2012年05月06日

ゴシックの原点

『オトラント城』
ホレス・ウォルポール 千葉康樹 訳
英国十八世紀文学叢書4 研究社

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やっと読めました…!

堪能。


以下にご覧にいれる物語は、英国北部に古くから続くカトリック教徒の家の書庫で見つかったものである。この物語は一五二九年、ナポリにおいてゴシック体の活字で印刷されたのだが…



回りくどい(若干言い訳じみた)物語の導入。
人物描写の単純さ、甘さ、展開の強引さ。
幕引きの唐突さ、不自然さ。
上等な小説でないことは確かだが、そもそも上等である必要などないのだ。

そしてこの感覚こそ、ロマン派の根幹であると私は信じています。


ウォルポールの生涯をかけた夢「ストロベリー・ヒル」
(ああ、もうこの命名からしてたまらないったら)。
張りぼてでぶくぶくと増殖するゴシックの館。
建築において“ゴシック的なるもの”を表現し続けた彼の、小説はまた夢のひとひらであったのか。


ところで我がフランス語の師は、バロック時代の演劇がご専門だが、ウォルポールの愛人(であったかもしれない)盲目の女性に興味をもたれていた。
ウォルポールよりだいぶ年上のその女性について、わずかだが書かれているらしき本を発見、即注文。
(…いったい私は書籍代をどう支払っていくつもりなのだろう…)

* * *

連休の読書はロマン派三昧。
またあらためて。

* * *

p.s. 超久しぶりに DRESS ROOM 更新。なんと3年経っていました…。







posted by K10 at 23:48| 本棚
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