の美に目をまん丸くしながらも、イスラムの風がイマイチうまく感じられなかったこの日。
「当地」の圧倒的エネルギーは言うまでもないことですが、
少なくとももっと歴史を勉強してから行くべきであったと反省。
それでも「オリエント(東方)」にまつわる夢見心地は、確かに受取りました。
お姫様の、赤い絹地に金糸の細やかな刺繍が施された編み上げの靴。
このたまらない可愛らしさに、連想は連なるビーズ。

* * * * *

La fiaba 、次回演奏会の企画準備が始まりました。
息つく間もありませんが、こんな幸運もないのです。
ソプラノ長澤雅恵さんと、早速の楽譜屋、図書館めぐりへ。
次は「歴史」が軸となるプログラムのため、調べが少々大変、
ながら、その楽しい事はこの上なし。
今秋、また皆様にお会いできますことを願っています。

* * * * *

森林散策。
『舞姫』『魔睡』『花子』『木精』『沙羅の木』読了。
浮気ばかりで超スローペース。
寄り道迷い道で出合ってすごくよかった、
笙野頼子『幽界森娘異聞』読了。



posted by K10 at 23:01| 日記

2008年02月11日

お茶とお菓子と音楽と

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ソプラノとピアノのユニット La fiaba 冬のお茶会コンサート
《 La musa lirica 〜叙情詩〜 》終了いたしました。

この日は澄んだ晴天ながら、前日の大雪が残るなか
ご来場くださいました皆さまに、
心より御礼申し上げます。

また慣れない会場での催し、諸々行き届かない点がございましたことを、深くお詫び申し上げます。

しかしながら。
あたたかな雰囲気で、空間を満たしてくださった皆さま。
お客様のまなざしが、とても心に残っています。

本当にありがとうございました。

この日の思い出と、感覚を胸に刻んで。
さあ。
新しい音楽が、もうすぐそこに。
今日もいつもどおり、ピアノに向かいます。


(写真は、我が幼友達ではんこ職人でもあり帽子・鞄デザイナーでもあり3人の天使の最高のママでもある Lazyko が作ってくれた La fiaba はんこです。すっばらしいです。Thank you Lazzy !! )



posted by K10 at 11:11| 日記

2008年02月09日

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雪は雨に。

La fiaba お茶会コンサート《 La musa lirica 〜叙情詩 》前日。
名古屋は、今冬はじめて雪が積もりました。

見慣れた窓の外も、白く静められています。

写真は、ベランダに積もった雪です。
妄想は軽やかに。
イタリア、雪に埋もれた小さなアトリエまで、ひとっ飛び。


明日の交通に、影響がでないことを祈りつつ。
おいでくださる皆様、どうぞお足下によく気をつけて
いらして下さいませ。

天空のレストランでお会いしましょう。


【追記】

今夜ははやく眠らなきゃ、と思いつつ。
本番前、眠れないのはいつものこと。
パッパの『即興詩人』を枕のお伴に。( 22:45 )

posted by K10 at 17:42| 日記

2008年02月04日

節分

いよいよ、腹のなかで竜が暴れ出した。
これでいいのだ!
これを越えなければ、私は資格を得られません。
ある種のバロメーターでもあります。

コンサート前の緊張、といえばひと言ですけれど。

共演のソプラノ長澤雅恵さんとの、打合せとリハーサル。
隅々、本当に細かな事にまで神経を尖らせる。
尖らせずにはいられない私たち。
真剣になればなるほど、やっぱり視界もせまくなる。
深めつつ、ゆるやかな広がりを忘れず。
彼女の声が大好きだから、そのことを忘れたくないのです。

今日は節分。
長澤さんのお母様が、恵方巻きを作って下さいました。
なんと優しく、いいお味。
胸いっぱいにお願いごとを思って、南南東にむかって、
口をきかずにむしゃむしゃと食べました。
実は、初めての丸かぶりです。

そして、陰極まり陽に転ずるこの日。
思いのたけを込めた恋(音楽)の残り火を消しました。
余韻は、しばらく残ると思います。
感謝だけを、私の終りまで残したいと思います。

posted by K10 at 01:46| 日記

2008年02月02日

珍しく長電話した夜。

携帯電話は軽すぎて、
「このコードのむこうにあの人が」の情緒もなし。
だから、見えない電波を存分に想像してみる。

この日、こぼれ落ちた気持ちは毛糸玉。
絡まって絡まって、部屋はサイケな色で埋めつくされる。
そのなかを、ウロウロと歩き回りながら。

* * * * *

指が筋肉痛です。
遠い昔。イタリアに生まれた男の、スペインの記憶。
雪の重みと、静けさも。

《 La musa lirica 〜叙情詩〜 》。
大好きな世界を、好き好きいっぱいに散りばめたプログラム。
耳の奥がしんしんしている。
逢瀬まであと一週間。








posted by K10 at 02:59| 日記

2008年01月23日

雨は上がったけれど

うむむむむ。今日は厳しかったです。
何時間弾いても、どう弾いても、ちっとも音が鳴らない。
心と耳と頭が、音楽からずうっとずれっぱなし。
こんな日があって、大丈夫なんだろうか私。

真摯なる音楽愛好家でお料理の達人 Dr.A のご招待。
夢のような晩餐を頂いたのは先週の日曜日のこと。
(この一週間の慌ただしさはそれこそ瞬き1回でした)
お借りした、スコット・ロスの弾くスカルラッティをかけている。
チェンバロの爪が、心臓のあたりにいるコチコチの塊をひっかく。

* * * * *

お友達の誕生日。恋人からのプレゼントは、見事な細工が施された銀の短剣。
鞘にはパイソンの革がとても繊細に巻かれて、柄には黒い石が嵌め込まれていた。
「お姫様に、剣を贈る話があったからって。」
素敵な話すぎて、目眩がした。
そうでなくても、『スウィーニー・トッド』を観てからこっち、ひどく涙もろくて困っているのに。

* * * * *

ああ、バレエが踊りたいなあ。(経験皆無)

体の芯が、グラグラのバラバラのフニャフニャです。
久しぶりにマットを出してピラティスをしてみたけれど、違った。
音楽に身を任せたいのよ今わたしは。

* * * * *

雨はあがったけれど、路面はまだ濡れている。

バロックの熱は、とても深い所に。
そして恐ろしいほど秘めやかに。
いったいどこまで降りていけばいいのだろう。
冷たい真珠の核は、重くとろけるように燃えている。
その熱が、私の奥の奥をざわめかせる。
ざわめくばかりで、届かない。
あーもー。
いったい、どれだけの片思いに耐えればいい?

(どなたも、私の片思いなんて知ったことではない)

はい、わかっています。
明日も、しゃあしゃあと私はピアノに向かいます。














posted by K10 at 23:26| 日記

2008年01月19日

Lyrics

2月 La fiaba 公演『 La musa lirica 〜叙情詩〜』の、プログラムノート執筆中。

演奏曲目における歌詞( Lyrics )の翻訳は、ソプラノ長澤雅恵さんとの共同作業です。
(完全なオリジナル翻訳ではありません。社会史まで全てに精通するほどの、勉強の時間も力もないのです。それでも、和、伊、英、露の辞書と手に入るだけの資料をひろげ、言の葉の間をころころと転がる時間は、手間もかかるがたまらなく楽しい。)

ピアノと机、パソコンの間を、行ったり来たりの土曜日。

自分で阿呆かと思うのですけれど。
歌詞を書いているだけで、うるうるっときてしまう。



 『 雪降りつむ 』

 畑に 道に 静かで軽い雪が
 大きく旋回しながら 落ちてゆく
 雪片は踊る 広い空に戯れながら
 そして大地に 疲れて横たわる

 無数に 不動の姿勢で
 屋根に 煙突に 石碑に 庭に 眠る

 すべては安らぐ
 深い忘却のなかに閉じ込められて
 世界は無関心に沈黙する
 限りない静寂に 心は様々な思い出に帰り
 そして 微睡む恋を考える

 (レスピーギ:歌曲 " Nevicata " )


ああ。
歌曲っていいなあ。


 ……

 ああ そは彼の人か 
 たったひとり 寂しい心が たびたび思い描いてきた
 秘めやかな彩りをもつ ときめきよ!
 あの方は 慎み深くそっと 病身である私の心に触れ
 燃えあがらせ 愛を呼び覚ました!
 この愛 世界を覆いつくす激情 なんという神秘 気高さ
 心のうちの この苦痛と喜び!
 ……

 (ヴェルディ:歌劇『椿姫』《ああ、そは彼の人か》より抜粋)


ああ。
オペラっていいなあ。
ものすごくいいなあ。

楽譜と辞書を前に、鉛筆と消しゴムを握りしめ、傍らにティッシュの箱。
本当に阿呆かと思いますが、本気で感極まって涙と鼻水が。

生まれ変わってまた女性だったら、歌の上手い人になりたいです。

* * * * *

話は変りますが、本日は祝!
ティム・バートン監督『スウィーニー・トッド』公開日です☆
昨年末より、この日を心待ちにしておりました。
今宵、劇場へ。
ボーダーの靴下を履いていきます、もちろん。



posted by K10 at 14:27| 日記

2008年01月17日

神奈川にて(2)

相模大野にて一泊。
翌日は横浜美術館に『 GOTH 展』を観に行く。
http://jiu.ac.jp/yma/goth/

ゴシックではなく、ゴス。

美術館の空気そのものが私の気分を高揚させたし、
何より前日は舞台で、魔物と睨めっこしたばかりだったし。
奇妙なハイテンション。
作品それぞれに、私は充分に浸かり、泉の時間を楽しんだ。
(死と水の密接な関係。形象化以前の、芸術の混沌。
 バシュラール。ロマン派。死の舞踏。ぐるぐる。)

その夜。
" GOTH " に、自身の表現活動における現状の閉塞感をみて、突然途方にくれる。
今も、くれ続けている。

横浜では美術館のあと、元町の洋館をめぐった。
歩いている時は、全然感じなかったのに。
思い浮かべるあの日の景色の中に、なぜかルイス・キャロルの姿が見えるのだった。
(たしかに常設展で J.M.キャメロンの素敵な写真は見た。でもなぜ?)

この沈みが、次の揺れ(ぶらんこで空に)を連れてくる。
ただ毎日を、ピアノから、音楽から、泉から目を逸らさずに。
念仏を唱えるようにして、明日のスケジュールをチェックする。






posted by K10 at 23:31| 日記

2008年01月14日

神奈川にて(1)

13日(日)、2008年初演奏会。
わが師の門下生による発表会、特別演奏枠に出演させて頂く。
お声をかけて頂き、本当に有難うございました。

演奏中、思いがけない曲の思いがけない箇所で、魔物の巣に落ちる。
そいつの赤い眼と、目が合ってしまった。
びっくりした。

ライトは煌々と明るいが、舞台には見事な闇が広がっている。
魔物には良い顔と悪い顔があって、それはきっと、聖なる存在も同じ。

終了後、師とお弟子さん数名で居酒屋に。
(なんという懐かしい時間!!)
留学目指して目一杯に毎日を過ごす彼女や、じっとピアノとの関係を模索する彼女。
道に迷うこともある。
うんと若い彼らの、たった今の今は、とても眩しく。
その真ん中に、すっくと立つ御柱のような師の姿。

私は?

ただ、「表す」というすべてのために、自由でありたい。
その厳しさに、耐え突き進む力よ、どうか、力よ。



posted by K10 at 23:14| 日記

2008年01月09日

ロックの小部屋

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そのはっとするよに白いスケジュール帳は A4 サイズ。
暦には二十四節季と月の満ち欠け。
自由に使えるノートや白紙のページがたっぷり。
何より嬉しいのは、五線紙と原稿用紙がついていること。
新年3日、学生時代からの友人が教えてくれた
shop shcool cafe モノコトさんで出合う。無論即購入。
http://osu-monokoto.petit.cc/

素敵な展覧会もやっていて、作ることに愛を注ぐ人々の気に包まれてとても穏やかな気持ちになった。
イラストレーター溝渕美穂さんのカレンダーを購入。
音楽室に飾る予定だったが、家に着き袋から出したとたん、リビングにいる蓮の実が嬉しそうに光った気がした。なるほど、お似合いなふたり。
スピーカーに飾られたお鏡餅と、実家の庭からもいできたゆずとレモン。
うむ。いい眺めです。

5日は Guiro のライブに誘われる(ああ、有難う J ちゃん)。
いやはや。バンドのライブなんて、いったい何年ぶりなのだ?
狭いステージに、マイクを通す声もなんだか生暖かくてものすごく気持ちがいい。
室内をダイレクトに震わすドラムの音が、心の角質を取ってくれた。
何年間も、毎日必死にクラシック音楽と格闘していたら、いつのまにか、私の胸にあったロックの部屋がなくなってしまった。クラシックに、浸食された形。
それが Guiro の音楽に揺すられて、また、新しい小部屋ができた模様。
クラシックとロック。時間軸の捉え方など、私のなかでやっと咀嚼できたからか。
うん。これからも格闘は続けさせていただきます。
そしてさらに、ライブハウスに行こうと思います。

白いスケジュール帳は、制作ノートとして活用することに。
最初に書き記されたのは、スカルラッティに関する記述。
2月、ラ・フィアーバ公演『 La musa lirica 〜叙情詩〜 』。
ふつふつとしております。





posted by K10 at 01:07| 日記

2008年01月04日

整理製本

年明けズレコミで、音楽室の掃除をやっと終える。

楽譜、書籍、CD など。
一切合切を棚から出して、新しい直感と想像で収め直す。
すると、これまでとまるで違う配置になった。
そうか。私は今、こんなふうに考えているんだ。
それはとても良い頭の掃除となりました。

そして、師より頂いた貴重な楽譜や、図書館で出合って少しずつ集まってきた様々な紙資料約2年分を、ひたすら製本。
スプレー糊のガスで、私がちょっと仕留められそうになる(絶対要換気!)。
ばらばらのまま、クリア・ファイルに放り込んであった想念たち。
ぼんやりしていた彼らに、いきいきと、立体と順序が備わっていく。

明るくなった音楽室に、新しいカレンダー。
えっへん。いい気持ちです。

私はとても不器用なので、いっぺんにたくさんの仕事をすることができません。
ですが、これからは益々、私のせいいっぱいを惜しみなく。
健康によく留意して、落着いた心で、ピアノに向い泉に向いたいと思います。






posted by K10 at 23:39| 日記

2008年01月01日

A HAPPY NEW YEAR

2008年、あけましておめでとうございます。

元旦、朝焼けの空に少し驚かされました。
午後からは、時おり小雪もちらつきました。

楽の音は、音の姿のみにあらず。
大気いっぱいに弾けている、はず。
歓喜とともに、真空の厳しさをもって。
宇宙服なんて着ないから、時々恐ろしくて足がすくみます。

今年も、扉を探し続けたいと思います。
そして、その向こうへ。
ダイブし続ける勇気と、努力を。

みなさまの健康とご多幸を、心よりお祈り申し上げます。
2008年も、どうぞよろしく。



posted by K10 at 23:30| 日記

2007年12月27日

ストラのこと

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年賀状、ただいま必死で書いております。
元旦にはお手元に届けられないかもしれません。
みなさま、ごめんなさい。

例のごとく、強すぎる筆圧で手が痺れてきたのでちょっと休憩。

来年の干支はネズミさんですが、写真は猫。
この子は、今年私が出合った忘れられない猫です。

10月、《春の祭典》コンサート東京公演4日前のこと。
パン屋さんへ買い物に行く母につき合い、私は車を出しました。
そのパン屋さんの駐車場で飛びついてきたのが、この子。

パン屋さんの子かと思ったのですが、実はそのパン屋さん、猫が大の苦手。
2日ほど前からずっとここにいて困っている、とのこと。

我が家で、猫と暮らすことはできません。
でも、車がびゅんびゅん走っているここに、この子を置いていくことが、母も私も、どうしてもできませんでした。

その日は、携帯電話に記録された殆どの番号に「猫飼えませんか」とかけまくり、この子の家を探すことで過ぎてゆきました。
電話をかけ続けながら、自分の行動が不思議でした。
いつもなら、食事すらまともに取れなくなるほどピリピリしてしまうコンサート前。
しかも準備に2年近くをかけ、その苦労も並大抵ではなかった《ハルサイ》東京公演の4日前なのに。
自分では飼えない猫のことで、ピアノに触らないなんて。

結局、いつもお世話になっている音楽サロンのご家族が、飼い主が見つかるまで預かってくださることになりました。
(本当に本当にありがとうございました)
そして今は、お優しい老夫婦のお宅にもらわれて、幸せにしているようです。

一緒にいた1日だけ。母はこの子を「ストラ」と名付けました。
瞳に、強いラッキーを宿した子。

この子の体温と一緒に伝わったもの。
忘れないでいよう、と思います。
posted by K10 at 23:47| 日記

2007年12月24日

懐かしい音

今月のはじめ、留学前にお世話になった女声合唱団の演奏会があった。
アマチュアだが、演奏によせる情熱に甘えは全くない。
それは私をどきどきさせた。むろん、会場が美しい熱で満たされたことは、いうまでもない。
(そして主宰の先生の、年齢を超越した可憐さ。しなやかな強さと、深々としたビロードのような女性らしさにも、まったくもってうっとりとしてしまった。)

会場で、作曲家の岡坂慶紀先生にお会いすることができた。
その日のプログラムは、先生の作品をメインに組み上げられており、終演後お優しい笑顔でコーラスをねぎらわれていた。
先生は私の出身大学名誉教授である。私が在籍していた当時は、作曲科の教授でいらっしゃった。

学生時代、私はありえない不良学生だったし、先生の講義を受けるチャンスにも恵まれなかったため、お話させて頂く機会は得られなかった。
しかし、同合唱団で伴奏ピアニストを勤めていた頃、先生の女声合唱のための新作を初演させて頂くという、なんとも光栄な出来事に巡り会ったのだった。
だったのに。
今にして思うと、私は勉強のしかたを知らなさすぎた。
初演の演奏会はきららかな夜で、本当に嬉しかった思い出が残っている。
でも、やはり今思うと、もっともっとすべきことがあったと反省ばかりなのだった。

10年ぶりにお会いする先生と、はじめてゆっくりお話する時間。
おだやかで軽妙、でも少し恐ろしい。そして、あたたかい。

先生の作品を収めたCDを聴かせて頂いた。
すると、私の耳から時空が歪み、学生時代のあの校舎と夕日と闇の気配に、すっぽりと包まれてしまった。
そして、さらに沈み込む、不思議なぬくもりのなか。

西洋音楽と格闘する日々に、同じ温度の血流を感じた瞬間。
私は、日本人でした。

池田満寿夫氏の作品が、ゆらりと脳をよぎった。
なんだか色々と沸き上がって、楽しい今日この頃です。


posted by K10 at 01:55| 日記

2007年12月21日

camera

071221_1056〜001.jpg

camera : 【英】カメラ。写真機。【伊】部屋(女)。部屋着→da camera

ソロでの新プロジェクト(大袈裟)と、来年2月 La fiaba(ソプラノ・レジェーロ+ピアノ)でのお茶会コンサートのための、写真撮影。

撮影場所は、今回もお仕事ご一緒していただくこととなったデザイナー、M 氏が決定。『会議室』と呼ばれるその部屋は、とても古いビルの奥まった一角にある。
カメラマン W 氏とは、実は10年以上も前にお会いしていることが判明。不思議なご縁に笑顔。
ヘアメイクは、心からの信頼をよせる美容の女神 Madame* B. 。
有能機敏なアシスタント S も参加。強力なる布陣に、安心と緊張。

些細ながら、要求される姿勢(形態)に体を決めることは、かつて夢中だった演劇以来の感覚で、なんだか懐かしく楽しかった。
もっとも、才能がないとわかったから脱落したわけで、この日、さぞやデザイナー、カメラマン両氏はもどかしかったことだろう。
それでも、時間いっぱいまで、少しでもよい空気を映し撮ろうとして下さった。
本当にありがとうございました。
(そして、まもなくあがってくるデザイナーさんの案がとーっても楽しみ。)

Madame* B.。
あなたのサロンにて鏡の前に座る時間は、特別です。
これまで、転居したり環境が変わったりするたび色々な美容院へ行ったけれど、結局また、Madame* のサロンに戻ってくる。
なぜなら、魔法の力が全然違うから。
気安く座ってなんていられない。いつも心が引き締まります。それが快感。
この日のスタイリングも、感動的でした。
(なおブログ右欄外、告知の La fiaba 夢写真は、Madame* が撮って下さいました。すべてに突き抜けたセンス。あこがれだ。)
本当にありがとうございました。

そして、La fiaba の相棒 Masae ちゃん。
20年来のお付合い(出合った頃は、ふたりともセーラー服だったわね)。
アシスタント S が撮ってくれた息抜きショットでは、ふたりの表情が、笑っちゃうくらいシンクロしているのだった。変な顔になるのも、同じタイミング。
2月は、きっといいコンサートになる。どうぞよろしくね。

音楽を伝えるための、音以外の努力も、私は惜しまず楽しみます。
素晴らしき camera の一日。

(掲載写真は、アシスタント S 撮影の記録写真です。)










posted by K10 at 01:20| 日記

2007年12月12日

空色の玉手箱

宅急便がとどく。

空色のお菓子箱。差出人欄には、我が師 高須博先生のお名前。
中には、拝見したくてお願いしていた、楽譜の束が。

贈り物の箱を、もったいなくて開けるのをためらってしまう、なんて感覚。
箱を机の上に置き、そのまわりを、猫のようにぐるぐるとまわりたくなる。

そしてにやにやしながら、じっくりその気持ちを味わってから、おもむろに止められたガムテープをはずしていく。

そうっと蓋をあけると、一番上には師の文字で簡潔な手紙。
ふうわりふわりと、美しくまとめられた楽譜の上に、ふんわり置かれていた。

空色の玉手箱。
お伝えできるでしょうか。まとめられた楽譜の束(まだ製本されていないもの)が、本当に柔らかくおさめられた箱のなかの、安らかな空気を。

ご多忙極まる先生が、私のような下っ端の弟子にまでかけて下さる愛情。
込められた厳しさに、身が引き締まる。

一曲ずつ、一ページずつ開いて行く。中には、師の書き込みがそのままにある曲もあって、ものすごくどきどきするのだった。
ああ、一生懸命がんばってはいるけれど。私の歩みは、遅い。遅すぎる。
でも、ぼんやりと浮かんでいたイメージが、熱を帯びて成長をはじめた。

これからも音楽表現という大海原を、全力で探検していきます。
本当にありがとうございました。















posted by K10 at 01:52| 日記

2007年12月05日

焔(ほむら)の冬

子供の頃、ひと月が30日の月と31日の月とあることが不思議だった(2月のことは、よくわからなかった)ので、おばあちゃんに聞いてみた。
「西向くサムライ、と覚えなさい。」と教えられた。
2月、4月、6月、9月、11月が、31日じゃない月なのよ、と。
なぜ11月がサムライなのかと聞いたら、漢字の十一をくっつけて書いてごらん、武士の「士」の字になるでしょう。
以来、11月は私の頭の中で、怖い刀と一緒になった。

武士(もののふ)の月最後の週からこちら、新しい表現世界への扉が次々と姿をあらわしている。
具象、抽象、さまざまに。

徳川美術館で開かれた、V.アファナシエフ氏のレクチャー『死と愉しみ』。
マイクの調子が悪くて、くぐもって届く、氏のフランス語は遠い星から響く声。
あらかじめ渡されたテキストも含め、言葉のすべては理解できなかった。しかし、最後に演奏されたショパンのワルツは、氏が言葉によって蒔いたエレメンツを一気に発芽させて、会場を一面、闇色の唐草で覆ってしまった。

黒い黒い(くらいくらい)、ほのあたたかな、むこうがわ。
(不明瞭な書き方をお許しください。私には、そう感じられました。)

オンオンとまるで子供のように泣いてしまった私の心に、瞬時あふれたあの「怒り」の感情は、いったいなんだったのだろう。
西洋の死生観と、東洋の死生観。うすらぼんやりとその違いを感じてはいたけれど、あの時とり込まれた世界は、そのどちらでもなかった。
氏の故郷であるロシアの、異界にその答はあるのだろうか。
いずれ、旅に。

オペラ的なるものへの誘い。
(これもまた、まだ曖昧な書き方しかできないのですけれど)
ここに、真に私の仕事があるのかどうかは、まだわからない。選ばれるのか、選ばれないのか、決めるのは私ではないと思っています。
ただ、身の内からも外からも感じる「焔」の感覚。
遠い戦国の世と結ばれ、ひとりの女性が立ち上がろうとしている。
どうあれ、私は、彼女に遇いたい。

突き動かされる師走。
明日も、来年に予定された演奏会の打合せ。その後は楽譜屋と図書館にて資料の探索(この迷い道は楽しい)。
どの企画にも、思いがぱんぱんに詰まっている。が、私の感情は、少々置いてけぼり気味だ。

後からついてきなさい。待ってはいられません。






posted by K10 at 03:10| 日記

2007年11月28日

トリナディ三重奏団:パラミタ美術館公演
《ウィーンからの手紙》
素晴らしいお天気だったこの日、たくさんのお客様に
耳をかたむけて頂き、心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。

前日まで頭にこびりついていたのは、
チェロ・ソナタ作品38だった。
演奏したトリオは作品40。あいだに、
あのしみじみとした円舞曲を含む
連弾作品集を挟んで(もちろん初演はクララと)。

我が師がかつて語った「髭のないブラームス」について、
思いを巡らす。
まだまだ、とてつもなく、深い。探求は続くだろう。


この日は、近くに住む大学時代の友人ご一家が来てくれ
本当に嬉しかった。
七五三で初めてお着物を着た娘さんの話
(もう可愛くて可愛くて。おばちゃん目に入れます)。
学生時代から、お洒落極まりなかった友がくれたブーケも
また、お洒落極まりなく。感動。

さらに、驚くべき人の登場。高校時代の同級生だった。
会うのは卒業以来。
昔からとびっきりチャーミングな人だったが、
その笑顔の温度は全く変らず。
でも、過ごした年月の重みが、眼差しの奥に輝いていた。
しっかりと夢を抱いた彼女。
その夢が叶うことを、願って止まない。


そして気づけば、演奏会から3日も経っているわけで。
今日は、午後から来年の企画会議。
明日も、新しく開拓を始める分野での作戦会議がある。

ゴドフスキーの楽譜もスタンバっている。

毎日、ちゃんと新しいのだな。
一年で一番特別な12月。瑞々しくありますように。








posted by K10 at 23:43| 日記

2007年11月21日

三の河

トリナディ三重奏団の「トリナディ」とは、サンスクリット語で「三の河」の意。
ホルン氏が命名。
3人とも、愛知県三河地方に縁をもつ。
それぞれの音楽が3筋の流れであるなら、たがいに溶け合い共に進み、また意外な向きに放れてしぶきをあげる。うむ、よいイメージ。

宮沢賢治の小説にでてきそうな、そんな楽団になりたいな。
週末の演奏会のため、昨日は3人集まってリハーサル、その休憩中。
オーケストラの仕事で、仙台から帰ってきたばかりのヴァイオリンちゃんのおみやげ、「 KIT KAT ずんだ風味」を食べながら。

冗談ばかり言い合っている。
でも、音を合わせると、不思議な静寂がうまれる。
音楽が流れる。その下で、じっと感じ合う6つの耳と目。
まだ、時々はにかんでしまうけれど。

室内楽って、素晴らしいな。


 「・・・室内楽はいつも特定の限られた聴衆を対象に
  書きつづけられてきたのである。
    大衆の嗜好や、一般受けする演奏効果に対する
  配慮を必ずしも必要としなかった室内楽は、だから
  こそ余計な粉飾を思い切って削ぎ落とすこともでき
  たし、またよりシャープに核心に迫ることもできた 
  のである。様々な外的条件に煩わされることなく、
  作曲家が自己の自由な音楽創造の世界にのみ没頭で
  きたそのシンプルな形態は、各声部の充実とその内
  発的な力によってのみ初めて精妙な調和的世界へと
  収斂しうるが、それが室内楽というジャンルに、他
  のいずれの器楽ジャンルにもまして独特の緊張と求
  心的な力に満ちた、純粋に美的な音空間を与えるこ
  とになったのである。」
(『室内楽の歴史―音による対話の可能性を求めて』中村孝義:著/東京書籍)


うわあ・・・、愛だなあ。
と思って読み進み。かなり厚いこの本一冊丸々が、愛に満ちていた。
しあわせな読書。

ともあれ、トリナディ。
ブラームスは、正直、私には弾くがめっぽう大変、な作品。
練習、練習っと。



 
posted by K10 at 23:56| 日記

2007年11月17日

女の愛

来週末の演奏会にむけ、ブラームスの背中を探し見つめる毎日。
でも私の心に浮かんで消えないのは、クララの大きな瞳だった。


ブラームスの『ウェルテル時代』。
この経験は、彼のその後の一生に計り知れない影響を及ぼした。
(おそらく)子まで成した、14歳年上の人妻クララ・シューマン(偉大なる師の妻)との愛。
師ロベルト・シューマンの死とともに、その炎は消える。

「その後、ブラームスのクララに寄せる愛情は同情へと変っていった。」


なんだと。

そんな書き方、クララが可哀想すぎるじゃないか。
同情されるなんて、女の愛の末路としては、一番最低だ。

クララは、人気、実力とも兼ね備えたピアニストだった。
ブラームスの作品も、コンサートでたくさん演奏している。

演奏中、あの下降旋律に、胸が締め付けられなかったろうか。
指が、ふるえなかったろうか。


演奏するのは《ホルン三重奏曲》作品40。1866年の作品、ブラームスは男盛りの33歳だ。
クララとの別れから10年が過ぎようとしていた。
愛しい母の死、父の再婚など日々に追われつつ、ブラームスはウィーンにて、一歩一歩円熟にむけて進んで行く。


 「ヨハネス(ブラームス)の《ト短調四重奏曲 (ピアノ四重奏曲
  第1番) 》の練習。11月16日。夜、私の演奏会。私は神経
  がひどく高ぶっていたが、それはこの《四重奏曲》に対する
  不安のせいだったのだろう。この曲は私の心に重くのしかか
  っていたのだから。殿方は、私がどんなに愛情込めて演奏に
  打ち込んでも、逃げ出すか居眠りをしていた。終楽章は大き
  な成功を収めた……。
  12月3日、私はフィルハーモニーの演奏会で、ヨハネスの
  《ピアノ協奏曲ニ短調》を彼自身の指揮によって弾いた。
  ホールに居合わせた人たちの中で、最も楽しい思いをした
  者は、この私だったろう。なぜと言って、この曲を弾く苦労
  は並大抵のものではなく、少なからず不安を伴ってはいたけ
  れども、この作品から得られる喜びと、彼がみずから指揮を
  したという喜びが他の一切に優っていたからだ。それどころ
  か、愚鈍な聴衆は私を立腹させもしなかった ― 彼らはまっ
  たく何一つ理解しなかったし、感じてもいなかった。そうで
  なかったら、彼らは少なくとも相応の敬意を払って、この作
  曲家にせめて共感の意を示さなくてはいけなかったのだが
  ― 何しろ彼はこの町が生んだ子なのだから!」
(クララ・シューマンの日記1861年:『ブラームス』ハンス・A・ノインツィヒ 著/山地良造 訳:音楽之友社より)


 作品と人間は、非情に切離して考えなくてはならぬ面がある。
 矮小な考えにとらわれてはいけないと言い聞かせてもいる。
 私が感じなければならないのは、彼の音ではない。
 そのむこう側の、エネルギーだ。
 いたる道は、星ほどにある。


私は今のところ、クララとは友達になれないように思う。
でも、愛の尾を受入れられない男に、女がどれほど傷つくかはわかる。
(もてないことの告白みたいだが)

クララは、ブラームスのすべてを受入れた。きっと、そう。

クララでなくとも、ブラームスを弾きながらふいに指先から感じる、他にあまり味わったことがないような愛おしさ。
これは、女にしかわからないかもしれない。

簡単に、「母性」と言って欲しくないのだった。
これも、たぶん、女にしかわかるまい。











posted by K10 at 02:54| 日記

2007年11月07日

ウィーンからの手紙

頭のなかからウォッカの匂いをすっかり消してしまうのに、意外と時間がかかってしまった。

次の逢瀬は、美術館にて。

☆トリナディ三重奏団『ウィーンからの手紙』☆
出演 :Vn. 古井麻美子 Hn. 加藤恵三 Pf. 加藤希央

とき :2007年11月25日(日)

ところ:パラミタミュージアム(三重県菰野町)
    http://www.paramitamuseum.com/

〈プログラム〉

モーツァルト:ホルン五重奏曲 K.407 より第1楽章
モーツァルト:ホルン協奏曲 K.412 より(その他、お楽しみに)
クライスラー:中国の太鼓
シューマン:《子供の情景》より「詩人のおはなし」
ブラームス:ヴァイオリン、ホルンとピアノの為のトリオ Op.40


ここ数日は練習のはじめ、入念にバッハを弾く。
心を調律するように。

ドイツ語を解さぬ私にとって、ドイツ/オーストリアとは黒い森だ。
ああ、ゲーテ様。

この疾風怒濤に身を任せるのは、なんだか久しぶり。
そして色づきはじめた街路樹と冴えた青空、ひんやりする空気に
なんてしっとり馴染むのだろう。

さて、今夜は誰の書簡集を読もうかな。

posted by K10 at 23:35| 日記

2007年10月15日

濃蜜な秋(1)

Mr.takasu2.jpg
何から書けばよいのでしょう、ノウミツな秋。


まずは先週木曜日に開催された我が師 高須博先生のリサイタル
名古屋公演について。


チラシに掲載されたプログラムを見た時から、すでにそわそわと落着かなかった。
この滔々と溢れるロマンティシズムに、果たして私は耐えられるかしら。

師のプログラムは、他のどこにもない光彩を放っている。
そしてそれがリサイタル当夜、師のピアノ演奏によって、現実の時のなかに立ち上がり流れ出した時、聴く者の人生に投げかける魔法の力は、強烈だ。
オルフェウスの竪琴。

今年のプログラムは、また格別。
師の指が鍵盤に触れたとたん、すべての作品が命を得て輝きだす様に、後を追う身である私はすっかり目が眩んでしまった。


 「太陽神アポロンの息子パエトンは 身のほどをしらず
  神のみが御することのできる太陽の馬車に乗り
  世界を破滅させそうになる
  怒った雷神・全能神ゼウスの雷に打たれ
  パエトンは焼かれて命を落とす」

(このギリシア神話が思い出されたりして、せつないし。)


プログラム最後の曲は、ストラヴィンスキー《火の鳥》。
2日後に、*AK* the piano duoの《春の祭典》を控えていた。

いったいこの美しい流れに、師の愛を感じない弟子などいるもんか。

その演奏は不死身の《火の鳥》だった。
すでに、演奏者の出入りのあいだ客席の拍手が鳴り止まないという、文献で読む19世紀ロマン派時代の演奏会そのもののような状況だったが、《火の鳥》がもたらしたカタルシスに、この夜の会場は完全にノックアウトされた。

ああ、なんていい気持ちだったろう。


アンコールは、火照った心を少しずつ冷却してくれる。
とびっきりのグラッパ(食後酒)のような、パンチも残しつつ。


聴けなかった方たち、大丈夫。
まだ東京公演があります。


◆  ◇  ◆  ◇  ◆


高須 博 ピアノ・リサイタル《 The Art of Transcription 》

【 東京公演 】 2007年10月24日(水)
 開演19:00(開場18:30)
 角筈区民ホール


《プログラム》

☆ヴェルティ/プリュダン:トラヴィアータ・ファンタジー

☆ペルゴレージ/タールベルク:ニーナ

☆ベッリーニ/タールベルク:ストラニエーラ・ファンタジー

☆マスカーニ/フマガッリ:カヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲

☆ビゼー/ホロヴィッツ:カルメン変奏曲

☆ヴァーグナー/ブラッサン:
 虹の架け橋とヴァルハラ城への神々の入場(ラインの黄金より)

☆ヴァークナー/ブラッサン:魔の炎の音楽(ヴァルキューレより)

☆ストラデッラ/タールベルク:教会のアリア(祈り)

☆グルック/スガンバーティ:精霊の踊り

☆ストラヴィンスキー/アゴスティ:
 「火の鳥」より地獄のダンス、子守唄とフィナーレ


◆  ◇  ◆  ◇  ◆


〈お問合せ〉東京公演:デュオ ジャパン 03-5428-0571
      http://www.duojapan.com/

東京公演:全自由席 前売・当日券 4000円
チケット 東京公演:デュオ ジャパン 03-5428-0571
     チケットぴあ 0570-02-9990
     e+(イープラス)http://eee.eplus.co.jp
東京文化会館チケットサービス 03-5815-5452










posted by K10 at 11:18| 日記

2007年09月22日

サラマンダー

私の体内には、サラマンダーが巣食っている。
その火竜の存在を意識したのは今年に入ってからだが、
体調不良の大部分は、おそらく、この子の吐く火のせいだろう。

肺から胃から、五臓六腑がいつも焼け爛れている感覚。

ヴェネツィアでひと月も過ごせば、
きっとこの子は小さな黒曜石に固まって、私の体から出て行くだろう。
アドリア海に漂いながら遠く流れて行くその子を、
私はほっとして、でも、寂しい思いで見送るのだろう。

でも、私は知っている。
この火竜は、外から入ってきたのではないことを。
生まれた時からずっと、私はこの子と一緒にいる。
時々暴れだすこの竜のことを、私は、昔から知っている。

おそらく、これからもずっと、竜は私とともにいる。
posted by K10 at 09:36| 日記

2007年09月18日

我が師

Mr.takasu.jpg

毎年10月、私はラブレターを書く。
それは出さない手紙。
憧れで日記をびっしりと埋め、また1年後の出合いを待つ。

我が師、高須 博氏のピアノ・リサイタルに寄せて。

去年の頁には、その音楽をチェーザレ・ボルジアになぞらえて、夢のような片思いにぶっ倒れている私がいた。


◆  ◇  ◆  ◇  ◆


高須 博 ピアノ・リサイタル《 The Art of Transcription 》

【 名古屋公演 】2007年10月11日(木)
 開演19:00(開場18:30)
 電気文化会館 ザ・コンサートホール

【 東京公演 】 2007年10月24日(水)
 開演19:00(開場18:30)
 角筈区民ホール


《プログラム》

☆ヴェルティ/プリュダン:トラヴィアータ・ファンタジー

☆ペルゴレージ/タールベルク:ニーナ

☆ベッリーニ/タールベルク:ストラニエーラ・ファンタジー

☆マスカーニ/フマガッリ:カヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲

☆ビゼー/ホロヴィッツ:カルメン変奏曲

☆ヴァーグナー/ブラッサン:
 虹の架け橋とヴァルハラ城への神々の入場(ラインの黄金より)

☆ヴァークナー/ブラッサン:魔の炎の音楽(ヴァルキューレより)

☆ストラデッラ/タールベルク:教会のアリア(祈り)

☆グルック/スガンバーティ:精霊の踊り

☆ストラヴィンスキー/アゴスティ:
 「火の鳥」より地獄のダンス、子守唄とフィナーレ


◆  ◇  ◆  ◇  ◆


嗚呼この日だけは、思う存分こころをロマン派色に染めよう。
血潮の薔薇色ヴェルヴェット。
夜空より滑らかな漆黒のシルク・サテン。
泡のようなレースを飾る、ダイヤモンドのボタン。

極上の時間へ。
今年もまたまもなく、いそいそと、逢瀬の支度にとりかかる。


 
posted by K10 at 10:22| 日記

2007年09月16日

マイクのまなざし

ソプラノ・レジェロ+ピアノのユニット " La fiaba " 。
2作目となる録音作品のレコーティングが、先日終了。

私たちが最初に作った録音物は12年前、カセットテープだった。
ああ、時代。
某FM局の、新人バンド募集のイベントに送ったデモテープ。
楽しかった。そして、若かった。


今回は、心から信頼するエンジニアH田氏を迎えてのレコーディング。
12年前と同じホールで、集中と覚醒の3日間。

H田氏の言葉。
優しさと厳しさが、これほど見事なバランスで配合された言葉には、そうそう出合えるものではない。意識の階層が、すいっと引き上げられる。それも、とても自然に。

マイクにもまなざしがある。
彼がセッティングしたマイクは、彼にそっくりなので、私たちはとても良い気持ちで、マイクの前に立つことができるのだ。

ところで、私の力不足は「力の無駄遣い」が原因のひとつであるらしい。
今年に入ってから、体調が良いことなど滅多にない私。さすがに、それではカレンダーをめくれなくなってきていて、果たしてこのレコーディングも乗り切れるのか、とても心配だった。
しかし、H田氏は不思議な「食べさせオーラ」も持っていて、一緒に過ごした3日間は、実によく食べ、おいしく食べ、よく笑い、よくしゃべった。

そして、相棒の声と笑顔。
彼女の歌は、いつも、私をしあわせにする。

H田氏、相棒にもらったたくさんの温かなアドヴァイスを、ひとつずつ思い返している。これを、大切にしていこう。

私たちの、小さな小さな作品。
完成まで、まだ愛を込める作業がたくさんある。



posted by K10 at 09:58| 日記

2007年08月27日

カラヴィンカ

アンサンブル・カラヴィンカ2007年の公演が終わった。毎年このメンバーと、この時期たがいの音楽を重ね、そして、夏の終りを知る。

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posted by K10 at 09:49| 日記

2007年08月20日

【 公演情報 】

☆アンサンブル・カラヴィンカ プロデュース
《室内楽コンサート2007〜ウィンド アンサンブル オブ アイチ ジャパンを迎えて》

8月25日(土)名古屋・伏見・電気文化会館ザ・コンサートホール
(地下鉄:東山線/鶴舞線「伏見」駅C出口より徒歩2分)
開場17:30 開演18:00 全自由席3000円

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posted by K10 at 00:34| 日記

2007年08月19日

マリオネット

一週間後のコンサートで、リャドフの《マリオネット》を弾く。
これは、ストラヴィンスキーの《ペトルーシュカ》で踊る操り人形と、きっと同じものだ。自分の額の先あたり、ここのところずっと、固い表情をした操り人形の幻影がちらついている。

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posted by K10 at 03:37| 日記

2007年08月15日

ここは

はじめまして。
ここは、『階段のまんなか』の、踊り場です。
(もう少ししたら、もう少し詳しくお伝えできます)

2階の子供部屋から、ピアノの置かれたホールへと続く階段。
その踊り場には、本箱と小さなベンチが置いてありますから、ちょっと腰掛けて休んだり、ふと本を手に取りページを捲ることもできます。

西日が差し込む高い窓があって、空と、小鳥が巣をかける樹の枝が見えます。
私はいつも階段に腰掛けて、時間のむこうにいる彼らのことを、考えています。

よろしければ、ときどき遊びにいらして下さい。
posted by K10 at 02:40| 日記
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