2012年05月10日

ゴシックなる響き、古の響き

大学でオルガンのレッスンを受講中。
(週1のレッスンなんて、なんて幸せ…♥)

これが本当に、楽しすぎる!!!


言うまでもないことですが、む、難しいです。
ストップだけでなく、指でトーンを色々に変化させられるということに、
レッスン3回目でようやく気付いた。←ニブイ。

ペダル(足鍵盤)なんて、言わずもがな…。
(油断して急に動かそうなどとしたら骨盤がゴキッと)


ロマン派におけるオルガン。
恥ずかしながらこれまで、ほぼ完全に見落としていました。
しかしこれは、非常に重要な感性であったと実感。
研究にも大きな影響を及ぼしています。


大学での練習用のオルガン。

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きれいな子…。
なかなか練習時間が取れないのですが、奏でられるときは
しみじみ幸せです。


* * *

そんなある日。
家具を探して歩いていた名古屋は大須にて。
ふと入った素敵なお店に、素敵な楽器が。
思わず見とれていたら、

「弾いてもよいですよ」と、にこやかな店主の声。

え、いいんですか?! (歓喜)

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ポルタティフ・オルガンです。
古の絵画のなかでしか、見たことがありませんでした。

優しい、でも不思議な力強さを持つ音色。

このお店には、他にもたくさんの古楽器が。
全て店主が、趣味で手作り(!)されたものだそうです。
古楽を中心としたファンの集う場でもあり、
音楽家の方々も大勢ご来店されるとか。
偶然でしたが、素敵なお店に出会うことができました。

もちろん、家具も本当に素晴らしいのです☆
(店名にもある通り、オークの美しい家具がいっぱい。
 18世紀イギリス、ゴシックのお城にあるような机など
 オーダーしてみたい…うっとり♥)

* * * * *


この歳になって、新しい楽器に挑戦するなんてラッキーに
出会えるとは思っていなかった、というのが正直な気持ち。

日々、楽しみたいと思います♪





 
posted by K10 at 05:09| 日記

2012年05月06日

ゴシックの原点

『オトラント城』
ホレス・ウォルポール 千葉康樹 訳
英国十八世紀文学叢書4 研究社

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やっと読めました…!

堪能。


以下にご覧にいれる物語は、英国北部に古くから続くカトリック教徒の家の書庫で見つかったものである。この物語は一五二九年、ナポリにおいてゴシック体の活字で印刷されたのだが…



回りくどい(若干言い訳じみた)物語の導入。
人物描写の単純さ、甘さ、展開の強引さ。
幕引きの唐突さ、不自然さ。
上等な小説でないことは確かだが、そもそも上等である必要などないのだ。

そしてこの感覚こそ、ロマン派の根幹であると私は信じています。


ウォルポールの生涯をかけた夢「ストロベリー・ヒル」
(ああ、もうこの命名からしてたまらないったら)。
張りぼてでぶくぶくと増殖するゴシックの館。
建築において“ゴシック的なるもの”を表現し続けた彼の、小説はまた夢のひとひらであったのか。


ところで我がフランス語の師は、バロック時代の演劇がご専門だが、ウォルポールの愛人(であったかもしれない)盲目の女性に興味をもたれていた。
ウォルポールよりだいぶ年上のその女性について、わずかだが書かれているらしき本を発見、即注文。
(…いったい私は書籍代をどう支払っていくつもりなのだろう…)

* * *

連休の読書はロマン派三昧。
またあらためて。

* * *

p.s. 超久しぶりに DRESS ROOM 更新。なんと3年経っていました…。







posted by K10 at 23:48| 本棚

2012年04月29日

2012年の4月

あっ!!!!!!!という間に4月も終わりに。
本当に、一瞬でした。そして、

「ありがとうございます」
そのひとことにつきる日々でした。

ひとつずつ振り返ってゆきたいと思います。

* * *

4月28日:
【せきがはら人間村おはなし音楽会】

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ヴァイオリン:柴垣葉子さん、おはなしばあば:加藤奈津子さん、私。
ばあばが座っているのは、おはなし恐竜のキキ。



今年度最初の、おはなし音楽会。
テーマは《にじいろのはな》。
ゲストはヴァイオリニストの柴垣葉子さんでした。
《チャールダッシュ》、最っ高にかっこよかった♥
久しぶりの共演で、それも最高に嬉しかったです。

今回は、主催する(株)関ケ原製作所の社員さんが
一緒に絵本の読み聞かせをして下さいました。
素晴らしい美声で、私たちもうっとりと楽しみました。

おはなしを聞く部屋と、物語の世界が、音楽と一緒に
溶け合い、扉が開いていく感覚。
子どもたちと一緒に、そのむこうへ冒険にいく時間。

スタッフの皆様はじめ、遊びにきてくれる子供たち、ご家族。
関わるすべての皆様に、心より御礼申し上げます。

おはなしばあばは、さっそく5月の台本作りに。
来月はホルン、加藤惠三さんが再び人間村にやってきます。

5月26日(土)10:30、関ケ原でお会いしましょう♪

* * *

4月21日:
【せきがはら人間村フォーラム・オープニング花祭り】

株式会社 関ケ原製作所 http://www.sekigahara.co.jp/index.html

訪れるたび、その美しさに心打たれる会社です。
伊吹山を仰ぎ、今は緑、春の花々が咲き、そこここに佇む石彫の数々。
鳥の声、風の香。
今年のフォーラム、そのオープニングを宣言する会にて、
アンサンブル・カラヴィンカ http://blog.livedoor.jp/e_kalavinka/
で演奏させて頂きました。

関ケ原でのカラヴィンカの出演は、この度で2回目。
上記おはなし音楽会やその他の会で、メンバー個別で訪れることも
ありますから、アンサンブルとしてもここはずいぶんと馴染み深い
土地となりつつあります。

社会と芸術。
この強い結び付きを、アンサンブルのメンバーと共に、
より一層深く考えていきたいと思います。

関ケ原製作所の皆様、そしてカラヴィンカの友たち。
本当にありがとうございました。

* * *

4月15日:
【コンツェルト・ルーエ Nr.14 編曲〜作曲家は変身がお好き〜】
 チャイルドライン支援コンサート

ソプラノ佐地多美先生にお声掛け頂き、この素敵な演奏会に
出演させて頂きました。
「変身がお好き」のテーマに合わせ、出演者一同様々に
衣装も変えて、とても明るく暖かなコンサートでした☆

音楽による社会貢献を、長年にわたり続けられている先生。
信じられない程の多忙な日々を送っていらっしゃいますが、
毎年開催されるリサイタルでは、日本歌曲の歴史と美しさを
ホールいっぱいに響かせられています。

巡り合いに感謝し、これからも学ばせて頂きたいと思います。
ご来場頂きました皆様にも、心より御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。

* * *

4月10日:
【1927年製スタインウェイ、修繕へ】

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滋賀県のとある小学校にて、開校当時に購入されたピアノ
1927年製ハンブルグ・スタインウェイ。
長年子どもたちとともにあったこのピアノが、
修繕のため、愛知県のピアノ工房へ運ばれました。
なんとも素敵な物語!

約半年の修繕期間を経て、今秋再び小学校の講堂へと戻ります。
このお話しについては、後日またあらためて。

* * *

4月9日:
【愛知県立芸術大学大学院(音楽学)初日】

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県芸の桜ではありません、アシカラズ。

今年度から再び学生の身、その初日。
いまや履修届もPCからなのねー、と時代の変化に戸惑いつつ、
そもそも出身校ですからね。基本的に「庭」です 笑)。
でも、かつてとは「勉強したい熱」が違うな、やはり。
とても幸せです。

そして、四十路勤労学生です。
この日も午前のガイダンスを終えるや、車を飛ばして非常勤の
勤務先へ。こちらの大学も授業の初日。
一日に、学生の時間と先生の時間の両方をこなす。
これからはこれが日常です。

桜は、勤務先の大学で撮影。
しみじみと見上げました。

* * *

3月31日:
【第17回 マイネ・ブルーメ!コンサート】

幼い日、杉浦日出夫先生との出会いがなければ、私は決して
ピアノを続けてはいなかった。
本当に出来の悪い生徒でしたが、先生はいつも音楽の根幹を
教えて下さいました。
そしてそれは確かに、私の根となりました。
しっかりと大地に立つためだけではなく、様々な養分を
取り込むのに、最も重要な、根。

同門のピアニスト達との演奏会は、不思議な連帯感に包まれる。
忘れえぬ、幸せな日、舞台となりました。

そして今も日々芸術を探求し続ける先生。
まさに、音楽の騎士。

ご来場頂きました皆様に、心より御礼申し上げます。
そして、わが師に心からの感謝を捧げたいと思います。
本当に有難うございました。
これからも学び続けてゆきます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

* * *


駆け足で、ひとつきを振り返ってみました。

いや本当に、小さな私のキャパを超えた日々でしたが、
忙しいなどど言ってはバチがあたります。

(研究計画書が書き上げられなくて、勤務先からファミレスに
 飛び込みどーにかこーにかまとめてそのまま大学へ。
 研究室でプリントアウトして提出ギリギリセーフ、とか。
 …先が思いやられます…)

そう!スペシャルな再会も多い4月でした。

15日のコンツェルト・ルーエでは、明和高校時代の友人T君と再会。
私は音楽科、彼は普通科で、同じクラスになった事はないのですが、
なぜだかたびたび、おしゃべりする機会があったんですよね。
アンサンブル・カラヴィンカのホームページで私を見つけてくれたのが、
再会のきっかけでした。
お互いきっと変わっているはずなのに(白髪とかね)、なんだかあんまり、
いや、全然変わっていない気がするのが、同級生なのかもしれないね。

28日のおはなし音楽会には、大学時代の演劇仲間K氏が。
実は去年から、大学の博士課程に在籍する彼の奥様とはご縁があった
のですが、まさか、あの「ガラス男さん(当時の役名)」の奥様だったなんて!
(ちなみに私は「事故で成長の止まった少年」の役でした…)
本当に、縁とはどこでどう繋がっているかわからないものですね。
ご家族お揃いでいらしてくれて、なんて幸せなんだろう。
そして奥様とは、またたまらなく素敵な企画が浮上中、うふふふふ☆


ぞろろーんと、巻物のような更新になりました。
最後までお読みいただき、有難うございます。

この連休は、溜まった楽譜と本を読むぞ。
(「牧神」、「白いロバ」、「廃墟」、「オトラント城」、
 …キーワードだけでうっとり…♪)

皆様も、素敵な休日をお過ごしください☆

ストロベリーヒル.jpg
その名もストロベリー・ヒルというバラ。可愛い。
かの聖地巡礼はいつ叶うのかしら…






posted by K10 at 06:42| 日記

2012年03月25日

『ピアノマニア』

pianomania.jpg

http://www.piano-mania.com/index.html

映画館でのひとときが、とても楽しかった。
お客もまばらな館内、音楽関係の方はいたのかしら。
(なんだか私ひとり、笑いのツボがずれていた気がする…)

私は決して耳のよい人間ではありませんが、
夫と抜き差しならない喧嘩になるのは、たいてい「音」絡み。
ステレオ機材が落ち着くまでは、本当によく喧嘩をしていました。
そういえば今のシステムになってから、随分楽になったなあ。
(夫はプチ・ステレオマニアです。
 むろん生演奏がデフォルトですが。
 現在我が家の機材は全てイギリスのオールドに。)


素晴らしい映画です。
でも、映画の主題とは関係のないところで、ひとつどうしても個人的にひっかかることがある。
今、世界全体が大きく向かっている気がする「音の趣味」の問題。
これはあくまで「趣味」ですから、いい、悪いに振分けることはできません。しかし昨今、クラシックにおける「良い音」が、ずいぶん「デジタル・スピーカー的」とでもいうのか、濁りや揺らぎのない音になっているような気がするのです。デジタル・ロマンを私は否定しませんが、そればかりになるのは、私にはつまらない。
(そもそも、ホールの音響自体が綺麗になりすぎている気もする。
 「音楽空間」について、もっとよく考え観察しなければ。)

ともあれ、映画そのものの楽しさに何ら影響を与えるものでもない。
かねてから思っていたことを、映画によってよりよく考えさせられたと言うべきでしょう。

音の純度の高さ。この本質とは、なんなのだろう。


* * *


親愛なる我が師のレッスンを受ける。

…なんというか、整体院にいった後みたいな感覚。
ひとりで勝手に盛り上がって練習しているうちに、どんだけマニエってたんだ、という。
(いや、この言い方は美化だな。
 要するに楽譜がいい加減になっていた、あーあ。)

4月から学生に戻るのを機に、レッスンも再開することにした。
自らが未熟であることを、完全に受け入れなければと思う。
その上で、今ある立場と責任を背負うこと。





posted by K10 at 23:52| 映画

2012年03月14日

タウジヒの手

* * *

今朝、伴奏の仕事中、ふいに昨夜みた夢を思い出した。
タウジヒとしゃべっている私。

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カール・タウジヒ(1841年11月4日―1871年7月17日)
偉大なるヴィルトゥオーゾ、フランツ・リストの愛弟子。
その師より「鋼鉄の指」と讃えられた圧倒的テクニックと共に、
哲学的内省を感じさせる演奏で人気を博したが、腸チフスのため
29歳と8か月の若さで世を去った、伝説のピアニスト。


* * *

彼の手を見ている。
隆々した筋肉、しっかりとした骨、指1本1本が際立った、美しいピアニストの手。
ただ、その右手の中指と薬指は、かなり寄っていた。つまり腱が結合していると思われ、そこだけ私の手と似ている。
そのことを、タウジヒと話している、という夢。


なんのことはない。
バッハ《トッカータとフーガBWV.565 ニ短調》タウジヒ編曲版に没頭している今日この頃。どうしても弾きにくくて苦労している箇所が、自分の指の弱点に関連していること。タウジヒについて書かれたテキストに、彼の手にまつわる逸話があったこと。また、彼に師事した女性ピアニストの記述が心に残っていて、それらがそのまま夢にでた。
単純。

(そして、ここに載せた写真をあらためて見てみて、あら、
 夢にでてきた手と少し感じが違うようだけれど、確かに、
 中指と薬指がくっついて写っている。左手だけれど。)

いや、素敵な話なので、少し長いのですが抜粋します。

* * *

 タウジヒは背が低かったが、見ばえは悪くなく、眼は輝きをみせ、燃えるような眼差しだったと、フェイは、彼の写真を同封した手紙で書いている。
「ほんとに、小さいのヨ!」
と何度も強調するように書いているところをみると、よほど、それが強い印象となって訴えたのだろう。したがって、手もあまり大きくなかったようである。
 モノ知りのレンツが、ロシアへの演奏旅行に来たタウジヒに会って、彼の弾いたショパンの《英雄ポロネーズ》を聞いてびっくりし、例のオクターヴのところで、いたく感心している。
「どうして、あんなふうに弾けるんですか?オクターヴを、あんなに粒のそろった音で、しかも、あんなによく響かせて……。それに、つぶやくようなピアニッシモから、雷のようなフォルティッシモまで、よく出せるもんですネ!まったく、不思議だ!」
すると、タウジヒは、自分の手をレンツに見せながら、こう説明した。
「ネ、だから、私がいったでショ。私の手は特別なんだと……」。
そういってから、さらにつづけた。
「見てごらんなさい、私の手を。小さいでしょう。でも、手を自然な形にして鍵盤の上に置くと、左手は、ホ、嬰ニ、嬰ハ、ロの四つの音の上に、ちょうど乗っかるようにできているんですよ。造化の妙とでもいうんですかネ」。
 そのタウジヒは、ショパン以上にショパン的に、ショパンを弾いたとレンツはいっているが、前に紹介したように、ショパンについては、その私生活も含めて、深いつき合いをしていたレンツのいうことだから、ある程度まで信用してもいいのではないか。

※誠に恐縮ながら、出典本のタイトルを失念。わかり次第掲載します。


* * *

「フェイ」とは、エイミー・フェイ。
アメリカ出身の若いピアニストだった彼女は、ドイツに留学し、リスト、そしてダウジヒの弟子となる。
タウジヒはベルリンで自分のアカデミーを設立したが、卓抜したピアニストとしての腕に反し、教師としてはあまり優秀ではなかったようだ。
結局、5年ほどでこのアカデミーも閉じてしまった。
フェイはそのドイツ留学についての、生き生きとした書簡集を出したが、そこには極度に神経質で、どこか精神の安定を欠いた様子の師、タウジヒの姿が書き記されている。

「モノ知りレンツ」は、ヴィルヘルム・フォン・レンツ。
ロシア帝国の参事官で、熱烈な音楽愛好家。ディレッタントながら、リスト、ショパンのレッスンも受けた。19世紀前半の、パリの音楽事情や芸術家たちとの親交を記した著作が残されている。
『パリのヴィルトゥオーゾたち〜ショパンとリストの時代』(中野真帆子:訳、ショパン)の邦訳で楽しんだが、レンツの原書はこの二人の他、タウジヒ、ヘンゼルトの4章からなっている。
あーもう早く読みたいのですが、ああ、ドイツ語…。

* * *

いつもまでもそんな子供っぽいことを言っているからダメなんだと自らを叱咤しつつ、かように、私は彼らに会いたいのだ。

コンサートとは、逢瀬の約束。
なんとしても、約束の地まで、船をつけなければならない。
約束とは音楽そのもので、音楽は次元の壁を限りなく薄くする、
あるいは、次元の壁、そのものなのか…。
私は、この世の約束が守れない。けれど、
約束について、四六時中考える、夢のなかでも。

そういうものだと思う。







posted by K10 at 23:39| 音楽雑記帳

2012年02月28日

《 Souvenir du Rigi(リギの思い出)》

ご無沙汰しております。
三寒四温。
日射しに、春の気配を感じる頃となりました。

お元気ですか。


今日は、アルベルト・フランツ・ドップラー(1821−1883)
による、フルートとホルンとピアノのための作品
《Souvenir du Rigi(リギの思い出)》について書く徒然。

* * *

曲の後半現れるグロッケン(鐘)の、呑気なC音に、思い出したこと。

ロマン派時代のヨーロッパ、都市に住む人々は田舎の暮らしに憧れ、
貴族の奥方も、乳搾り女風のコスプレをして農婦な午後を楽しんだとか。
(かのマリー・アントワネットも、プチ・トリアノンの可愛らしい 
 農場で、野菜を作ったりして遊んでいたそうです)

自然に対する憧憬は、都会のオシャレな暮らし(サロン)のお約束で、
それは現代とあまり変わらない感覚にも思われます。


フランツ・ドップラーは、フルーティストとして当代一の名手と
謳われた演奏家であり、作曲家でもありました。
弟カールも名フルーティストで、兄弟揃っての演奏会は大変な
人気だったそうです。

Franz_und_Karl_Doppler.jpg

左が兄フランツ、右が弟カール。
19世紀の超絶技巧兄弟デュオ。かっこいい。



もちろんこの甘やかな小品も、サロンでの大変な人気曲。

「ここに集う紳士淑女のハートは、全てわたしのもの」

フルートの旋律は徹頭徹尾、この精神に貫かれているように
私には感じられます 笑)

だからこその、魅惑。
ああ、19世紀ロマン派。


ピアニスト・フランツ・リスト(1811−1886)とほとんど同時代、
と思ったら、なるほど。
ドップラー兄は、リストの《ハンガリアン・ラプソディ第2番》の
オーケストラ編曲を手掛けていました。
今は主にフルート作品で名を残しているドップラーですが、生前は
オペラやバレエ音楽など舞台音楽の作曲家として有名だったそうで、
ここにも、ロマン派音楽界のアトモスフィアを感じます。
うっとり。

ちなみに Rigi とは、スイスの山の名前。
19世紀からすでに王侯貴族、文化人が憧れ、訪れたという
(鉄道もまだ引かれていないのに)、
こちらも人気のリゾート地。

人気者が、人気のリゾートを歌う、奏でる。
現代もこういう曲、たくさんありますよね。
(…ありますよね、と言いつつ。
 ワタクシ、世代的にはジェネレーションXなので、日本における
 20世紀後半、スキー場で流れに流れたあの曲とか、または演歌の
 こんな曲、と浮かびますが。
 そういえば、今世紀はどうなんだろう。)


こういう曲は、心底なりきって演奏するのが楽しい。
指先からタイム・トリップ、なのです。




 



posted by K10 at 04:57| 音楽雑記帳

2012年01月26日

ご案内等

新しいPCが届いたのだけれど、ソフトの入替えがうまくできず。
HPの更新ができません…。

(スケジュールがいまだ年末です、何卒ご容赦を。)

ということで、こちらでご案内。

* * *

☆【 トリオ de カラヴィンカ 】
〜オーボエ・ファゴット&ピアノによるコンサート〜
(宗次ランチタイム名曲コンサート)

2012年2月4日(土)

11:00 開場 11:30 開演(12:30終演予定)
全自由席 1000円

宗次ホール

0204munetugu.jpg

アンサンブル・カラヴィンカのメンバーが今回は
トリオで初登場。オーボエ・ファゴットによるダブルリード楽器の
暖かな音色、それを優しく包み込むピアノとのアンサンブルで、
お馴染みの曲をお届けいたします。

☆オーボエ:宮澤 香
☆ファゴット:桑原真知子
☆ピアノ:加藤希央


♪ヴェルディ:歌劇「椿姫」より“前奏曲”
♪マルチェロ:オーボエ協奏曲
♪リスト:愛の夢
♪フランセ:オーボエ、ファゴット、ピアノのためのトリオ          
                            他



☆【 第17回 マイネ・ブルーメ!コンサート 】
〜杉浦日出夫 門下生による〜

2012年3月31日(土)

13:30 開場 14:00 開演
全自由席 1500円

しらかわホール

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幼い日より師事した、杉浦日出夫先生の教えこそが、今、
私が音楽・芸術を愛する力の源です。
同門の仲間たちとともに立つ舞台に感謝しつつ。
4月から進学する愛知県立芸術大学大学院音楽学領域での
研究テーマにちなみ、

♪J.Sバッハ/タウジッヒ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
♪フランク/バウアー:前奏曲、フーガと変奏曲 op.18

を演奏させていただきます。


両公演とも、お問い合わせはコチラよりお願いいたします。

* * *

今日、心を尽くした仕事が終わりました。
素晴らしい3年間。
出会った全ての方々に、感謝の思いでいっぱいです。
本当にありがとうございました。

別れは新しい日々、新しい関係の始まり。
これからも。
どうぞよろしくお願いいたします。


posted by K10 at 00:15| 日記
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