2012年06月01日

アンサンブル・カラヴィンカ第9回定期

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結成から10年を迎えたアンサンブル・カラヴィンカ
第9回定期演奏会、ご来場頂いた皆さまに心より御礼申し上げます。

ドビュッシー、イベール、フランセ。
今年メモリアルな3人の作曲家をテーマに据えたコンサートでした。
木管アンサンブルにとり、とても重要な作曲家たちでもあります。

ドビュッシー《牧神の午後への前奏曲》6重奏編曲版を、演奏する機会に恵まれたことは実に幸運であった、と同時に、難しい課題でした。

思い出したのは、かつて挑戦したストラヴィンスキー《春の祭典》
ピアノ・デュオ版(スコアと首っ引きで過ごした日々!)。
しかしあの時は、一緒に奏するのが同じピアノであった。
今回は木5。オケ的呼吸にも不慣れな私、今後へのさらなる課題。
ただ当日は、舞台の魔法もあってやはり幸せでした。
カラヴィンカの皆、いつも本当にありがとう。


この他、私はピアノ・ソロと、曲目解説のトークも担当。
あれこれ調べ物するのも、実に楽しく。
しかし、もっとより良くまとめられなかったかと反省も。
しかも、マイクを持っての挙動が実にエレガントでなく
(原稿を持つ手、マイクを持つ手がぎこちなさすぎ、
 マイク・コードに振り回されて客席におシリをむけて
 しまったこと多々。)
これも課題。

幼い日よりずっとお願いしている宮北氏の調律に、この日もどれだけ助けられたかわかりません。
ピアノの音色そのものへのお褒めの言葉を頂きました。
ピアノが鳴っていた。もしかすると、一番嬉しいことかもしれない。
日々、一層練習に励みたいと思います。
本当にありがとうございました。


終演後のロビーで。暗くてごめんなさい…。

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フラッシュ撮影したデータがなぜか壊れている 泣)。
どうしたんだベイベー optio RX1500ちゃん。



アンサンブル・カラヴィンカ、今秋には滋賀県での演奏も。
来年の定期にむけても、既に動き始めております。

どこまでも音楽をお届けします。
今後とも、どうぞよろしくお願い致します。






posted by K10 at 23:00| 日記

2012年06月02日

2012年5月の復習

(「ふくしゅう」と打ったら最初に「復讐」と出た。
 最近書いたゴシック小説に関するレポートのせいだ、
 きっとそうだ、ううむ。)

* * *

ご無沙汰しております。
はや、水無月。皆さま、お元気ですか。

カラフルな私の手帳、びっしりと隙間のない5月。
(ぺんてるマルチ8、2本使いで楽しんでおります)
有難いことながら本当に忙しかったけれど、楽しい日々でした。

先月末、ずらっと巻物様の更新を致しました。でも。
記録、記憶の整理にも、これはあまりピンとこないな、と思い。

これまでは、「書いた日付」をそのままにアップしてきましたが
ルール変更。復習更新がほとんどなので。
「出来事のあった日」を、綴りの日付に設定して更新します。
(そうでない場合は、そのむね記載するようにしてみます)


以下、ずずいっと5月の復讐、じゃない復習。

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ニジンスキーの牧神。
彼の踊りを観るには生まれるのが遅すぎたことが悔しい。




posted by K10 at 05:03| 日記

2012年06月03日

ハルサイとイワクラ

勢い余って連投更新。


今日は朝から岩倉市にて伴奏のお仕事。
道路も空いてるし、照り過ぎない程よい天気だし。
ドライブ日和。

すると、付けていたラジオからズービン・メータ指揮ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団によるストラヴィンスキー《春の祭典》が。

ライブでも何度か、CDでも色々聴いている、なぜだか縁あるハルサイ。
しかしこのメータの演奏は初めて聴いた。そしてすごい!

なんだろう、このパルスの感覚。
ものすごく心臓を思うのに、どこか無機的な感覚にも捕らわれる。
ブラボー。

これはアナログを探そう。

番組タイトルは<ズービン・メータ〜若き日の名演〜>。
年齢と演奏の関わりを実感できるようになったのは、私自身が四十路を越えてからです。
うん。素晴らしい。


* * *

ところでドライブ中、ふと地名に目が止まる。

三ッ淵(ミツブチ)、八釼(ヤツルギ)、石仏(イシボトケ)…

むむむぅ。
そもそも、岩倉(イワクラ)、とは。
磐座ではないのか?

帰宅後、ググってみるも、目立つ情報はない。
新溝古墳の巨石のことか。
ううむ。


近いうちに、時間みつけて歩いてみよう。





posted by K10 at 22:42| 日記

2012年06月06日

灯を受け継ぐ

午前中を大学で学生として過ごし、
午後からは社会人として会議に出席する。

直感だけで仕事はできない。
けれど、私は直感だけが頼りだったりする。

ただ、心から、大切に受け継ぎたいと願う思想。
それはしみじみ、灯のようなもの。
そのようなものに、自分が出会うとは思っていなかった。

否。そのような直感があったからこそ、
きっと、私はここに来ているのだろう。

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空と風景に、思いは宿る。






posted by K10 at 23:49| 関ヶ原

2012年06月08日

CHAIR cheers CHAIRS!

愛知県立芸術大学 資料館 展覧会

【CHAIR cheers CHAIRS!】

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会期:2012年5月15日〜6月10日 ※終了


* * *

現役で学生だった頃は、ほとんど入ったことのなかった資料館。
(階下の部屋は、1年生時「和声」授業の教室だったので、
 毎週火曜日の1限、通っていた。
 夏になると、蝉の声がものすごく反響していた記憶。)

実にもったいないことをした。
美しい空間。
ようやく、体感できるようになった私。

どこか、遠方の美術館に、雰囲気の似た空間があったような…。
そこには、高村光太郎の彫刻があったような…。

何もかも、おぼろげな記憶、ばかり。

* * *

会期終了ぎりぎりで飛び込めた。
気の利いたタイトルで、楽しい展示でした。

ただ、椅子の展覧会で座れないのはフラストレーションが溜まる。
これはイタシカタナシ。


吉村先生の本箱が好きです。
自然に懐かしい。




 
posted by K10 at 23:52| 日記

2012年06月10日

流動する境界とそれを操ること

《魔術/美術−幻視の技術と内なる異界》
 2012年4月13日→6月24日
 愛知県美術館

愛知・岐阜・三重の3県立美術館の、第6回目の協同企画展。

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既に観たことのある作品も多かった。
(岐阜県美のコレクションはなかなかにツボ)
それらを、独特の視点を軸に並べてみせることで、
新しい感覚を呼び起させる。
展覧会の主題として、そんな目的もあったのだと思う。
そしてその手法自体が、私のプログラム・ビルディングの方法に
近しい部分があるように感じて、ううむ、色々と考えてしまった。

20世紀末からこちら、「境界」とやらは、
当たり前だが何にもなくなってはいない。

ただ、異様に流動する。

私はその「流動する境界」を操作したいのではない。
はっとする瞬間に、獣のように飛びつき捕えたい、
時に切り取りたい。

何よりも、あるがままに。


しかし果たして、…。



図録の解説にあった「コレクションとスーヴニール」の定義。

すなわち、コレクションは分類を経て美術の動向など抽象化された一連のコンテクストへ再配置されるもの
である。その過程において、固有の過去は取り替え可能なものとなり、コレクションというシステムが全てに優先する。一方、スーヴニールはより個別的で物語性を孕んでいる。対象物と、それが本来あった場所、時間、そして、それを眺める「私」が遠く隔たっている場合、その断絶こそが見る物の欲望、空想を刺激する。

中村史子「コレクションの魔力」展覧会図録p.11



ここに反応する私は、もう何年も前から同じ壁の前にいる。

この展覧会、作品ではなくその主題そのものに対して、
私は随分と個人的な問題意識を観てしまったらしい。
そしてそれをこうして晒してしまうのは、私の名にかかった
呪のせい、ということにでもしておこうか。
(昔むかしの、ロシアのマジシャンと同じ名前なんです。
「魔術」の言葉に妙な反応をするのは、きっとこのせい)


* * *

この日の午前中は、発表会の伴奏のお仕事だった。
時にアクシデントもあるが、それすらも美しいと思う。
音楽を趣味としてシンプルに愛する人々から、
学ぶことはいつも本当に多い。

     
それにしても、長い一日だった。






posted by K10 at 23:58| 展覧会

2012年06月13日

ゼミ3回目

とにかく一刻もはやく、「調査」なり「研究」なり、
まともなレベルに到達すること。

小学生の夏休みの自由研究、と自嘲気味に呟いたら、
いや、中学生くらいじゃないですか。

ううむ、シャレにもして頂けないらしい。

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学食裏の緑が、ぐんぐん色濃くなってきた。


午後は、そのまま他県まで移動して仕事。
頭の切り替えが大変だった。







posted by K10 at 23:30| 日記

2012年06月16日

ピアノ搬入

新しいアトリエに、魂が入る日。

ピアノの搬入日。
残念ながら、雨。

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除湿機とにらめっこする設計のT氏。
後日談:温度・湿度ともよく安定して非常によい環境。
    何より、響きが素晴らしい。


ピアノの引越しに付き合うのは、ざっと数えて10回以上。
たぶん、多い方?

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何回目だって、変わらずどきどきする。



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1年半ぶりの再会。
この子が私を連れて行く馬、黒い馬。

待たせてごめんね。
夏がくるね。どうぞよろしくね。


この環境を授けてくれた、両親、家族。
私は芸術とともせいいっぱい生きることを誓います。

本当にありがとう。




posted by K10 at 23:51| 日記

2012年06月17日

豊かの郷のピアノ

ピアノと出会ったのは、2009年のことだった。

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そこは豊かの郷。
時代の荒波の中、たくさんの人が守りぬいた、伝統の学び舎。
その圧倒的に美しい校舎の、美しい講堂の片隅に、その子はいた。
経た年月がそのままに刻まれ、音楽を奏でるには厳しい姿。
それがスタインウェイだとわかった時、資料室でみた70年以上前の
古い手紙が頭をよぎったのだった。

「次はグランドピアノをいれたいのです。中古で良いものが
 あれば、舶来のものを…」

スタインウェイは直る。
私は知っていたけれど、実際に動き出すにはそれから2年半の
月日が必要だった。ただ、待っていた。
やがて、その子は本当に、直されることになった。
故郷の教育のために巨額の私財を投じた偉人たちの思いと、
そのもとに育った多くの人々。
そして、楽器を愛するピアノ職人の力によって。

この秋、それを記念するコンサートが開かれる。
その打合せに、郷の小学校を訪れた。
大切で、幸せな時間だった。

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旧校舎と、新校舎の間にある運動場。
きっと、私もここにいるのだと思う。


秋の日、良い音楽の日となりますように。





posted by K10 at 17:16| 日記

2012年06月23日

6月おはなし音楽会

今月のテーマは『ぼーがいっぽん』。
ゲストはおなじみ、
フルーティストの丹下聡子さん。


それはなんじゃ?

くるくるっと巻いた紙の棒をいっぽんずつ…

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刀になったり、
「せっしゃ、おさむらいさんでござる!」

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フルートの吹き方を習ったり、

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いっぽんばしになったり。

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関ケ原スタッフ、優しいY子お姉さんのおはなし。

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あ!ほんとにお侍さんがやってきた!!

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せっしゃ、おさむらいさんでござる!

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もちろん、フルートの演奏もたっぷり。
(ドビュッシー《シリンクス》。
 音楽が始まった瞬間、こども達がすうっと静かに
 なったのには、本当に感動した。)

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今月も楽しかったね。
みんな、ありがとう。
また一緒に遊ぼうね。






posted by K10 at 18:51| 関ヶ原

2012年06月27日

そのままの時を生きる

小沢健二「我ら、時」展覧会とポップ・アップ・ショップ

この日にしか行けなくて、時間をとても気にしながら
飛び込むように会場へ。
運がよくて、そこには私しかいなかった。


液晶画面をしばし離れて、静かで密やかな時を
歩いてみませんか?
きっと何か新しい感触、あるいは大きな樹のように
古い感触を持って、トンネルから出てきていただける
気がしています。
http://www.parco-art.com/web/other/exhibition.php?id=478


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90年代、私はその他大勢の同世代たちと同じように、
彼のことをとても好きだった。
私自身がさまよっていた時代(ピアノの引越し回数が
多いのも、この流離があったからこそ)、小沢氏が
何を考え、どこに進んでいるのか、理解できなくても
共感できていたように思う。

今、益々理解できない、けれど、やはり、何かを
信じようとする私がいた。


この表現でよいのか。
展示された写真作品、こぼれ落ちてくる朗読、音、光、
これらに取り巻かれたなか、
私自身に対して、自問自答する、し続ける。

ささやくことは、本当に難しい。
全員に伝わらないことを、わかっていて行動するのは、
本当に勇気がいる。

けれど、実は当たり前のことではないのか?

迷い、ふらついてばかりいる事。
ただ、考え続けていく。







posted by K10 at 19:26| 展覧会

2012年06月30日

超人ルソー

☆音楽家ルソーふたたび
−異色作《ピグマリオン》を中心に−

2012年6月30日(金)武蔵野市民文化会館小ホール
http://www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2012/02/post-33.html

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ホール階段のシャンデリア。子供の頃からこういうの好き。


修士課程でのテーマをリストの朗唱曲《レノーレ》に定めた私は、
第1回目のゼミ発表にルソー《ピグマリオン》を選んだ。
いわゆるmelodramaと呼ばれる作品の始まりとされる。

ルソーのこの不思議な作品について調べるうち、本演奏会の
存在を知る。が、すでに完売(さすが東京…)。
殆ど諦めていたのだが、偶然たどり着いたサイトで券の入手が
可能となり、めでたく観劇することができた次第。

前半は、ルソーの音楽作品と、ルソーの主題を用いた変奏曲。
時に「つまらない、単調」などと言われるルソーの作品、私も
演奏を聴いたのはこれが初めてだったが、とても気に入った!
《3つの音によるエール―なんと日が長いのだ、お前と離れて
過ごすと》これは詞もルソーによるが、まさにミニマムの粋。
超音楽好きの友人夫婦に、すぐさま聴かせたいと思ったし、
たぶんとてもポピュラーになるんじゃないかと感じた。
(という話を大学でしたら、しーんとなったけれど)

《4つのクラリネット二重奏曲》。
長3度の音程は、ルソーにおいては「愛の音程」。
そしてなんという愛おしさに満ちた音楽だろう。
何より、ルソーの音楽に存在するこの感覚は、
非常に21世紀的だと思う。
(それをうまく説明する言葉が、まだ見つからないのだが)

クラーマー作曲《ルソーの夢・主題と変奏曲》。
小川京子氏による、その素晴らしい演奏!
「音色」というものは、かくも慎ましく深く慈しみに満ちた
存在であったのだ。
昨今の、けばけばしく表面的な「音色」に溢れたピアノ音楽に、
自らへの猛省も含め頭を抱えていた私にとって、それはまさに
泉のような演奏だった。


後半に、お待ちかねのメロドラム《ピグマリオン》。

「あらすじ」
仕事に絶望し、以前のように湧き出てこない霊感の枯渇に苦しむピグマリオンには、ふと思い当たることがあった。かつて入魂の技を振って刻んだガラテイアの像を幕で覆って傍らに置き、別の仕事にかかってからというもの、創作力に衰えが目立って来たのだ。ピグマリオンはその幕を取り去って、女神像をあらわにする。かつて仕上げた畢生の大作。しかし、感動と裏腹に、なにかが欠けていることに気づく。鑿を取り上げてみるが、なにか自分の手を拒むものがある。魂が欠けているのだ。様々な思いに身を苛んだピグマリオンが気を取り直して彫像を見つめると、なんとガラテイアの像は命をもってくる。そして台座を降りて彼に近づき、「私」と声を発する。彼女の手に口づけしたピグマリオンは、自分の生命が彼女にかかっているのを知るのだ。
(プログラムノートより)


散文の一人芝居(最後の最後でガラテイアが一言発するけれど)。
ピグマリオンが独り、独白で語り、演技を繰り広げる合間に、
小規模なオーケストラが長短様々な曲を奏する、という形式。
現代においてはそれ程奇異なものではないが、この様式の始祖が
この作品であった、というのは感慨深いものがある。
何といっても、非常に「ロマン派的」ではないか。
この作品は発表されるや直ちにドイツ語圏に広まり、その手法は
モーツァルト、ベートーヴェンにも影響を与えた。
そしてその後のロマン派の時代、多くのサロンにおいてmelodramaは
普遍的なプログラムであった。
リスト《レノーレ》も、まさにその流れから生まれた作品だ。

この点でも、ルソーはずいぶんと先んじていた感がある。
テーマの選択にしても、ギリシア神話に基づいていながら、そこに
表されているのは、「一芸術家」であり、「苦悩する人間」の姿。
(個人的には、ピグマリオン→フランケンシュタインのラインを
 妄想して、ぐるぐるぐる…)

* * *

ともあれ、素晴らしい時間でした。

ルソーの思想について、私は全くなんにも理解していない。
が、音楽について感じたことといえば、彼は300年先まで未来に
ぶっ飛んでいた、ほとんど宇宙人的に。

ご覧のとおり何にもまとまっていないのですが、
ひとことでいうならば、

カッコいいなあ、ルソー!


(…。また後日、書きたいと思います…)




posted by K10 at 23:02| 音楽雑記帳
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